2025/7/9

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【RMF&山田和樹グローバルプロジェクト】バーミンガム市交響楽団日本公演 アシスタント指揮者レポート

♪♪♪
2025年のバーミンガム市交響楽団日本公演では、<RMF & 山田和樹 グローバル プロジェクト>の一環として、伊東新之助さんがアシスタント指揮者として帯同します。今回も、現地リハーサルや日本ツアーの様子などを、随時レポートしていただくことになりました。日本公演への期待が高まる中、こちらもお楽しみください。
♪♪♪

現地リハーサル編
5月31日
| 6月1日 | 6月2日 | 6月3日 | 6月4日 | 6月5日

日本ツアー編
6月27日
| 6月28日 | 6月29日 | 6月30日 | 7月1日 | 7月2日 | 7月3日 | 7月4日 | 7月5日 | 7月6日 | 7月7日

日本ツアー編

レポート⑩

今日はバーミンガム市交響楽団(CBSO)・日本ツアーの最終日!横浜みなとみらいホールでの公演です。

まず、ゲネプロの前にCBSOのメンバーが指揮台に立ち、日本ツアーに携わったスタッフや山田マエストロに向けて感謝の言葉が贈られました。
その中でなんと私にも感謝の言葉を伝えてくださいました!こんなに温かい愛に溢れたオーケストラが他にあるでしょうか!
いただいた言葉の一言一言が胸に響き、幸せな気持ちで一杯になりました!

いよいよ、最後のゲネプロがスタート!
実は昨日、山田マエストロからオーケストラに向けて「明日のアンコールは2曲で、ウォルトンは新之助が指揮をする」と発表がありました。
そして、マエストロは私のために今日のゲネプロでウォルトン「宝玉と王の杖」を練習する時間を取ってくださいました。
ゲネプロでは上手くいかないこともあったのですが山田マエストロが手助けしてくださったり、ゲネプロ後にはCBSOのメンバーが私にたくさんのアドバイスをくださったりと、大きな愛で包んでくださいました。

そして開演直前、CBSO事務局のマディーが私にCBSOのメンバーの証であるバッジをプレゼントしてくださいました。
山田マエストロがいつも付けていらっしゃるバッジと同じ物だそうです!
一生大切にします!

本番はラヴェル「ラ・ヴァルス」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」と続き、ツアー最終日らしい圧巻の演奏を届けています。

チャイコフスキーの演奏終了後はいよいよアンコール!
山田マエストロが私のことを紹介してくださり、本番の指揮台へ!
CBSOのメンバーが歓声を上げながら迎え入れてくださり、本当に心強かったです。
本番では今までの人生で一番楽しく、そして自由に指揮をすることができました!
1500人以上のお客様、そしてCBSOからいただいた温かい拍手は、かけがえのない宝物です!この感動と感謝の気持ちを忘れることなく、CBSOのバッジを付けるに相応しい指揮者になれるよう、これからも精進していくことを心に誓いました。


(指揮している姿をジャパン・アーツのスタッフの方が撮影してくださいました)

私が指揮したアンコール1曲目に続き、最後は山田マエストロがエルガー「威風堂々第1番」を指揮し公演を締めくくります!
曲のクライマックスでスレイベル(いわゆるジングルベル)を持ったマエストロが舞台袖の方に向かって歩いてきます。
そしてスレイベルを私にひとつ手渡し、打楽器奏者の隣で鳴らすように誘導してくださいました!
(今までの公演ではマエストロ自らスレイベルを演奏されていました)
CBSOの一員として「威風堂々」を演奏できたことが非常に誇らしかったです!

終演後も拍手は鳴り止まず、多くのお客様がスタンディングオーベーションをしてくださいました。
舞台袖では山田マエストロに再度カーテンコールをしてほしいとスタッフが呼び掛けていたのですが、マエストロは私に「君が行きなさい」とおっしゃってくださり、恐れ多くもカーテンコールをさせていただきました!
お客様が興奮していらっしゃる様子を舞台から拝察し、胸が熱くなりました。
その後、マエストロも舞台にいらっしゃり、ツアー最終日は大団円を迎えました!

