2024/2/8

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【インタビュー】ウィーン交響楽団 ヴィオラ奏者 羽柴累さんが語る、指揮者 オメル・メイール・ヴェルバー

 ウィーンの薫り漂う名門オーケストラ、ウィーン交響楽団が、3月13、14日にサントリーホールに登場! 今年はオメル・メイール・ヴェルバーの指揮のもと、「即興的」な音の対話を楽しめそうだ。2023年12月30日、ヴェルバー指揮のウィーン・コンツェルトハウスでのコンサート後に、同楽団の現場の様子や隠れた本音を伺った。

取材:平野玲音(オーストリア在住/チェリスト・文筆家)


平野:マエストロ・ヴェルバーとのコンサート、すばらしい演奏でしたね! 彼はどんな指揮者ですか?

羽柴:ご自分の音楽を非常に強く持っていらっしゃる。今日も速いテンポに皆が転がされてしまった部分はあるにせよ、メリハリはあったように思います。前回の共演で弾いたブルックナー《交響曲 ニ短調》(通称第0番)と比べると、今日は「第九」の第3楽章など、オーケストラがのびのび歌えるところもありました。

平野:転がされた――やや混沌とした箇所さえも、曲に合っていたために、一瞬たりとも退屈しませんでした。

羽柴:明日も「第九」のコンサートがあるのですが、20時半には終わるため、22時半くらいから、ヴェルバー氏は同じホールのジルヴェスター・ガラコンサートでアコーディオンを弾くようですよ。カフェでたまたまポスターを見て、驚きました(笑)

平野:それをまた、インスピレーションになさっているのでしょうね。

羽柴:そう思います。今日のコンサートにも、演劇(エラ・ミルヒ=シェリフの俳優と管弦楽のためのモノドラマ《永遠の異邦人》)が合わさっていて、私は面白かったです。「第九」の真ん中に入らなければ、曲自体は良いと思うのですが。

平野:「第九」をぶった切りにするのはかなりの冒険なので、観客席の一部からは、そこにブーイングが出てしまったのでしょう。でも、《永遠の異邦人》はベートーヴェンとかかわりのある曲ですし、モノドラマの後の第3楽章は、なんとも温かく人間的に響きましたよ。

羽柴:おそらく、いろいろ試していらっしゃる。

平野:第2楽章の最後に突然リタルダンド(だんだん遅く)した時は、どうしたことかと驚きましたが。

羽柴:オーケストラも、直前まで知らなかったんですよ。2日前の《永遠の異邦人》のリハーサルで、「ヴェルバー氏のアイディアで、これは実は真ん中に入るんだ」と聞き、リタルダンドの流れなども合わせました。

平野:3月には、ヴェルバー氏との日本ツアーがありますね。ウィーン交響楽団は、どれくらいの頻度で訪日しているのでしょう?

羽柴:以前は毎年行っていましたが、コロナなどで間隔が空き、久方ぶりの訪日です。今回演奏しますのは、ウィーンゆかりのブラームスとベートーヴェンの、王道を行くプログラム。ウィーン・フィルはオーケストラのカラーが強いのですが、ウィーン交響楽団は、指揮者に合わせてフレキシブルに色を変えられるのではないでしょうか。

平野:確かに、ウィーン・フィルで今日のように指揮をしたら、団員たちの抵抗に遭いそうですね。マエストロ・ヴェルバーとウィーン交響楽団の、唯一無二の組み合わせ。日本の皆様、どうぞお聴き逃しなく!


ウィーン交響楽団指揮者 オメル・メイール・ヴェルバー《直前インタビュー》

オメル・メイール・ヴェルバー ウィーンからの公演レポート

《公演情報》
オメル・メイール・ヴェルバー指揮 ウィーン交響楽団 河村尚子(ピアノ)

楽都ウィーンの名門 注目の指揮者ヴェルバーと共に謳いあげる薫り高い響き
オメル・メイール・ヴェルバー指揮 ウィーン交響楽団
2024年3月13日(水) 19:00 サントリーホール [河村尚子 (ピアノ) 出演]
2024年3月14日(木) 19:00 サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2061/


◆河村尚子のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/hisakokawamura/
◆ウィーン交響楽団のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/wienersymphoniker/

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