2014/1/17

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公演直前!漆原啓子のインタビュー

漆原啓子

―これまで大きなプロジェクトとして取り組まれてきたベートーヴェンですが、今回もプログラムの基盤のひとつになっています。
全曲録音や、1日での全曲演奏会を経て、第5番「春」、第7番の魅力を教えていただけますか?

 「10曲の中で、今回演奏する第5番「春」は、第10番とともに、柔らかい印象を持った曲といえます。
それに対して、第7番はアグレッシブさが際立つ曲といえ、まったく正反対の、2曲の対比をお楽しみいただければと思います。
 練木さんも、先日のインタビューで第5番「春」と第7番を、交響曲第6番「田園」と第5番「運命」と比較するのも面白い、とおっしゃっていました。私も同様に思っています。
第5番「春」は『自然』を感じ、情景を思い浮かべられるような曲想と、第7番のベートーヴェンの強い部分が現れる、メンタル部分での強さを持つ曲想とでそれぞれを表現できればと思っています。」

―練木さんの、アーティストとして、共演者としての魅力を教えてください。
そしてまた、室内楽奏者としてもご活躍の啓子さんにとって、練木さん他、素晴らしい演奏者と共演をすることの喜びや、楽しさ、そして今回の聴きどころなど、教えてください。

 「練木さんのインタビューを読み、とても嬉しく、光栄に思っています!私が練木さんと共演するときに弾きやすいのは、やはり、練木さんが「うわべ」ではなく、音楽に真摯に向き合っているからです。
 私は、音楽は『会話』のようなものと考えています。つまり、普段一緒にいて楽しい方と共演すると演奏でもそのまま楽しい気持ちになるのです。私たち音楽家にとっては、人間として生活するとき…たとえばおしゃべりをしたり、ごはんを食べたりすること…と一緒なのです。
 魅力たっぷりの練木さんを、人間として尊敬していますから、演奏でご一緒することは、私にとってとても充実した、楽しく、濃い時間だということができます。そして何よりも、歌をうたうように奏でるピアノの音色は共演していて心地良いですし、スケール感の大きさは、包み込まれるような安心感があります。」

―最後の質問です。
練木さんと同様に、漆原さんにもお弟子さんがたくさんいらっしゃいます。
お弟子さんや、次の世代へ「教え、つないでいく」ということを、どのようにお考えになっていらっしゃいますか?また「教える」ことはご自身の演奏にどのような影響を与えていますか?

 「練木さんと全く同じように考えています。まさしく、『発見』です。たとえば、どのように曲をつくりあげていくのかを考えていると、自分で演奏するときに比べ、客観的に聴き、感じることができます。このことは、実際に自分が演奏するときにも影響があると思っています。
 音楽的なことはもちろんですが、私が特に弟子たちに伝えることとして、筋肉や骨の使い方など、身体そのもののことがあります。
 弟子たちが実際に演奏したときに、「緊張したら身体がこうなった」とか「こういう風に身体を使うと、こうなった」という話を聞いて、新たな発見があったり、驚いたり、改めて考えたりする機会になったりもするのです。」

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アフタヌーン・コンサート2013-14後期
漆原啓子(ヴァイオリン)& 練木繁夫(ピアノ)デュオ・リサイタル

漆原啓子

<プログラム>
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 へ長調「春」
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン

公演の詳細はこちらから

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