公演の後は、CBSOのメンバーとの食事会などに参加させていただきました!
最後に皆さんと色々なお話をさせていただき、まだまだツアーが続けば良いのにと思う程、名残惜しかったです。
(山田マエストロはスイスでのお仕事が控えているため、空港へ直行されました。本当にお忙しいです)


(CBSOマネージメントチーム(事務局)の皆さまと)


(チェロセクションの皆さまと)


(木管セクションの皆さまと)

2025年7月6日 伊東新之助

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<番外編>

昨日、日本ツアーの全公演を終え、バーミンガム市交響楽団(CBSO)の大半のメンバーは、本日羽田空港からバーミンガムに戻ります。
(昨日の公演後すぐに帰国したり、日本に残って観光をしたりしているメンバーもいます)

私は羽田空港までお見送りに行きました。

CBSOの皆さまからは「昨日のアンコール良かったよ」「是非またバーミンガムにおいで」「また会えることを楽しみにしている」など温かい言葉を掛けていただきました。
大好きな皆さまとのお別れは非常に寂しいですが、どうかこれからもお元気で!また笑顔で再会できる日が訪れますように!

↓は昨日いただいたCBSOのバッジです。いつかまたこのバッジをつけてCBSOを指揮できるよう、これからも研鑽に励みたいと思います。

多くの方々の支えの中で貴重な経験をさせていただいたCBSO日本ツアーの期間は、間違いなく最も充実したかけがえのない日々でした。
指揮だけでなく、オーケストラのメンバーとのコニュニケーションや裏方の皆さまのお仕事など、たくさんの大切なことを学ぶことができました。
このツアーに参加できたこと、そしてCBSOと出会えたことは私の一生の宝物です!

最後になりますが、山田和樹マエストロ、CBSOの皆さま、ロームミュージックファンデーションの皆さま、ジャパン・アーツの皆さま、ステージマネージャーの門井さん・根本さんをはじめ、このツアーに携わられた全ての方々、そして公演にお越しくださったお客様に心から感謝申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました!

また、拙い文章でしたがレポートをお読みくださった皆さま、ありがとうございました。
この貴重な経験を糧に、今後も精進してまいりたいと思っております。

2025年7月7日 伊東新之助

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アーカイブ記事

現地リハーサル編

レポート①

皆様、初めまして。
この度、バーミンガム市交響楽団・日本ツアーのアシスタント指揮者を務めさせていただくことになりました、伊東新之助と申します。
どうぞよろしくお願いいたします!

日本ツアーに先立ち、イギリス・バーミンガムで事前に勉強する機会をいただき、本日、成田空港を出発しオランダ・アムステルダムのスキポール空港を経てバーミンガムに向かうことになっています。
実は私にとっては10年ぶりの海外で、初めての一人海外です!
先程スキポール空港に到着し、空港の広さに驚きながらバーミンガム行きの搭乗ゲートにやっと着いたと思ったのですが…
着いた瞬間、電光掲示板を見てびっくり!バーミンガム行きの飛行機の出発が遅延していて、搭乗ゲートが変更になっていました…(しかも相当遠いところに…)
かなり焦りました!!
このように海外に不慣れな私ですが、この文章を読んでくださっている皆様、最後まで温かく見守っていただけますと幸いに存じます!

今、このレポートをスキポール空港で書いております!
写真はスキポール空港の時計、中に人が入っていて時計の針を描いています!
さあそろそろ、バーミンガム行きの飛行機の搭乗時間です。無事にバーミンガムに到着しますように!!

2025年5月31日 伊東新之助

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レポート②

今日は一日オフだったため、バーミンガム市交響楽団の練習場所であるCBSO Centreとコンサート会場のSymphony Hallの下見に行ってきました!

写真はCBSO Centreの外観と、Symphony Hallに併設されているICCという建物で撮った写真です。
ICCにはモールがあり、サブウェイやスターバックスといった日本でも馴染みのあるお店が入っています。
バーミンガム市交響楽団は市民との距離感が近いことで有名ですが、この看板を見てそんな一面を少し垣間見ることができました。

いよいよ明日からリハーサルが始まります!
山田和樹先生、そしてバーミンガム市交響楽団の皆様とご一緒できることが非常に楽しみです!

