2013/9/25

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来日直前! アンドリス・ネルソンス(バーミンガム市交響楽団音楽監督)に聞く

アンドリス・ネルソンス

Q:ネルソンスさんは3年前にウィーン・フィルと来日されましたが、音楽監督を務められるバーミンガム市交響楽団(CBSO)とは初めての来日です。そもそも、どのようなきっかけでこのオーケストラの音楽監督になられたのでしょうか?
アンドリス・ネルソンス(以降、AN):バーミンガム市交響楽団(CBSO)とは、今年の秋で6年目のシーズンに入ります。2007年にコンサートとレコーディングで初めて共演し、直後に音楽監督のお話をいただき、翌年秋に就任しました、私とCBSOとの関係は最初からとても濃く、急速に始まったのです!

Q:その記念すべき最初のコンサートで演奏したのが、今回の来日公演でも取り上げるドヴォルジャークの交響曲第9番《新世界より》だったそうですね。
AN:はい、初顔合わせの時に演奏したのが《新世界より》で、オーケストラも私もその場で恋に落ちたのです!この曲は私たちが最初にレコーディングした作品でもあり、その後も折々に演奏している特別な演目です。

Q:ネルソンスさんから見て、CBSOはどのようなオーケストラですか。
AN:音楽に対して“ほとばしる情熱”を持ったオーケストラで、音楽に対してとてもオープンです。室内楽的な柔軟な音楽作りができ、その一方で強弱の幅も広く、美しいピアニッシモから爆発的な大音量まで出すことができます。私たちは常に音のクオリティを追求しており、響きに対する繊細さと柔軟性、そして色彩感を大切にしています。

Q:この5年間、バーミンガムではどのようなプログラムを組んでこられましたか?
AN:年間のテーマと、より長期的なテーマを組み合わせてきました。たとえば昨シーズン(2012/2013年)は、ベートーヴェンの交響曲シリーズ、その前の年はマーラーの交響曲シリーズを取り上げました。その一方で、数年かけてチャイコフスキーの交響曲全曲およびリヒャルト・シュトラウスの交響詩全曲にも取り組み、こちらはレコーディングもしています。チャイコフスキーの交響曲は6曲とも収録済みで(まだリリースされていないものもありますが)、この秋の《マンフレッド交響曲》で完結します。またR.シュトラウスは今シーズン、《家庭交響曲》を取り上げます。
このように、主に私の愛するドイツ音楽~ベートーヴェン、ブラームス、R.シュトラウスの作品~を演奏し、今後はブルックナーもプログラムに入れていきたいと思っています。と同時に、スラヴ系の音楽~ドヴォルジャーク、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチ、バルトーク~にも重点を置いてきました。今回の来日ツアーでも、これらの作品を皆さんにお届けできることを嬉しく思っています。

バーミンガム市交響楽団

Q:ネルソンスさんの活動においてもう一つ重要な位置を占めるのがワーグナーの音楽ですね。今年もバイロイト音楽祭で《ローエングリン》を指揮されました。
AN:はい、5歳の時に《タンホイザー》を観て以来、ワーグナーは私にとって最愛の作曲家です。バイロイト音楽祭での《ローエングリン》は今年で4年目になりました。また、2016年にはバイロイトで新演出の《パルジファル》を指揮することになっており、今からワクワクしています。CBSOとも昨年《トリスタンとイゾルデ》をコンサート形式で上演しましたし、今年は《さまよえるオランダ人》を取り上げました。来日公演でも《ローエングリン》の前奏曲を演奏します!

Q:ネルソンスさんはマリス・ヤンソンス氏に師事されましたが、何をいちばん学ばれましたか?
AN:ヤンソンス氏からはたくさんのことを学びましたが、なかでも彼の音楽に対する情熱と柔軟な姿勢、さらに時に無邪気なまでの音楽への感動の心でしょうか。音楽とはファンタジー、色彩、イマジネーションの世界であり、音符の背後にあるメッセージを引き出し、人々の心を動かすことが音楽家の使命であることを彼から学びました。もちろん他にも、オーケストラといかに関係を築くかとか、リハーサルの方法など実践的なことも多く学びました。

アンドリス・ネルソンス

Q:日本のファンに一言お願いします。
AN:日本は大好きな国です。前回ウィーン・フィルとの来日公演は私にとって忘れがたい経験でした。日本の聴衆はとても熱心ですから、今回自分のオーケストラとともに日本各地で公演できることを、心から楽しみにしています。

私たちもとても楽しみにしています。ありがとうございました。

取材・文:後藤菜穂子


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アンドリス・ネルソンス指揮 バーミンガム市交響楽団

アンドリス・ネルソンス指揮 バーミンガム市交響楽団
2013年11月18日(月) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール
<曲目>
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」~第1幕への前奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47 (ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界」

2013年11月19日(火) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール
<曲目>
ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15 (ピアノ:エレーヌ・グリモー)
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98

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