2023/5/10

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チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 10月来日! 音楽監督 パーヴォ・ヤルヴィ インタビュー Vol.1

チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 10月来日!

チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 音楽監督
パーヴォ・ヤルヴィ インタビュー Vol.1

私のミッションはチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団への評価をウィーン・フィル、ベルリン・フィルに匹敵する水準に引き上げることです

〜パーヴォ・ヤルヴィ

パーヴォ・ヤルヴィ

パーヴォ・ヤルヴィが2019年から音楽監督を務めるチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団と2023年10月、初めての日本ツアーを行う。このスイスの名門オーケストラゆかりのベートーヴェン、ブラームスを前面に立て2021年ショパン国際ピアノ・コンクールの覇者、ブルース・リウが奏でるショパン、ラフマニノフの名協奏曲と組み合わせる。2023年4月20日、NHK交響楽団と2年ぶり、名誉指揮者就任後初の共演のために来日中の機会をとらえ、秋に控えたツアーへの抱負をうかがった。

--1995年に東京交響楽団への客演で初めて日本に来られた時インタヴューの機会を授かって以来、世界各地のオーケストラと来日、N響の首席指揮者も務められました。
ツアーを定期的に行っているドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(DKP)の他にシンシナティ交響楽団、hr(フランクフルト放送)交響楽団、パリ管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、エストニア・フェスティヴァル・オーケストラなどと来演しました。日本の楽団では大阪フィルハーモニー交響楽団も指揮しました。

--指揮者は1人でもオーケストラが替われば別のケミストリー(化学反応)を生みますが、チューリッヒ・トーンハレとの組み合わせには、何を期待しましょうか?
例えば、パリ管では強いフランス音楽の伝統を軸に20世紀のロシアや北欧の作品へとレパートリーを広げていきました。トーンハレ管はスイス・ドイツ語圏の中心地、チューリッヒに本拠を置き、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やシュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団などに近い存在。ベートーヴェン以降メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ブルックナーらドイツ・ロマン派の作曲家に強みを発揮してきましたが、レジデント・コンポーザーにジョン・アダムスや細川俊夫を招くなど、21世紀のモダン・オーケストラの顔も備えています。昨年9月にも細川の新作《セレモニー〜フルートとオーケストラのための》(エマニュエル・パユ独奏=オーケストラ・アンサンブル金沢との共同委嘱)を世界初演したばかりです」

--トーンハレ管弦楽団のサウンドの特色をもう少し詳しく、教えてください。歌劇場のピットにも入るウィーン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒゲヴァントハウス管と違い、チューリッヒは1985年以降オペラのチームと分かれ、コンサート専門のオーケストラになっています。
トーンハレ(音楽堂)の名が示す通り、ウィーン楽友協会(ムジークフェライン)ホール以上に豊かな残響を誇るホールと一体に育まれたサウンドは、他に類例のないものです。ブラームスやブルックナー、マーラーをトーンハレで演奏した時の温かく豊麗な残響は音楽の滑らかさ、色彩感を高め、ロマン派音楽の理想的再現といえます。ウィーン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンがシンフォニーを演奏しても依然、歌劇場管弦楽団のアイデンティティを感じさせる理由は演奏頻度にもあり、彼らの年間コンサート回数が35だとすれば、トーンハレ管は50を超えます。逆に、シンフォニー・オーケストラが舞台上でオペラの演奏会形式に臨むと、歌劇場とは異なる形の『声とのコラボレーション』が生まれます。

(Vol2に続く)

取材・翻訳=池田卓夫
音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎
https://www.iketakuhonpo.com/



≪公演情報≫

パーヴォ・ヤルヴィ率いるスイスの名門オーケストラと最旬のソリスト ブルース・リウが紡ぎ出す壮麗なる響き!
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
日時:2023年10月16日(月) 19:00/2023年10月18日(水) 19:00
会場:サントリーホール
出演:パーヴォ・ヤルヴィ(音楽監督)、ブルース・リウ(ピアノ)、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2033/


◆パーヴォ・ヤルヴィのアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/paavojarvi/
◆チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/tonhalleorchesterzurich/
◆ブルース・リウのアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/bruceliu/

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