2025年6月1日 伊東新之助

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レポート③

今日はCBSO Centreにてリハーサル初日でした。

今回のプログラムは
・ベルリオーズ: 序曲「海賊」
・武満徹: ウォーター・ドリーミング
・レスピーギ: ローマの噴水
・サン=サーンス: 交響曲第3番「オルガン付き」
となっています。
明日がサン=サーンスのみの短いコンサート、明後日が4曲全てのコンサートです。

リハーサルは武満作品からスタート!この曲はソロ・フルートとオーケストラという協奏曲のようなスタイルで書かれています。
今回のソリストはバーミンガム市交響楽団(CBSO)主席フルート奏者のZupancicさんです。
リハーサルをしていくうちにどんどんオーケストラがまとまっていきます。
そして、山田マエストロが「この曲は日本のことではなく、オーストラリア先住民がテーマ。この場面はオーストラリアの星の輝きを表現している」とおっしゃった途端、オーケストラの音色ががらりと変わりました。
まさにヤマカズマジックだと思いました!

次はレスピーギのリハーサル。ここではCBSOの持ち味である明るいキャラクターが炸裂していました!
その後、ベルリオーズのリハーサルをして昼食休憩になりました。

そして、リハーサルが再開する直前、マエストロが私に「サン=サーンスの2楽章の冒頭、振ってみたい?」と聞いてくださり、リハーサル初日にしてCBSOの指揮台へ!
私にとっては夢のような出来事でした!
リハーサル終了後、マエストロから私の指揮に対して講評をいただき、今回のアシスタント指揮者を通して私がどのようなことを学ぶべきかなど、丁寧に教えていただきました。
CBSOという一流のオーケストラを指揮させていただき、世界で活躍する山田マエストロからアドバイスをいただける私は何と恵まれているのでしょう!
明日からもこの貴重な時間を大切にしっかり学びたいと思います!

2025年6月2日 伊東新之助

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レポート④

今日はSymphony Hallにて、リハーサルとRush Hour Concertでした。
リハーサル前、事務局のJackがSymphony Hallを案内してくださいました。
360°客席があり、ステージ上方にはパイプオルガンが設置されていて、非常に美しいホールです。

今日のコンサートはサン=サーンスのみの演奏ですが、リハーサルは2曲行われ、武満作品(明日のプログラム)→サン=サーンスでした。
武満作品は今週末のモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会でも取り上げられることになっており(もちろん指揮は山田マエストロ!)、そこでソロを務められるフルーティストの石井希衣さんも見学にいらっしゃいました。

そして、いよいよコンサート!
Rush Hour Concertというのはバーミンガム市交響楽団(CBSO)の新しい試みだそうで、午後6時に開演し1時間で終演するため、家で夕食を食べることができるというアイディアです。
オーケストラは私服で、まずはプレトークがあります。
山田マエストロ、オルガン奏者のSebastian、CBSOヴァイオリン奏者のJaneがサン=サーンスの作品について楽しく解説をしていきます。
そして、サン=サーンスの演奏!
演奏はもちろんのこと、Symphony Hallの音響も素晴らしかったです。
細かい音の粒まで非常によく聴こえました!
プレトーク付きの1時間のコンサートは普段なかなかコンサートホールに足を運ばない人も楽しむことができる、市民との距離が近いCBSOならでは素晴らしい試みだと思いました(値段も£10なので日本円で2000円程度)

終演後は山田マエストロから「バーミンガムのカレーを是非食べてみて!」とお勧めいただいたので、石井さんとカレーを食べに行きました。実はバーミンガムは「バーミンガム発祥のイギリス式カレー」が有名なのです!
マエストロのおっしゃる通り、とても美味しかったです!(マエストロは終演後も会議でした。本当にお忙しい…)

カレーの後は、マエストロの滞在先にお招きいただき、3人でゆっくり色々なお話をさせていただきました。

明日はいよいよフルのコンサート!とても楽しみです。

2025年6月3日 伊東新之助

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レポート⑤

今日はSymphony Hallにて、ゲネプロとコンサートでした。
ゲネプロはレスピーギ→ベルリオーズ→武満の順で行われました(サン=サーンスは昨日も本番があったので、ゲネプロは無しでした)

