2021/5/6

ニュース

  • Facebookでシェア
  • Twitterでツイート
  • noteで書く

横山幸雄デビュー30周年 オンライン記者会見レポート

4月23日(金)、横山幸雄デビュー30周年 オンライン記者会見が行われました。

【記者会見の記録】

今年デビュー30周年を迎える、ピアニスト横山幸雄は、1990年第12回ショパン国際ピアノコンクールにおいて日本人として最年少19歳で入賞を果たしてから昨年が、ショパン・コンクール入賞より30年。この快挙は、いまだ誰も破ることのない記録です。そして、その翌年にデビュー・リサイタルで20都市を横断するアツーを行い、今年が演奏活動30年目の節目を迎えます。これまで様々な、意欲的で情熱あふれる企画を次々に行い、常に第一線で活躍してまいりました。定期的にリリースされたCDは、数々の賞を受賞し、レコード芸術の特選盤にも数多く選ばれています。横山幸雄の活躍の場は、演奏活動にとどまらず、音楽アカデミーへの参加や、音楽大学で教鞭をとるなど、後進の指導にも力を注ぎ、多くの優秀なピアニストを輩出。また、国内外のピアノ・コンクールの審査員として参加をするなど、音楽の様々な場に力を尽くしてまいりました。
横山幸雄デビュー30周年の今年は、その集大成となる演奏会が予定してございます。

