スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団The Slovenian Philharmonic Orchestra
- オーケストラ
プロフィールProfile
スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団
前身であるアカデミア・フィルハーモニコルム、フィルハーモニー・ソサイエティ、初代スロヴェニア・フィルハーモニーと共に、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団は同種の団体としてはヨーロッパで最古の一つであり、豊かな伝統を誇る。その起源は1701年にさかのぼり、イタリアの社会に習って地元の貴族たちがアカデミア・フィルハーモニコルムを創立、その主な目的は音楽芸術の振興であった。ブルジョワジーに支配された時代の間、アカデミアの仕事はフィルハーモニー・ソサエティに引き継がれ(1794)、中欧における最も良く組織された音楽団体のひとつという評判を獲得する。従って、フィルハーモニー・ソサイエティの名誉会員資格がヨーゼフ・ハイドン、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ニコロ・パガニーニ、ヨハネス・ブラームス等に受け入れられたのは驚くべきことではない。フィルハーモニー・ソサイエティの主たる目標は器楽曲の演奏であったが、それにより現代の交響楽団の輪郭を形成することとなった。
そうしたオーケストラは、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団が創立された1947年に本格的に動き出し、それ以前の1世紀半の間フィルハーモニー・ソサイエティによって特徴づけられた豊かなコンサートの日常をよみがえらせた。スロヴェニア・フィルは成長を続けたが、それはカルロス・クライバー、リッカルド・ムーティ、シャルル・デュトワ、ダニエル・ハーディング等の客演指揮者のみならず、サム・フバド、ウロシュ・ライオヴィッチ、マルコ・レトーニャ等のスロヴェニア人常任指揮者、さらに国際的な名声を誇る偉大なソリスト達に負うところが大きい。
スロヴェニア・フィルは当初はスロヴェニア・フィルハーモニーの大ホールで演奏していたが、1982年からはカンカルジェフ・ドム文化・会議センターで定期的なコンサートを行っている。リュブリャナの聴衆に様々な定期演奏会シリーズを提供しており、18世紀、19世紀の標準的なオーケストラのレパートリーから最も現代的な音楽、それ以前の様式的時代の音楽もが含まれ、それは楽団員の多才さを証明している。スロヴェニア・フィルには最高のスロヴェニア人演奏者が集まっており、1990年からは外国からの優秀な器楽演奏者も多数加わっている。スロヴェニア・フィルの国内の成功と強力な伝統は、海外でも経験することができる。過去数十年間に、スロヴェニア・フィルはツアーやゲスト出演で世界中の格式の高いホールや著名な音楽祭で演奏している。
2019年からはリュブリャナ・フェスティバルのレジデント・オーケストラを務めている。
カーキ・ソロムニシヴィリ
スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ジョージア・フィルハーモニー管弦楽団及びトビリシ・オペラ・バレエ劇場指揮者。
1990年5月9日、ジョージアのトビリシに生まれる。ソロムニシヴィリの音楽人生は、コンサートとフェスティバルに活発に参加するピアニストとして始まった。
2007年にトビリシ国立音楽院指揮科の試験に合格し、2013年に修士号を得て卒業。2011年にトビリシ・オペラ・バレエ劇場のアシスタント指揮者の役割を担う。2014年より同劇場の指揮者を務めている。2016年からジョージア・フィルハーモニー管弦楽団との活発な共演活動に従事し、2017年に指揮者に就任する。
2017年、音楽部門の「ツィナンダリ賞」を受賞。2022年からシャルル・デュトワを援助し、ブエノスアイレス・フィルハーモニー管弦楽団、テアトロ・コロンと積極的に仕事をしている。テアトロ・コロンでは、ストラヴィンスキーの歌劇「放蕩息子のなりゆき」の初演でデビューを果たしている。国際的な存在感はさらに深まって、2023年よりスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団と活発に共演し、2024年には首席指揮者に就任。その他にもポーランド・バルティック・フレデリック・ショパンフィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・シンフォニエッタ、ジョージアン・シンフォニエッタ等、様々な国立オーケストラや国際的なオーケストラと共演している。
今後予定されている出演には、テアトロ・コロン、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団、ブエノスアイレス・フィルハーモニー管弦楽団、ブエノスアイレスのマルタ・アルゲリッチ・フェスティバル、ポーランド・バルティック・フレデリック・ショパンフィルハーモニー管弦楽団が含まれる。