武満のゲネプロ後、楽団員の一人が立ち上がり、山田マエストロや武満のソリスト・Marieに感謝の言葉を述べているので、私は、マエストロはバーミンガム市交響楽団(CBSO)の音楽監督、MarieもCBSOの主席フルート奏者なので、仲間からメッセージを伝えている、のだと思って聞いていました。
しかしその後、マエストロから「このオーケストラは、指揮者やソリストが誰であっても本番前に感謝の言葉を伝える素晴らしい習慣があり、それによって演奏会をより良くしようとしている」と教えていただきました。
私はこのような光景は初めて見ましたが、本当に素敵な習慣だと思います。
(余談ですが、6/2のレポートでMarieのことをファミリーネームのZupancicさんと記載しました。その後、山田マエストロに教えていただいたのですが、CBSOは全員、ファーストネームで呼び合うそうです。コンサートマスターについても、コンサートマスターではなくリーダーという肩書きが用いられています。また、指揮者と奏者の間にも上下関係はないため、マエストロもKazukiと楽団員から呼ばれています)

そしていよいよ本番!
山田マエストロが登場すると客席から歓声が沸き起こります。
コンサートのどの瞬間を取っても、凄まじい集中力で、色彩豊かなプログラムを描き上げており、マエストロとCBSOのコンビネーションの掛け算を改めて感じました。

(カーテンコールの様子です)

私にとっては、今日がイギリスでのCBSOとの最終日でした。
CBSOとの3日間は本当にあっという間に過ぎていってしまいましたが、楽団員の方々に温かく迎えていただき、最高の3日間を過ごさせていただきました。
次に私がCBSOに会うのは6/28から始まる日本ツアーになります。
終演後、山田マエストロやCBSOの皆さんと日本ツアーで再会することを誓いました!

2025年6月4日 伊東新之助

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レポート⑥

今日は帰国の日です。
バーミンガムに滞在した数日間を通して、山田マエストロやバーミンガム市交響楽団(CBSO)のメンバーから多くのことを教えていただきました。
6/28からは日本ツアーが始まります!
日本ツアーでは少しでも成長した姿をお見せできるように、しっかりと準備してまいりたいと思います。

最後にバーミンガムでの思い出の写真を載せたいと思います。

リハーサル初日にCBSOを指揮した時の写真(事務局のJackが撮ってくださいました!)

山田マエストロからプレゼントしていただいた指揮棒。もったいなくて使えません…

ここまでお読みくださった皆さま、本当にありがとうございました。
日本ツアーでも引き続きレポートしてまいります。
山田マエストロとバーミンガム市交響楽団のコンビネーションは非常に「特別なもの」だと、今回のバーミンガム滞在中に強く感じました。
この「特別なもの」を日本公演にて皆さまにも感じていただけましたら最高です!
たくさんのお客様と感動を共有できますように!会場にてお待ちしております!!

2025年6月5日 伊東新之助

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日本ツアー編

レポート①

このレポートを読んでくださっている皆さま、お久しぶりです!
本日からまたレポートを書いてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!

いよいよ明日からバーミンガム市交響楽団・日本ツアーがスタートいたします。
明日は愛知県芸術劇場での公演です!
私は今、東京から新幹線で名古屋に向かっております。

(新幹線にて、明日の公演で演奏されるラヴェル: ラ・ヴァルスのスコアを読んでおります。大好きな作品なのでとても楽しみです!)

明日は長めの当日リハーサルを行った後、本番となります。
山田和樹先生やバーミンガム市交響楽団の皆さまとまたご一緒できることが待ち遠しくて仕方ありません!

会場で皆さまにお目に掛かれることを楽しみにしております!

2025年6月27日 伊東新之助

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レポート②

いよいよ本日からバーミンガム市交響楽団(CBSO)の日本ツアーが始まります!

初日の今日は愛知県芸術劇場での公演で、メインプログラムはムソルグスキー(ヘンリー・ウッド編)「展覧会の絵」です!
この曲では、Off-stageのユーフォニアムとトランペットが登場します。
Off-stageとは一般的に舞台裏などのことを指しますが、今回のツアーでは客席の中で演奏します!
奏者が客席のどこで演奏するのが良いのか、また、客席で演奏した奏者がどのような経路で舞台に戻るのかを調整するのも、アシスタント指揮者としての私の役割になります。
(ホールによって毎回演奏する場所は変わります!)
「展覧会の絵」が演奏される日にご来場くだる皆さま、もしかしたら、皆さまのすぐ目の前で奏者が演奏することがあるかもしれません!乞うご期待ください!