株式会社ジャパン・アーツ
代表取締役社長 二瓶純一より ごあいさつ

~~~特に近年ポーランドとの交流に関して、
日本パデレフスキ協会の会長として、2019年に日本とポーランド国交100周年ポーランド芸術祭in Japan のオフィシャルアンバサダーとして活躍。今年は本来ならば今頃、ワルシャワ・フィルとの共演、リサイタルが予定されていました。横山幸雄さんは、これまで企画性の高いコンサートでみんなを感動させてきたピアニストであり、時代を切り開いてきたピアニスト。今年は国内での演奏会が中心となりますが、所属事務所として、30周年の活動をサポートしていきます。

横山幸雄より ごあいさつ
30周年、これまで演奏し続けられたことについて、関係者、お客様にまずはお礼申し上げたい。30年は長い年月ではありますが、これからも演奏を続けていけるならば、ピアニストとしては折り返し地点。これまでが長かったような短かったような、様々な感覚がありますが、これからも、ますます素晴らしい音楽を、皆さまと共有できる時間を持ち続けたいと思っています。

横山幸雄

質疑応答
◎デビュー30周年のツアースタートでした4/17大阪公演を終えての今の想い、また5月の東京・福岡公演に寄せての想いなどお伺いできますか?
*5月の東京公演は4都府県への緊急事態宣言発出に伴い、6月20日(日)に公演延期となりました。

まず、僕にとってひとつひとつの演奏会はどれも大事です。そのうえで、特に大都市での、比較的頻繁に演奏しているところについては、何度もいらして下さるお客さまもあり、その方々にも常に新しい感動があることを願っています。先日の大阪でのリサイタルは、30周年の集大成でした。福岡公演は、バッハからモーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、そして、自作、リストを弾くバラエティにとんだプログラムで贈る、自分自身の30年を振り返る公演ともいえます。「入魂のショパン」については、若いときの作品にしぼっており、僕自身がショパン・コンクールで演奏した第2番のコンチェルトからはじめます。

◎横山さんはピアノ協奏曲を集めた演奏会など、体力と集中力を長時間要する企画をよくなさいます。体力、集中力を維持するためにふだん心がけていることは何でしょうか。

2時間のコンサートというのは、生活様式から現代社会にあったコンサートの時間であって、そこにすべてを当てはめる必要もないのではないかと思っています。実際にショパンの時代は今よりずっと長いコンサートでした。長い演奏会をやることは、実は体力を消耗することでもないのです。身体能力からすれば、スポーツ的な要素は含みますが、スポーツではないのです。時間の長さは想定しておけばそれほど難しくない。それよりも、準備の方が重要です。本番は、準備してきたことを出し切る。出し切ることができるかも試練としてためされるわけですね。長いコンサートは、よけいな緊張感はへらせるので、特に心がけていることはないのです。それに、集中力は誰にでもあり、誰にでもできること、と思いますよ。

横山幸雄

◎自粛期間中、ネット配信を精力的になさっていました。横山さんにとってその間得られたものは何だったのでしょうか。

自粛期間は、コンサートがなくなり、サロンコンサートなどに限られた環境で行ううちに、これからの時代にはネットを通じてのコンサートがあってよいのではないかと思い、ライブ配信をやってみようかなと、始めました。とはいっても、自分自身は、生演奏あってのことと思っています。それでも、ネット配信によって、遠方の方や足を運べない都合の悪い方にとって、アーティストの今を伝えられる、お客様とのコミュニケーションをはかれる機会として重要なことではないかとも感じています。

◎未来への展望、例えば50周年に向けての展望をお聞かせてください

50周年―――、実感はそこに至らないとわからないものがありますが、デビューして最初の10年は新しいレパートリーを広げ、活動の幅を広げることを意識していました。その後は、作曲や教育の場に力を尽くして、20年たって、自分の好きなもの、やりたいことを厳選できればいいなと思っていましたが、そのころから「長い演奏会」が増えてきまして、演奏活動の可能性を広げたといえるのではないかと思っています。基本的には、ショパンとベートーヴェンが活動の柱となっていますが、フランスの作品なども織り交ぜながらと。。
50周年のころには、年齢的にも演奏家としてもいい時代にあると思うのと、やりたいことがより明確になってきているのではないかと思うし、そうあってほしいと思います。そんな僕の演奏を皆さんに楽しんでいただいていれば、なお嬉しいですね。

◎「ベートーヴェン・プラス」今年のプログラムについて

生誕250年を目指して取り組んできた企画で、毎回、ベートーヴェンとほかの作曲家の様々な共通点や接点を結び付けて選曲しています。昨年は春の「入魂のショパン」が夏に延期になり、9月のベートーヴェン・プラスはとんでしまって、12月にベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会を行いました。生誕250年の記念の年に終わりにしなければならないこともなく、2027年の没後200年まで続けていってもよいかなと思っています。9月のリサイタルでは、それぞれの作曲家が晩年・最後に書いた作品をプログラムに構成しています。

◎何か新しいレコーディング、あるいはソフト制作の計画はありますか?

「入魂のショパン」第10回を記念し、3日間で行ったショパンの全240作品を演奏した記録がおさめられたDVDを皆さんに聴いていただきたいという思いがあり、しばらくCDのリリースがありませんでしたが、今後は予定していますので、楽しみにお待ちください。
昨年12月に行った東京文化会館でのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏のライブDVDは近くリリースしたいと準備しています。
ベートーヴェンのソナタ全曲演奏会は、実はもともと行うつもりはなかったのです。ですが、世の中が劇的に変化していく中で、「ベートーヴェン」から得られるものがあるのではないかと思い、することにしました。

◎今年の秋のコンサートの主催者より。大阪(ザ・シンフォニーホール)は、どのような存在でしょうか?

大阪のザ・シンフォニーホールや東京のサントリーホールは、その土地のメイン・コンサート・ホールであり、デビューの時に舞台にたったコンサートホールとして、最初のめちゃくちゃ緊張した記憶が今でもあります。ザ・シンフォニーホールの周辺の風景は変わっても ホールの近くにいると身が引き締まるおもいがあり、ホールの中に入ると、今でもピリとした緊張感があります。ピアノの音がうすまらずに響きわたる感じや、コンチェルトなら、とても近い距離にお客様の息遣いを感じることができる、かけがえのないホールです。何度も演奏しているホールには 新鮮な思いがよみがえってくる感覚がありますね。

◎「長い演奏会」に、体力の衰えなど、消耗を感じることはありませんか?

衰えないように、毎日ワインを飲んでいます。(爆笑)
おいしいワインとおいしい食事、そして忘れてはいけない“素晴らしい音楽”で免疫力を高めていきましょう!

◎デビュー40周年に向けた壮大な夢はありますか?

皆さんと僕自身の幸せがともにあればいいなと思っています。多様性をうけいれることによって、幸せの輪が広がっていけばいいなと。演奏の技術や表現をつきつめるのは当たり前のことなので、それよりもっと広い枠で考えたいという思いです。そのためにも、辛い思いをしている方々、生きてゆくことが大変な方々にも、何らかのかたちで音楽をとどけてゆきたいと思っています。

演奏
ショパン 若い時の代表作
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

横山幸雄

横山幸雄

今後の主な公演予定
5月9日(日) アクロス福岡
http://m-m21.com/yokoyama2021.html
6月20日(日) [5月5日(水・祝)振替公演] 東京オペラシティコンサートホール ジャパン・アーツ主催
https://www.japanarts.co.jp/concert/p908/
7月16日(金) 神奈川県立音楽堂
https://kanagawa-geikyo.com/concert/concert-2821/
9月23日(木・祝) 東京オペラシティコンサートホール ジャパン・アーツ主催
https://www.japanarts.co.jp/concert/p907/

11月20日(土) ザ・シンフォニーホール 朝日放送テレビ主催
横山幸雄 ドラマティック・コンチェルト in 大阪
<指揮:梅田俊明  管弦楽:センチュリー交響楽団>             

2022年
1月12日(水) サントリーホール ジャパン・アーツ主催
横山幸雄デビュー30周年記念 ピアノ協奏曲の夕べ
<指揮:大友直人 管弦楽:東京都交響楽団>

3月26日(土) 愛知県芸術劇場 ジャパン・アーツ主催
横山幸雄デビュー30周年記念 「華麗なる4大ピアノ協奏曲の響宴」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
<指揮:アレッサンドロ・ボナート 管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団>

※詳細は決まり次第ホームページでお知らせいたします。

ページ上部へ