2012/8/23

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白夜祭レポート(2)サンクトペテルブルグ マリインスキー劇場 

7月末から来日していたロパートキナ、ヴィシニョーワの素晴らしい舞台をご覧になった方も多いと思います。
この余韻にひたっているうちに、前回のレポートから1ヶ月も経ってしまいました!

優美で静謐な叙情をたたえるロパートキナ、可憐な乙女から官能的な女性までパッションをきらめかし踊るヴィシニョーワ。
今日は、この2人のスターが主演し、それぞれの役作りで魅了する「アンナ・カレーニナ」について・・・。

白夜祭期間中は連日連夜舞台が上演されるので、アーティストたちもスタッフも忙しいのですが、6月30日「アンナ・カレーニナ」の舞台も、前日の舞台(「ジゼル」)が終演した後から、舞台設営をスタートし深夜2時にいったん終了。スタッフは仮眠をとって再び朝9時から設営を開始するというスケジュール!
おおがかりな機関車の設営では時々大声が飛んできて怖いくらい大胆に、駆使される映像の設営は細かいところまで綿密に、設営の段階から“ロシア”を感じる舞台でした。

今回、日本初演されるラトマンスキー版「アンナ・カレーニナ」は、アンナとヴロンスキーが出会った駅のシーンからスタートします。トルストイの原作は壮大な物語ですが、舞台はアンナが電車に轢かれて亡くなった人を見てしまう伏線、アンナとヴロンスキーの出会いと惹かれあうデュオ、体裁を気にするカレーニンとの三角関係の踊りがあり・・・と、アンナの葛藤が中心に描かれています。

マリインスキー・バレエ

新進気鋭の振付家ラトマンスキーが、クラシカルでありながら伸びやかな新しい動き、フォーメーションを巧に使った踊りなどによって登場人物の性格、関係性までをも表現しきっていて濃厚!ロパートキナ、ヴィシニョーワはもちろん、若い恋人のヴロンスキー役、夫のカレーニン役、それぞれのダンサーの役づくりが伝わってきます。

マリインスキー・バレエ

「アンナ・カレーニナ」をマリインスキー劇場で初演したヴィシニョーワは情熱にかられ道をはずしていく運命の強さ、人間の業を感じさせるアンナ、次の日に踊ったロパートキナは息子セリョージャとの絆や、カレーニン夫人としての自覚を大切にした役づくりで楚々としたアンナ、だったそう。
(そう言えば、先日インタビューしたロパートキナも「アンナ・カレーニナは、両方の主演で観て欲しいの。その方が絶対に深まるから・・・」と熱心に話してくれました。)

マリインスキー・バレエ

踊りはもちろんですが、大きな機関車のセットが、古い伝統の世界とその中でもがく新しい姿、人間の力、規制を超えた何かを、機関車(=産業革命の象徴)が示しているのか・・・、またアンナの黒いドレスは、喪服のようでもあり、四角いカットの襟のデザインは額縁のようでもあり・・・と、観劇後にもさまざまな思いがよみがえり、その深さに感動する舞台です。

マリインスキー・バレエ

どうぞご期待ください!

トリビア(2)
「アンナ・カレーニナ」は、これまでにもヴィヴィアン・リー、グレタ・ガルボなど大女優が主演した映画、ソ連で製作されたもの(マイヤ・プリセツカヤがベツィ夫人で登場しています)などがありますが、今年公開予定のイギリス映画(ジョー・ライト監督/キーラ・ナイトレイ、ジュード・ロウ、アーロン・ジョンソン主演)があるそう!
日本での公開は未定のようですが、世界各地で「アンナ・カレーニナ」が話題になっている様子。


マリインスキー・バレエ 2012年来日公演

 [公演日程]
 《ラ・バヤデール》
 □11月15日(木) 18:45 文京シビックホール
  11月24日(土) 18:00 東京文化会館
  11月25日(日) 14:00 東京文化会館
  11月26日(月) 18:45 東京文化会館 
 《アンナ・カレニーナ》
 □11月22日(木) 19:00 東京文化会館
 □11月23日(金・祝) 14:00 東京文化会館

 《白鳥の湖》
 □11月17日(土) 18:00 文京シビックホール
 □11月20日(火) 18:45 府中の森芸術劇場
 □11月27日(火) 18:45 東京文化会館
 □11月29日(木) 13:00 東京文化会館
 □11月29日(木) 18:45 東京文化会館 
 《オールスター・ガラ》
 □12月2日(日) 18:00 東京文化会館

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