コンサートは熱狂のうちに終了し(ツアー初日にも関わらずお客様から大歓声が起きていました)その後は山田マエストロ主催によるパーティーが行われました!
パーティー会場は手羽先で有名な「世界の山ちゃん」です。
「山ちゃん」は山田マエストロの昔のあだ名だそうです笑
パーティーは大盛り上がりで、私もCBSOのメンバーとたくさんお話しすることができました!

2025年6月28日 伊東新之助

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レポート③

ツアー2日目の今日は兵庫県立芸術文化センターでの公演です!

今日はショスタコーヴィチ「祝典序曲」が演奏されます。
この曲にはバンダと呼ばれる、オーケストラから離れた場所で演奏する別働隊が入ります。
今回のバーミンガム市交響楽団(CBSO)・日本ツアーでは、それぞれのコンサートホールの近くの高校の生徒さんがバンダを担当します。
トップバッターは甲子園学院中学校・高等学校の吹奏楽部の皆さんです。
非常に力強くそして豊かなサウンドを鳴らしてくださり、オーケストラのメンバーも喜んでいました!
昨日のレポートに書いた「展覧会の絵」に加えて「祝典序曲」のバンダも、演奏する位置は公演当日のお楽しみです!

ショスタコーヴィチの後は河村尚子さんをソリストに迎えてラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」です。
山田マエストロがソウルメイトと呼ぶ河村さんとの演奏は、演奏しながらお互いにコミュニケーションを取り、意見を尊重しながら進めていく、まさに理想のコンチェルトの形であると感じました!

そして、メインプログラムはチャイコフスキー「交響曲第5番」です。
山田マエストロとCBSOのチャイコフスキー5番は驚くほど自由で、それでいて曲全体を通して壮大なスケールが描かれる唯一無二のものだと思いました。

(舞台袖から撮影した今日のカーテンコールの様子)

本日もお客様は熱狂的で、非常に感動的な演奏会となりました!
明日からは東京公演です。たくさんのお客様と会場でお目にかかれますことを楽しみにしております!

2025年6月29日 伊東新之助

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レポート④

今日から東京公演が始まります!
初日の今日は東京オペラシティ、明日・明後日はサントリーホールでの公演となります。
今日はバーミンガム市交響楽団(CBSO)・日本ツアーの中で特殊かつ多忙な一日です。

スケジュールを大まかに書きますと
①バーミンガム現代音楽グループのリハーサル

➁CBSOのリハーサル

➂バーミンガム現代音楽グループの本番

④CBSOの本番
という流れです。

バーミンガム現代音楽グループはCBSOのメンバーによって設立された団体で、CBSO公演の前に30分程度のコンサートが行われます。
つまり、マエストロやバーミンガム現代音楽グループのメンバーは1日に2つの公演を抱えているのです!
多忙なスケジュールにもかかわらず、全員元気で笑顔!さすがです!
バーミンガム現代音楽グループのような室内オーケストラ(小編成)の演奏を聴くと、大編成のオーケストラの中で演奏している時よりも一人一人が名手であることを感じることができます。
メインプログラムの藤倉大「笙協奏曲」は、非常に温かみのある音色で演奏されていて、作品の世界観が見事に表現されていました。
こちらの公演にもたくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございました!

バーミンガム現代音楽グループ公演の30分後に開演したCBSOの公演は、昨日の兵庫公演と同様にショスタコーヴィチ「祝典序曲」の演奏からスタート!
バンダは千葉県立幕張総合高等学校の皆さんです。
昨日の甲子園学院中学校・高等学校とはまた違ったカラーで、地元の高校生が山田マエストロやCBSOと共演できる機会の素晴らしさを改めて感じました。


(終演後、千葉県立幕張総合高等学校の生徒さんに、7/2のサントリーホール公演に向けたアドバイスをする山田マエストロ)

コンチェルトはシェク・カネー=メイソンさんをソロに迎えて、エルガー「チェロ協奏曲」です。
どんな箇所でもシェクのチェロの音がしっかり響いて聴こえてきます。
今までも数多く共演し、気心が知れているシェクとCBSOだからこそ奏でられる情感溢れるエルガーの世界が広がりました。
シェクの音には聴衆を引き込み、音楽に没入させる力があります。
次にこの作品が演奏される京都公演も楽しみです!


