2022/12/14

ニュース

  • Facebookでシェア
  • Twitterでツイート
  • noteで書く

【学生サポートパートナー】《アーティストへの質問コーナー》樫本大進、赤坂智子、ユリアン・シュテッケル、藤田真央からの回答が届きました!

学生サポートパートナー

ジャパン・アーツではサポート企業とともに、学生の皆さまが特別価格でコンサートを鑑賞できるような取り組みを進めております。 今回は、株式会社ソーシャルキャピタルマネジメント、及び、株式会社ロジックアンドエモーションに<スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.1 室内楽の夕べ>(2022年11月28日(月) 19:00 サントリーホール)をサポートいただき、<特別学生券 ハピネスシート>を設定いたしました。

公演後のアンケートを通して<特別学生券 ハピネスシート>に参加してくださった学生の皆さんからいただいた質問を樫本大進さん、赤坂智子さん、ユリアン・シュテッケルさん、藤田真央さんに聞いてみました!

20221128ハピネスシート

● 合わせの練習はどのくらいされたんでしょうか。またどのような雰囲気でしたか?
日本に到着してから2日間リハーサルし、兵庫公演を行ったあとに東京公演を迎えました。楽しく和気あいあいとしながらも、真摯に意見交換を行いながら作り上げました。

● 樫本大進さんに質問なのですが、ソロで弾くときと室内楽で演奏される時特に何に気をつけていますか?
室内楽を演奏するときは共演者の皆さんと作り上げる音楽であること、常にアンテナを張り巡らせてコミュニケーションを図ることを意識しています。ソロの時は自分の作り上げたい音楽をまず意識することが、室内楽とは違うアプローチだと思います。自分の伝えたい音楽をいかに素直に伝えられるかを気を付けています。

● 困難に直面したときはどうやって乗り越えましたか?
(樫本)悪いことが起きた中にも必ず何か一つは得られること(良い事)があると思っています。その一つをポジティブに捉えて、乗り越えていくようにしています。

(シュテッケル)音楽を演奏する時には常に迷いが生じたり弱気になることもあるものです。それが人間というものでもあります。しかしそれは何かに一生懸命だからこそ直面することでもあります。だいぶ昔ですが、チェロが弾けなくなるかもしれない大怪我を負いました。そんなとき、まずはその困難を認めて受け入れ、そこからどのようにしたらよいかを考えて立ち向かいました。この『受け入れる』ということが大事だと思います。音楽家は常に完璧を求められますが、それは難しいことで、完全というものは存在しません。

スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.1 室内楽の夕べ

● 室内楽の場合、本番の演奏中に思いついたアイデアを、実際演奏するかしないかの基準はありますか。
(樫本)意識の中に常にあると思います。だからこそライブ(生)の演奏はエキサイティングであり、何が起こるかわからない面白さがあるからこそ、楽しいのだと思います。

(シュテッケル)無意識的に思いつく考えには、とくに室内楽に関して、相手がいるときは責任を持たなければならないです。相手を驚かせることはできません。ただ個人的に思うのは、人間は100%同じことを繰り返すことはできませんので、同じコンサートをしたり、同じ曲を演奏したとしても何かしらの違いは生まれます。無意識な考えが浮かんだ時、それを動きで伝えることができたら、その演奏を行うことはあります。それこそが生演奏であり、たんなる銅像ではないことのためにも重要なことだと考えます。

● 移動や公演が続くときの体調管理の仕方 楽器に触れないときに音を出さずに頭の中で練習したりするのでしょうか?
常に健康に気を付けることが大事ですが、演奏家は座っていることが多いので、いろいろと動くことが大事だと考えます。ジョギングやバイク(自転車)、毎日ストレッチのような運動もして、体幹を鍛えることを意識しています。長年付き合ってきた体なので自分がストレッチなどできていないときは背中が痛くなったりすることがわかります。またメンタルを鍛えることも重要です。よく食べ、よく寝て、良い時間を過ごすように心がけています。これらが、公演があって移動するときだけでなく、家にいるときでも気を付けていることです。頭の中で練習することもあります。例えばよく知っている本をもう一度読み直すようなものです。あるいはスキーレースなどは、コースを頭に浮かべながら滑りますが、それと同じ感覚です。頭の中で演奏することはステージに上がる前に落ち着く意味でも役立ちます。

スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.1 室内楽の夕べ

● ユリアン・シュテッケルさんに伺います。
ミュンヘン音楽大学で教授を務められているそうですが、教授としてのやりがいを感じる時はどんなときですか?また、学生に教える際に心がけていることがあったら教えていただきたいです。
(シュテッケル)苦労してもがいて学生が問題を解決するということ、それが一緒に出来たとき、生徒は前進したと感じることができます。それは時によっては「前に進む」だけでなく「一歩下がる」ということもあります。前進するには時として我慢も必要です。少しずつ、たまには遠回りをして前進していくのです。2~4年の歳月を学生と過ごすわけですが、その学生が自分とともにある時間を過ごした後に、自分の足で進んでいることを感じられた時、とても誇りに思いますし喜びを感じます。私との時間が無駄ではなかったと感じられます。教えるということはやりがい以外のなにものでもありません。生徒たちは皆、一人ずつ違います。チェロの学び方は同じでもそれぞれのたどってきた道は違います。なので常に彼らとの接点を探すようにして、彼らを理解しようと心がけています。そのため、先生というのはクリエイティブでなければならないです。生徒全員に同じ教え方をすることはできません。しかしそうでなければ教えるということもつまらないことになってしまいます。

● 藤田真央さんに伺います。
プロのピアニストになろうと思ったのはいつ頃でしょうか、そのきっかけなどを教えてください。
(藤田)回答になっているかは不明ですが、正直に言うとプロになろうと思ったことは一度もなく、気づいてたらなっていたということでした。ピアノは他の楽器よりコンクールにおいての年齢の下限が高く設定してあるように思います。私が初めて受けれるようになったクララハスキル国際ピアノコンクールも年齢制限が18歳からだと記憶しています。(上限は30歳まで)
挑戦の意を込めて受けたこのコンクールにいきなり優勝したため、たくさんのコンサートの機会を国内外問わずいただけるようになったのですが、間もなく自分はいわゆる”プロ”であるかもしれないと実感した次第であります。
若いみなさんにはたくさんの出会いや経験があることでしょう。そしてそれがふとした時に人生において大事な分岐点だったりするものです。その大事な瞬間を無下にしてしまわないよう一瞬一瞬を大切に生きたことが、案外私がピアニストになれた道だったのかもしれません。


⇒ 学生サポートパートナーについてはこちら
https://www.japanarts.co.jp/news/p6937/

⇒ 樫本大進のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/daishinkashimoto/
⇒ 藤田真央のアーティストページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/maofujita/

ページ上部へ