2013/10/29

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【チェコ・フィル記者会見レポート】

2013年10月29日(火)都内でチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の総裁ダヴィット・マレチェックと首席指揮者のイルジー・ビエロフラーヴェクの記者会見が行われました。
すでに日本ツアーはスタートしていますが、改めて今回の公演にかける想いや、生まれ変わったチェコ・フィルについてそれぞれが語りました。

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

まずはマレチェツク総裁の挨拶

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

「昨年ビエロフラーヴェク氏を首席指揮者に迎え、最初の大きな海外公演が日本であることを、我々はとても嬉しく思います。マエストロの音楽に対する熱い思い、それによって変わった新しいチェコ・フィルの演奏をお約束します。」

続いてマエストロ・ビエロフラーヴェク

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

「私と日本とのつながりは40年近くになります。私が日本フィルを指揮したことは、私が世界に出て行く大きなきっかけになりました。また日本の皆さんから、音楽に対する真摯な態度、美しさに対するあくなき追求心を学びました。
日本の多くのオーケストラを指揮する機会を得て、大きな影響を受けましたし、このころ培った友情が今なお続いていることに感謝しています。」

その後、記者からの質問に答えました。

― 首席指揮者に20年ぶりに復帰したことについて。
「復帰するにあたり、2つの条件を提示しました。それはチェコ・フィルの本来持っていた“魂”を取り戻そう。そして団員の条件を改善しよう、ということです。就任してから1年ですが、芸術のレベルを向上させる努力を重ねそれは実ってきていると思います。ただ芸術に“これで良し!”という終わりはありません。」

続いてマレチェック総裁の言葉「私たち事務局も、ビエロフラーヴェク氏がチェコ・フィルに戻してもらうことがチェコ・フィルを再生させる“唯一の方法”であると考えました。また団員の条件改善と同時に、オーケストラ内部の規律も厳しく定めました。それは事務局と団員が一体となって作り上げるものだからです。」

ビエロフラーヴェク「1990年から1992年までチェコ・フィルの首席指揮者に就任しましたが、皆さんご存知のとおり幸せな期間ではありませんでした。
その後20年経ち昔の名声を失っていると感じ、私が行なったことはまずオーケストラに自信を取り戻すことでした。ターリヒ、クーベリック、アンチェル、ノイマンの時代の音、音楽を取り戻したかったのです。でもそれだけでは足りません。伝統を取り戻すと同時に、現代のオーケストラとしての響きを奏でることが必要だと考えています。
チェコ・フィルには特別な音色があるのです。」

― チェコ・フィルの特別な音色とは?
「ほとんどのメンバーがチェコの伝統に基づく音楽教育を受けた人材であること。そして本拠地である音響の素晴らしいルドルフィヌム(ドヴォルザークホール)のおかげ。チェコ人作曲家の作品を弾きこみ、音が深まり磨かれていることによります。」

―今回のソリスト河村尚子さんについて
「河村尚子さんは、チェコでも3回の定期演奏会に出演しました。説得力のある音楽を奏でるピアニストです。作曲家の言葉に耳を傾け、音楽の中でそのメッセージを伝えてくれる素晴らしいアーティストです。」

―レコーディングについて
「昨シーズンから、ドヴォルザークの全交響曲を録音するというプロジェクトをデッカ・レーベルでスタートし、すでに6曲のレコーディングを終えました。今シーズン2番、4番、9番を録音し、2014年秋にリリース予定です。さらにドヴォルザーク全曲録音はノイマン氏が行い高い評価を得ています。それは25年前のことで曲に対しての新しいまなざしが必要だとプロデューサーから依頼を受け、私も同意しました。さらにプラハの春音楽祭で演奏する“我が祖国”も録音する予定です。」

マエストロは終始にこやかに会見を終了しまいた。

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

ビエロフラーヴェク&新生チェコ・フィルの公演は、明日(10月30日)はナレク・アフナジャリャン、31日はイザベル・ファウスト、3日は河村尚子をソリストに迎えて行われます。
乞うご期待!


―甦る“誇り高き響き”―
ビエロフラーヴェク指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
2013年10月30日(水) 19時開演 サントリーホール
2013年10月31日(木) 19時開演 サントリーホール
2013年11月03日(日・祝) 19時開演 ミューザ川崎シンフォニーホール
詳しい公演情報はこちらから

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