(舞台袖から撮影したエルガー「チェロ協奏曲」の演奏の様子)

メインはムソルグスキー(ヘンリー・ウッド編)「展覧会の絵」です。
オペラシティ全体にオーケストラのパワフルなサウンドが鳴り響き、お客様にとっても忘れられない演奏になったのではないかと思います。

明日から2日間はサントリーホールでの公演です。
会場にて皆さまのお越しをお待ちしております!

2025年6月30日 伊東新之助

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レポート⑤

今日から2日間はサントリーホールでの公演です。
いつも私は舞台袖で公演を聴いているのですが、今日はこのツアー期間中初めて客席へ!

思えば私が初めてバーミンガム市交響楽団(CBSO)の生演奏を聴いたのは2年前の2023年ツアーでした。その時もサントリーホール公演で、非常に感銘を受けたのをよく覚えております。
今回アシスタント指揮者としてツアーに参加できていることが夢のようです。

さて、今日のプログラムは山田マエストロの十八番であるラヴェル「ラ・ヴァルス」に始まり、河村尚子さんソロのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」と続きます。
メインはチャイコフスキー「交響曲第5番」です。
客席で本番を聴いていると、オーケストラがリハーサルよりも一層鳴っていること、そして凄まじい集中力で山田マエストロとオーケストラが対話していることが感じられます。

今日もコンサートは大盛況で終演!
早いもので、今日の公演で日本ツアー全8公演中4公演が終了しました。
ソリスト・河村尚子さんのご出演は今日の公演で最後になります。
河村さんは山田マエストロとの相性抜群で、ステージ上では音楽のキャラクターを体現され、そして舞台裏ではCBSOのメンバーといつも笑顔でコミュニケーションを取っていらっしゃる姿が印象的でした。

そしてもうお一方、ステージマネージャーの門井睦さんも今日の公演をもってCBSOの現場を離れられます。
私がバンダの位置決めなど裏方のお仕事をさせていただいている時に、門井さんはいつも的確なアドバイスをくださいました。
門井さん抜きでは今日までの公演の成功はなかったと思います。

河村さん、門井さんなど素晴らしい方々がツアーを離れられるのは寂しいですが、残り半分の公演も大成功を収められるように私も陰ながら尽力する所存です!

2025年7月2日 伊東新之助

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レポート⑥

今日からツアー後半戦!
午前中は山田マエストロによる指揮セミナーが開催されました。
演奏はバーミンガム市交響楽団(CBSO)弦楽器セクションのメンバーです。
セミナーに参加している私に近い世代(先輩や同世代)の指揮者の方々の奮闘を見て、私も大いに刺激を得ることができました。

19時からのCBSOの公演は昨日に引き続きサントリーホールでの開催です。

ゲネプロでは、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」のクライマックスとムソルグスキー(ヘンリー・ウッド編)「展覧会の絵」より「キエフの大門」を指揮させていただきました!
どちらもエネルギッシュな作品でオーケストラの凄まじいサウンドを指揮台で体験できました。
指揮をしながら、ここまで興奮し心の底から楽しいと思えた瞬間は初めてかもしれません!

(本番で「展覧会の絵」を指揮する山田マエストロを舞台袖のモニターから見学。マエストロの豊富な音楽的アイディアとそれに応えるCBSOの様子は、何度同じ作品の演奏を聴いても目が離せません!)

本日の公演もお客様は大熱狂!
個人的には今日が愛知公演に続き2回目の出演となったイム・ユンチャンさんソロのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番」が印象的でした。
滅多に演奏されることのないレアな作品ですが、CBSOのメンバーも慣れてきて表現により磨きがかかっているように感じます。
イム・ユンチャンさんは私と同い年なのですが、本当に同い年なのだろうか?といつも疑問に思うほど、凄まじい集中力で音楽を奏でていらっしゃいます。
私も音楽家として見習わなければならないと気を引き締めております。

明日はツアーが始まって初めて公演がない日(オフ日)になります!
ツアー後半戦もしっかりレポートして参りますので、皆さま、引き続きよろしくお願いいたします!

