2022/3/3
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【国際音楽祭NIPPON2022】公開マスタークラス(ヴァイオリン部門) レポート
3月3日(木)、4日(金)に横浜のフィリアホールにて、ヴァイオリン・マスタークラスが開催されています。11~26歳の11名が2日間にわたり、諏訪内晶子とマーク・ゴトーニのレッスンを受講します。
「オペラって見たことある?オペラは場面転換があり、舞台がガラっとかわります。それをヴァイオリン一台で見せていきます。」と、オペラの主題による幻想曲の多彩な表現について、諏訪内晶子が語ります。「ここで違う登場人物が出てきますよね」と、次の場面では弓の使い方や音色で変化をつけていきます。
マーク・ゴトーニは、自然な音の出し方について丁寧に指導します。
「テヌートとはどんな音でしょうか。テヌートは、立ち上がりの音です。そしてその後はリリースします。テヌートを音の最後に入れると、弾いていて疲れるし、音が響いていかないのです。」
「16歳の時恩師に言われました。楽器が鳴るのではなく、自分の身体が響かないと、鳴らせないといけない、と。実際に練習したとき、音はどこでリリースされるのかと興味深かったのです。」
そして「ひとつ、エクササイズをしましょう」と言って、一音の響きに耳を傾けます。
一つの音を繰り返しながら、弓を持つ手の動きが円を描き、その円がだんだん大きくなっていくイメージで続けます。
「このような動きにより、体が開く感覚が感じられると、そこから出るのは自然な長い響きを伴う音になります。」
受講生の音の変化に、会場で聴講されている方も熱心にメモをとりながら聞き入っていました。
世界で演奏活動を行う諏訪内晶子がレッスンを行うのは、この国際音楽祭NIPPONだけ。世界の第一線で活躍する演奏家が直接指導をするこの機会に、また演奏家を志し研鑽を積む若い受講生の皆さんへ、厚い期待が寄せられ、たくさんの方が聴講に訪れています。
2日間のレッスンの最後には、フィリアホールで修了演奏会を行います。その模様は後日アーカイブ配信でもご視聴頂けます。ぜひご注目下さい。