2023/7/26

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10月来日!パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団と共演! ブルース・リウ(ピアノ) インタビュー Vol.1

10月来日!
パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団と共演!
ブルース・リウ(ピアノ) インタビュー Vol.1

新しいことにはいつでもわくわくするし、夢中になります。

〜ブルース・リウ

ブルース・リウ

—1年半近くが経った今改めて振り返って、ショパンコンクールでの日々はブルースさんにとってどんな思い出ですか?

 毎日、毎時間の出来事をはっきり覚えていますが、同時に、夢のようだったと思います。その瞬間を生きていたけれど、常に何かの準備をしているようなところもあって、半分幻想、半分リアルという感じでした。そのプロセスに入り込んで楽しんでいたので、結果がどうなるかまで考えが及んでいなかったから、アナウンスで優勝といわれたときはショックを受けました。あの時の心境は一生忘れないと思います。そしてその瞬間、プロセスを楽んでいる感覚が終わってしまったところがありますね。

—あの瞬間に夢の時間が終わってしまった?

 そう、そこから何日間かは。自分でコントロールできないことが多すぎて、心配になってしまったのです。でもやがて慣れて、そうしたらまた新しい夢の時間が始まりました。

—数日ですぐに受け入れられたのですか?

 部分的にはそうかな。でも全てを受け入れるまでには数ヶ月かかったように思います。側から見たら、僕は一応うまくやっているように見えたほうじゃないかなと思います(笑)。

—コンクールの後、“自分も自分の演奏も変わっていないのに、優勝した途端、みんなが自分の演奏がすばらしいと言い出すんだ”とおっしゃっていました。そういう周りの変化を静かに見ていたところがあるのですね。

 そうですね、そういうふうに冷静でいられるのはいいことだと思います。いつでも自分自身でいられることは、アートにとっては理想的な状態ですから。

—2月の日本ツアーも含め、ハードなスケジュールで演奏活動を続けていますが、大変だと感じることはありますか?

 日本でこういうリサイタルツアーをするのは初めてでした。東京以外のいろいろな街を探索し、街並みや食べ物、人の違いを知ることができました。街によってホールがだいぶ違ったので、瞬時にその会場に適応しなくてはいけないことも多かったです。
 毎日のように荷物をまとめてはほどいて、新幹線や飛行機に乗って移動する生活は大変だったけれど、人生は驚きの連続であってこそいいものです。コンクールに優勝した経験は、全く新しいページに自分を運んでくれました。こういう生活が人生でずっと続くわけではありませんし、大切なのは、この時間を経て自分がどうなっていくかです。

—以前、好きな作曲家は15分ごとに変わるから答えられないとおっしゃっていました。では少し質問を変えて、ご自分に近いと思う作曲家は?

 たしかに、それならもう少し長く答えが変わらないかもしれない、1週間くらいは(笑)。この質問、人によっては簡単に答えるでしょうけれど……例えば僕の先生のダン・タイ・ソンさんなら、モーツァルト、シューベルト、ショパン、ドビュッシーとおっしゃるんじゃないかと思います。でも僕にとってはちょっと難しいですね。まだ見つけられていないのかもしれない。しいていえば、シューマンでしょうか。でも彼は本当にクレイジーだったから、あまりそう言いたくないというのもあります。

—正直に言っていいのですよ。

 僕、クレイジーだって思われたくない(笑)! でもときどき、自分のなかにいろいろなキャラクターがいるのを感じて、シューマンってこうだったのかもしれないと思うときがあります。でもとにかく僕は、彼ほどクレイジーではありません。一部の人は、本当にそういう多重人格のような部分を持っていると思いますけれど。

—いつかたくさんシューマンを弾くことになるのでしょうか?

 そうかもしれませんね。もちろん、自分と作曲家のキャラクターが近いというのは演奏するうえで必須のことではないけれど。シューマンくらい大きなコントラストがある作曲家を演奏するとなると、一つの作品の中で全く別の人間にならなくてはいけませんし。

—シューマンと関連する作曲家という意味で、ブラームスはどうですか?

 彼みたいに一生痛みを感じて生きるのはいやだなぁと思うけど(笑)。でも、作品はもちろんすばらしいし、特別なものを感じるある瞬間もあります。

—10月には、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との日本ツアーがあります。ヤルヴィさんの印象は?

 まだお会いしたことがありませんが、すばらしい音楽家で、彼の指揮が本当に好きです。これから弾き振りを経験することになる前に、彼から指揮のアドバイスが受けるられたらいいなと思っています。パーヴォさんは、音楽が血の中に流れ、お父様から受け継がれるものを持つ、真のミュージシャンです。そういう方と二つの協奏曲を演奏できるのはとても良い経験になると思います。

—共演すること以上に、指揮を教えてもらうことを楽しみにしているみたいですね?

 あぁ! たしかにそうかもしれない(笑)。

—そんなに指揮の勉強への関心が高まっているのですか?

 まだ勉強は始めていないけれど、新しいことにはいつでもわくわくするし、夢中になります。

(Vol.2に続く)

インタビュアー:高坂はる香(音楽ライター)



パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

https://www.japanarts.co.jp/concert/p2033/
スイスの名門オーケストラと今最も注目されているピアニスト のブルース・リウによる壮麗なる響き。音楽監督パーヴォ・ヤルヴィが魅せる新境地にご期待ください。

[公演日程]
10月15日(日) 北九州ソレイユホール
10月16日(月) サントリーホール(完売)
10月18日(水) サントリーホール(完売)
10月19日(木) 所沢市民文化センター ミューズ
10月20日(金) 富士市文化会館 ロゼシアター
10月21日(土) ザ・シンフォニーホール

パーヴォ・ヤルヴィパーヴォ・ヤルヴィ

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