2020/5/27
ニュース
Artist Voice – アーティストたちの声 Vol.16
今回は海外からピアニストのチョ・ソンジン、そして、ヴァイオリニストの木野雅之、ソプラノの市原愛からのメッセージをお届けします。
Q:ドイツでの生活はどうですか?
チョ・ソンジン(以下SJ):遊びに出掛けるのは、今もまだ心配です。基本的に、ずっと家にいましたが、余りにも退屈な時は、散歩しに出掛けました。実は今も食料品の買い物から戻ってきたところです!(笑)
Q:今、どんなお気持ちですか?
SJ:大変な時期です。大勢の人が苦しんでいます…経済的な苦しみ、クラシック音楽も同じです。この先どうなるのか、漠然とした未来しかなく再開の目処も立たないので心配です。それでも、戦争やペストといったあらゆる困難を乗り越えてきた私達の歴史を信じ、この状況も、きっと克服出来ると私は信じています。
Q:ご自身も配信されたオンライン・パフォーマンスについては、どう思いますか?
SJ:今後さらに活用される様になると思いますが、これが解決策だとは思いません。生演奏(ライブ・コンサート)の醍醐味。なんと言うか、オペラに例えるとDVD や YouTube でも観るのも良いけれど劇場で観る生のオペラとは全く違う、というような。そもそもクラシック音楽のコンサートはマイクを使用しないという特徴があります。ポピュラー音楽などのコンサートではアンプやマイクを使いますが、クラシック音楽のコンサートでは、’純粋な音’の響きそのものを堪能できる!それこそがクラシック音楽の生演奏の醍醐味だと思います。
人の密集を避ける状況下でオーケストラの演奏が困難な中、サロン・コンサートや室内楽のコンサートのような多種類の演奏会が増えていくのか、見当がつきませんがとにかく今は、1日も早い収束と有効なワクチンの導入を願っています。
Q:ご自宅生活はどうですか?
SJ:毎日のルーティンは殆ど変わりませんでした。ツアーを終え遠征から戻った後の日常は今の日常とそれ程変わらず (笑)練習とリラックス… という感じなのですが、この5年間、常に演奏旅行で飛び回っていたので、2か月以上も1つの場所に留まっている事に、違和感を感じます。こんな機会は滅多にないのですが、正直なところこの2ヶ月間、練習はそれ程しませんでした。ピアノは毎日弾こうと心掛けています。ブラームスのピアノ協奏曲 第2番 やバルトークのピアノ協奏曲 第2番 といった新しいレパートリーで難度の高い作品に目を通しました。
映画やドラマを見たりもしてます!(笑)それからイグナーツ・フリードマンの伝記も読みました。ポーランドのピアニストで、彼のショパンは素晴らしいです!フリードマンのピアノの先生の逸話が読んでて特に面白いかったですね。先生の名前が、難しい発音の名前でえっと… レ シェ ティ ツキー?(笑)スペルは… Leschetizky。ウィーンで音楽を学び、パデレフスキーをはじめ多くの著名ピアニストを生み出した、古き良きオールド・スクール!彼自身は1830年生まれで、ツェルニーに師事したそうです。
Q:何か新しく始めた事などはありますか?お料理など、、、
SJ:ハハハ… 料理はしませんでした!
Q:日本の聴衆は皆、ソンジンさんと再会出来る日を楽しみに待ちわびてると思います。
SJ:私もです。
木野雅之(ヴァイオリン)
ステイホーム!2/23に山形県天童市で行われたコンサートの後から全くコンサート活動はストップしてしまいました。我が家では愛犬の2匹、雌のチワワ、モモとハナがすっかりパパっ子になってしまいました。近所への散歩は日課になりすっかり健康的、毎日、家庭での食事に家飲みで過ごしております。
又、楽譜の整理や新しいレパートリーの勉強もゆっくりと進める事が出来、あらためて曲の魅力や素晴らしさに気付いたり技術的な練習をする時間を楽しんでおります。
コンサート会場で皆様にお会い出来る日を心待ちにしております。お気をつけてお過ごし下さい!
市原愛(ソプラノ)
先日、春に続いて夏の甲子園大会中止が発表されました。もうずっと昔の話(!!)ですが、実は高校3年生の時に、春の選抜野球大会開会式で「君が代」を歌ったことがあります。大会史上初めての試みだったこともあり、何と当時の総理大臣からお褒めのお言葉(お電話!)を頂戴したり、その後の私の人生にとても大きな影響を与えました。今でも高校生による「君が代」は続いていて、球児のみならず、歌を志す学生にとっても、ひとつの目標となっている大会。夢と希望を思いっきり追いかけられる日々が早く戻るよう、強く願っています。