2020/8/21

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舘野泉(ピアニスト)×二瓶純一(ジャパン・アーツ 代表取締役社長) 特別対談

8月31日(月)に東京オペラシティコンサートホールで開催する東日本大震災復興支援チャリティーコンサート「クラシック・エイド」は、今年で第10回の節目を迎えます。
これまで、演奏家のべ182名、被災地からのゲスト9団体が出演し、合計額40,540,892円を寄付してまいりました。
この度の第10回開催を記念して、初回から数多く出演してきたピアニストの舘野泉と主催者の株式会社ジャパン・アーツ 代表取締役社長 二瓶純一が6月に特別対談を行いました。
その後、舘野泉は本人の都合により出演いたしませんが、今回も多くのアーティストが趣旨に賛同し参加いたします。
この対談の全編は下記のYouTube動画(約20分)よりご覧いただけます。
舘野さんの表情一つ一つ、そして笑顔からは先行きが不透明で心がなえそうな今、「常に心に熱いものを持ち続けることの大事さ」を教えてもらえます。


下記は、対談より抜粋し編集した内容です。

舘野泉(ピアニスト)×二瓶純一(ジャパン・アーツ 代表取締役社長) 特別対談

二瓶純一:2011年の東日本大震災からジャパン・アーツとしましては、多くのアーティストの賛同を得て、毎年チャリティーコンサートを開催してまいりました。きっかけは、弊社の社員のなかに、かつての阪神淡路大震災を経験してきたものがおりまして、「こういうときには会社として何かやらなくてはいけない」という、非常に熱い思いを伝えてきたのです。それが会社全体に広がってスタートしました。私たちは音楽に携わる仕事をしています。衣食住とは違う部分でできるものがチャリティーコンサートでした。それも単発ではなく長く続けたいと思ってやってきました。

舘野泉:ぼくも初期のころから参加させていただきました。とくに福島県の原町(現在の南相馬市)の皆さんから、右手が不自由になる前から毎年呼んでいただいたご縁があったものですから、南相馬のみなさんの力になれたらという思いもありました。とても人情に厚い土地がらなんです。

二瓶:そういえば、私が舘野先生と初めてお会いしたのは、南相馬なんです。先生は記憶にないと思いますが(笑)、急遽ステージマネージャーがいないというので、私が呼ばれ取り仕切ることになりました。先生の控室に伺って挨拶をさせていただいたのです。2005年のことです。

舘野:そうなんですね。南相馬では最初コンサート会場もなくて、結婚式場とかでやったこともあります。今ではりっぱな市民会館ができましたね。

二瓶:今回のコロナ禍では、先生のコンサートも1月のみで、あとはすべて後半に延期となってしまいました。

舘野泉(ピアニスト)×二瓶純一(ジャパン・アーツ 代表取締役社長) 特別対談

舘野:九州の島原と東京の2回だけでした。長い人生で初めての経験です。これで後半にそなえてゆっくり練習できると思ったのですが、そうはいかない。やれないんです。演奏家というのは常に人の前で演奏することでなりたっている。そして、次のステップに進んでいくんです。1回1回脱皮していくようなものなのですね。

二瓶:今回のコロナ禍でつくづく感じたのは、「音楽」は平和産業だということです。頭ではわかっていたことでしたが、このような経験を通して、多くのアーティストが感じていることは、ステージに立ちたい、生の音を届けたいという、切実な気持ちです。音楽は、アーティストにとっても聴衆にとっても「心の大切な栄養源」なのですね。

舘野:たしかにありますね。戦後、食べるものも何もなかった時代、「音楽ができるほど幸せなことはない」と、父が言っていたのです。なんでも手に入る今とは違って、ある種の強さ、音楽が好きなのだという純粋さがあったと思います。ロシアや東欧にいくと、音楽を聴くのに飢えていると感じます。すごく切実なものがあります。コロナ禍で世界中がたいへんですが、音楽家にとって何ができるか、結局音楽を届けるしかないんですよね。毎日毎日、音楽家も生まれ変わっていく。

二瓶:今回のコロナが落ち着いたとしても、海外の状況が混乱していたら、アーティストの方を招聘することが難しいです。ここは日本人の素晴らしい演奏家に改めて注目していただける機会になるかもしれません。

舘野:音楽というのは、いつも発見です。どのような状況であっても、人数が少なくても、それが面白い。僕はよく「どういうイマジネーションをもって弾かれるのですか」と聞かれます。僕にはまったくない。興味はあります。ただ、それを通りすぎて、とらわれないようにしています。若い時から評論家の方に「舘野の演奏は毎回違う」と言われていました。

二瓶:それを伺がって理解できました。そういう価値観を若いアーティストにも持ってもらいたいですね。毎回、コンクールに勝とうと100点の模範演奏ばかりを目指していると、かえって足りない部分ばかりが目立ってします。舘野先生の演奏は毎回違って、それで良い。ですから毎回100点なのですね。

舘野:音が全部伝えてくれるんですね。左手のピアニストになって、多くの作曲家に楽曲を提供していただきました。オーケストラとの協奏曲や金管楽器12人との室内楽、岸田今日子さん、草笛光子さんと、物語と音楽をあわせてみたりもしました。その都度触れ合いを大切にしてきたのです。

二瓶:先生の周りにはいつもお人柄を慕って多くの方が集まって来られます。先生が指揮をされたら、たとえタクトを振らなくても、先生の人間性によってオーケストラがおのずと素晴らしい音を奏でてしまうと思うのです。

舘野:まだ、プロになっていない、若い方たちとなら一度やってみたいですね。(笑)

インタビュー/構成:小柴康利

舘野泉(ピアニスト)×二瓶純一(ジャパン・アーツ 代表取締役社長) 特別対談

東日本大震災 復興支援 チャリティコンサート ~クラシック・エイドVol.10~【3/7振替公演】*公演同時LIVE配信あり

日時:2020年8月31日(月) 14:00
会場:東京オペラシティ コンサートホール
出演:伊藤悠貴(チェロ) ,大谷康子(ヴァイオリン) ,尾崎未空(ピアノ) , 椎野伸一(ピアノ) ,千住真理子(ヴァイオリン) ,仲道郁代(ピアノ) ,西村悟(テノール) ,松本美和子(ソプラノ) ,森麻季(ソプラノ) ,好本惠(司会)

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ジャパン・アーツ ライブ・ビューイング Japan Arts Live Viewing

「東日本大震災 復興支援 チャリティコンサート ~クラシック・エイドVol.10~」はスマホ・PC・タブレットなどお好きなデバイスで楽しめる公演同時LIVE配信サービス 『ジャパン・アーツ ライブ・ビューイング Japan Arts Live Viewing』の対象公演です。 ご自宅のリビングルームやお好きな場所でコンサートの鑑賞が可能です。

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