2014/9/2

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樫本大進のインタビュー[樫本大進&ル・サージュ デュオ]

樫本大進に聞く

 7月上旬、山田和樹指揮スイス・ロマンド管弦楽団日本公演のソリストとして帰国した樫本大進。久しぶりに演奏したチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、ダイナミックでいて繊細な音楽、情熱的なメロディを雄弁で艶やかな音色で表現。満席の客席から喝采を浴びた。ベルリン・フィルの第一コンサートマスターとして重責を担いつつ、ソリストとしても活躍、さらに「大好き」と語る室内楽もいきいきと楽しんでいる。

樫本大進

 毎秋、兵庫県赤穂市と姫路市で行っている室内楽の国際音楽祭“ル・ポン(フランス語で“架け橋”の意)”には、音楽監督=樫本大進が信頼している音楽の仲間たちが世界各地から集まり、室内楽の醍醐味を堪能させてくれる。また、3年にわたって行ったコンスタンチン・リフシッツとの「ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全曲チクルス」では、真髄を求めた深い音楽づくりと美しい音色が高い評価を得た。
そして来年1月、エリック・ル・サージュとの“フレンチ・プログラム”ツアーが実現した。長年の友人で、海外では何回も共演しレコーディングも行っているデュオだが、日本でのデュオの披露は初となる。

Q:エリック・ル・サージュさんとの出会いについてお話いただけますか?
KD:エリックに会ったのは僕が20歳の頃。エリックとエマニュエル(・パユ)、ポール(・メイエ)が毎夏行っている“サロン・ド・プロヴァンス室内音楽祭”に呼んでもらった時です。地元のボランティアの人たちとみんなで一緒に作り上げている音楽祭で、とても楽しかったのを覚えています。それからほぼ毎年招いてもらって、日本でも同じようなことを出来たら・・・と思い始めたことが僕の「“ル・ポン”赤穂・姫路国際音楽祭」につながっています。初めてエリックに会った時の第一印象は「背が高い人だな~」(笑)。彼はいつも穏やかな人で信頼できる人。最初に一緒に演奏したのはブラームスのホルン・トリオだったと記憶しています。トリオのピアノというのは、えてしてそういう立場になるのかもしれないけれど、いつもバランスに気を配り、そしてその中で遊ぶ。音楽を全体的にとらえていて、凄いなと思いました。
 そうそう!エリックは日本が大好きで、餃子を200個食べたことがある!と自慢していました。僕も食べることは好きだけど、さすがに200個はできないなぁ(笑)

樫本大進

Q:今回共演する“フレンチ・プログラム”ですが…
KD:バッハ、ベートーヴェン・・・と集中的に取り組んできたので、今度はまったく違ったものを弾きたいと思いました。今回の“フレンチ・プロ”の1曲・1曲は、それぞれ単独でリサイタル・プログラムに入れたこともありますが、こうしてまとめて演奏すると全然違ったおもしろさが出てきますよね。今回の企画は、こういうプログラムだったら絶対エリックと演奏したい!と長年あたため続けてきて実現したものです。
 エリックとは、ヨーロッパでは何回も共演しているのですが、日本では初めてのツアー。楽しみですね!

Q:フォーレの作品についてもお話いただけますか?
KD:エリックは、フォーレの室内楽作品を全て録音したスペシャリストです。彼と共演すると音楽がまったく違う雰囲気になりますね。エスプリと言えば良いのでしょうか、空気が変わるという感覚です。ソナタでもロマンスでも、カラフルな音の色を感じていただけると思います。

Q:プーランクのソナタはあまり聞いたことがないのですが…
KD:実はこの曲こそ、エリックと弾きたかった曲なのです。ジネット・ヌヴーのヴァイオリン、プーランクのピアノで初演された作品ですが、本当にドラマティックな曲。ぜひ皆さんに聴いて頂きたい1曲です。

Q:そして、フランクのソナタも楽しみです。
KD:“フレンチ・プログラム”の締めくくりは、この曲ですね。ヴァイオリンの作品の中でも人気がある作品のひとつなので、よく演奏される曲ではありますが、エリックと僕、そして会場にいらして下さったお客さまとで作られる、その時だけの音楽を一緒に楽しみながら聴いて頂ければとても嬉しいです。

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優美に香り高く紡ぎだされる、上質のフレンチ・プログラム
樫本大進(ヴァイオリン)&エリック・ル・サージュ(ピアノ)
2015年1月15日(木) 19時開演 サントリーホール

<プログラム>
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ Op.119
フォーレ:ロマンス 変ロ長調 Op.28
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

樫本大進

公演の詳細はこちらから

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