2025年7月1日 伊東新之助

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レポート⑦

今日は公演のないオフの日です。
バーミンガム市交響楽団(CBSO)の団員は東京に一泊して、明日福岡に入ります。
皆さん、どこに行こうか色々と計画を立てているようです。
どんな観光地を訪れたのか、明日聞いてみるのが私の密かな楽しみです!

マエストロをはじめ一部のスタッフは今日のうちに福岡に移動します。
私も飛行機で福岡に向かっています。

明日は福岡で夜公演、明後日は早朝に福岡→京都に移動し京都公演、公演後に京都→東京近郊に移動する過密スケジュールが待っています。
ツアーに関わっている全てのメンバーが万全の体調で最終日まで過ごせますように!

(地下鉄の福岡空港駅に到着しました!)

2025年7月3日 伊東新之助

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レポート⑧

今日はバーミンガム市交響楽団・日本ツアーの最南端!福岡シンフォニーホールでの公演です。


山田マエストロは福岡シンフォニーホールで指揮をするのは初めてのため、ホールの響きを客席で確認してみたいということで、ゲネプロの最初に私がラヴェル「ラ・ヴァルス」を指揮させていただきました!
「ラ・ヴァルス」は大好きな作品なので、CBSOを指揮できて本当に幸せな瞬間でした!

そして、本番!
本日のプログラムは「ラ・ヴァルス」に続き、イム・ユンチャンさんソロによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番」です。
福岡はユンチャンさんの母国である韓国に近いこともあり、たくさんのファンがいらしていたように思います。

そして、メインはチャイコフスキー「交響曲第5番」です。
このツアーでチャイコフスキーが演奏されるのは3回目なのですが、マエストロは毎回、本番前のゲネプロでオーケストラに新しいアイディアやお願いを提示します。
そのため、私も毎回新鮮な気持ちで本番の演奏を聴いています!
マエストロは私に「指揮者はオーケストラにオーダーをし続けなければいけない」と教えてくださいました。
まさに、豊富な音楽的アイディアをもっていらっしゃる山田マエストロらしいお言葉です!
肝に銘じたいと思います!


(終演後の舞台の様子、今日も白熱の演奏でした!)

P.S.
昨日(オフ日)をどのように過ごしていたのかCBSOのメンバーに尋ねてみました。
私が最も驚いたのは箱根に行ったという方がいたことです!
オフ日に東京から箱根に行き日帰りで東京に戻るとは…やはりCBSOのメンバーはタフすぎます!

2025年7月4日 伊東新之助

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レポート⑨

今日はロームシアター京都での公演です。

バーミンガム市交響楽団(CBSO)・日本ツアーのスポンサーであり、「RMF&山田和樹グローバルプロジェクト」を立ち上げたロームミュージックファンデーション、そしてローム株式会社のお名前を冠したホールが、ここ「ロームシアター京都」です!
そのため、山田マエストロのご提案で、私と同じく「RMF&山田和樹グローバルプロジェクト」でヴァイオリン奏者として参加している福田麻子さんと一緒にプレトークに参加させていただきました。

今日のプログラムはショスタコーヴィチ「祝典序曲」からスタート!
バンダは京都両洋高等学校・吹奏楽部の皆さまです。
バンダは今までは10人程度でしたが、今日はなんと21人!
マエストロから「21人を色々なところにバラバラに配置したい」とご要望いただき、最終的に合計5箇所にバンダを配置して演奏しました!

続いて、シェク・カネー=メイソンさんソロによるエルガー「チェロ協奏曲」です。
シェクの演奏はやはり圧巻で、私個人としては特に内省的で叙情的な3楽章が印象的でした。
今回のツアーを通して、多くの人々がシェクのファンになったのではないかと思います!もちろん私も大ファンになりました!


(左からコンサートマスターのユージン、シェク、私)

そしてメインプログラムは、ムソルグスキー(ヘンリー・ウッド編)「展覧会の絵」です。
私にとっては毎回、客席で演奏する奏者の立ち位置を調整したり、オルガンと鐘のサウンドチェックをしたりした思い出深い作品だっただけに、今日が最後の演奏だと思うと本番を聴きながら感動せずにはいられませんでした!

明日はいよいよツアー最終日です!
どんな演奏会になるのか今から期待が膨らみます!

2025年7月5日 伊東新之助

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