2022/7/7

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松田華音&牛田智大 インタビュー〈前編〉

松田華音×牛田智大 2台ピアノコンサート

いよいよ7月21日(木)に東京オペラシティ コンサートホールにて若手人気ピアニストの松田華音と牛田智大による2台ピアノ・コンサートが開催されます。この注目の二人から音楽評論家の真嶋雄大さんがお話を聞いてくださいました。
このインタビューを2回に分けてお届けいたします。今回は「そもそも2台ピアノについて」、そして「プログラミングについて」を二人が語っています。


真嶋)松田華音と牛田智大という、ともに時代を牽引する2人のピアニストが、2台ピアノで初の共演、その華を競うコンサートが7月21日、東京オペラシティで実現します。共演のきっかけは、あるところからのオファーだそうですが、そもそもこれまで2台ピアノの経験はあるのでしょうか。

松田)2台ピアノはなかなかできないのですが、モスクワで勉強していた時、アンサンブルの授業があってクラスメートとした経験があります。日本ですと、コンサートで横山幸雄さんと演奏させていただいたり、ピアノフェスティバルで仲道郁代さんや藤田真央君とご一緒させていただきました。

牛田)私も横山先生とご一緒したり、中野翔太さんと一緒にサンサーンスを演奏したりしましたが、2台ピアノの経験がそれほどはないので、新しいチャレンジということで楽しみにしています。

真嶋)音楽史上、いろんな作曲家が2台ピアノ作品を書いたり、編曲を施したりしています。また最近とくに2台ピアノでの演奏が増えているように感じますが、2台ピアノの魅力とはどんなことでしょう。

松田)1台のピアノではできないことが、できてしまうということが新しい弾き方ではないでしょうか。1台ですと、もう少しここが舞ったらかっこいいのに、というところを叶えてくれる。いい意味でゴージャスだし、華やかですよね。

牛田)2台ピアノには、弦楽器や管楽器と共演するのとは違うベクトルがあると思います。つまり他の楽器との室内楽は対話を重視しなくてはなりませんが、2台ピアノはどちらかというと、よりパーソナルなソロに近い感覚があって、だからこそ合わせるのが難しいと思うのです。でもその分ソロでは出せない響きだったり、今回は後半に管弦楽を2台ピアノに編曲された作品を演奏しますが、音楽そのものの造形を楽しむことができるのではないか、そういう魅力もあるのかなと思います。

真嶋)今回のプログラムは、ロシアものがメインになっているようですが、これはどういうコンセプトでしょうか。

松田)ロシアものが良かったというわけではなくて、たまたまロシアものになったという感じでしょうか。話し合いの中で意見が一致したのです。ロシアにずっと住んでいたので自然な感じなのですが、確かにロシアの空気の中で素晴らしいものが生まれる。素晴らしいピアノの文化があります。今回のプログラムはとても好きな曲ですので、演奏できてとても嬉しく思います。ラフマニノフとプロコフィエフではまったく異なりますし、いろんなロシアを感じていただきたい。

牛田)松田さんと作品の候補を出していく中で、お互いロシアと関係が深いので必然だったかなとも思います。私もロシアの先生に習っていますので、レッスンのためにこれまで何度もロシアに行きました。ロシアの音楽って、ピアノが現代と同じ構造になってから、すごく複雑で難しく作られています。つまりピアノが持つ可能性というものを徹底的に追求していると感じます。


次回は「作品について」、「コンサートの聴きどころについて」、二人の話をお届けいたします。
https://www.japanarts.co.jp/news/p7378/

7月21日(木)東京オペラシティ コンサートホールでの公演の詳細はこちら
https://www.japanarts.co.jp/concert/p966/

その他の公演:
松田華音&牛田智大2台ピアノ・コンサート
7月16日(土)15時開演 小山市立文化センター 大ホール 0285-22-9552
7月18日(月・祝)14時開演 静岡市民文化会館 中ホール 054-251-3751
7月24日(日)15時開演 入善コスモホール 0765-74-2515


◆牛田智大のアーティストページはこちら
https://www.japanarts.co.jp/artist/tomoharuushida/
◆松田華音のアーティストページはこちら
https://www.japanarts.co.jp/artist/kanonmatsuda/

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