2016/3/3

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調べてみました。聞いてみました。 Vol. 2バッハのスペシャリストに聞く

調べてみました。聞いてみましたVol. 2の今回はバッハのスペシャリスト、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、鈴木雅明氏、鈴木優人氏に教えていただきました。


Q7:この公演で指揮者はカントール(トーマスカントール)と呼ばれていますが、通常の指揮者とはどのように違うのでしょうか?

基本的に(ドイツの)教会の合唱団を取り仕切る指導者(監督)がカントールと呼ばれています。以前は小学校の教職に就いたり、市全体の音楽監督に就くこともありました。合唱指揮のほか、カンタータの演奏などでは合唱と管弦楽の指揮を務めます。なお、バッハはケーテン侯国のカペルマイスター(宮廷楽長)であり、トーマスカントール(聖トーマス教会の音楽監督)でもありました。

Q8:マタイ受難曲にはソリストがたくさん出ますし、合唱もあり、物語もあります。これはオペラなのでしょうか?
オペラではありません。アリア、レチタティーヴォ、二重唱、合唱などから成る多楽章の声楽曲がカンタータで、受難曲は、それを拡大したものです。(オラトリオ的受難曲)オラトリオは宗教的な内容で作られたもの(メサイアなど)ですが、マタイ受難曲には、聖書朗読 受難記事と加えて、自由詩と賛美歌が入っています。(新約聖書「マタイによる福音書」のイエスの受難に関する章句、ミュラーの説教集のほか自由詩、賛美歌が入っています)

Q9:コラールとは?
(プロテスタント・ルター派の)賛美歌のことです。「マタイ受難曲」のコラールは、バッハの作曲ではなくメロディーはもともと賛美歌としてあったものです。バッハは、受難曲にどの賛美歌を入れるか、また和音や調性を考え構成しています。

Q10:「マタイ受難曲」は何語で歌われているのでしょうか?
ドイツ語です。(ちなみに、ルターが聖書をドイツ語に訳しました。)


Q11:マタイ受難曲を演奏する期間(時期)があると聞いたことがありますが、それはいつからいつまでなのでしょうか?

「受難曲」は、本来はイエス・キリストが我々の罪を背負って十字架にかけられるという受難を思う「聖金曜日」に演奏されることが多いです。四旬節(復活祭の46日前の水曜日から、復活祭の前日まで)は、元々は教会の中で音楽を演奏してはいけない期間でした。四旬節を過ごし、聖金曜日に受難曲を演奏し、日曜日に復活祭(春分の日以降、最初の満月の次の日曜日)となり、そして待ちに待った春になるのです。

お忙しい中、ありがとうございました。
一度は聴いてみたいと思いつつ、とっつきにくかった「マタイ受難曲」が少し身近になったように感じます。公演を心待ちにしています。

調べてみました。聞いてみました。 Vol. 1 聖トーマス教会合唱団「マタイ受難曲」

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人類最高の音楽遺産
聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団
J.Sバッハ『マタイ受難曲』

2016年03月09日(水) 18時30分開演 サントリーホール
2016年03月11日(金) 18時30分開演 東京芸術劇場 コンサートホール


公演詳細はこちらから

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