2012/12/6

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テノールの西村悟のインタビュー [華麗なるオペラの世界]

 富士通ニューイヤーコンサート「華麗なるオペラの世界」に出演するテノールの西村悟さんにお話を伺いました。

西村悟

 西村さんは本格的にバスケットのプロ選手を目指してきただけあって長身です。
高校3年生の時にインターハイで敗れてから、転向して音楽教師への道を志しましたが、今では日本でもっとも期待されるテノール歌手として注目を浴びています。
富士通ニューイヤーオペラコンサートの第一部ではプッチーニのカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」を歌います。
 この曲は日本で一番有名なアリアになりましたが、西村悟さんにとってもコンクールで勝ち抜いてきたラッキーアリア、まさに勝負曲です。
 第二部の「椿姫」ハイライトでは、等身大の自分で演じられるというアルフレード役で登場です。

A:西村さんはザンドナーイコンクールで第二位と日本音楽コンクールで優勝され、一躍脚光をあびました。その時に歌ったアリアが「ファウスト」の“清らかな住まい”と「トゥーランドット」の“誰も寝てはならぬ”でしたね。
西村:この2曲はここぞ!というときの勝負曲でもありますし、海外でもよく歌いました。コンクールの本選では、ちゃんとしたテクニックを持っているという事を審査員にアピールする曲として1曲目に難しい曲のファウストを歌い、技術的な能力があるということをアピールしてから、トゥーランドットを歌って“声”を印象付けるという感じです。コンクール必勝法ですね(笑)。

A:はじめて「椿姫」のアルフレードのアリアを歌ったのはいつごろですか。
西村:学生の時の試験です。「燃える心を」を歌いました。その当時は内容をちゃんと把握していなかったように思います。役に入り込んでということもなく、音符と言葉をとにかく追うという感じでした。

A:「椿姫」の見どころを教えてください。
西村:今、31歳ですが、この年齢で演じるリアルなアルフレードを観て欲しいと思っています。この年齢だからこそできることもあるでしょうし、若々しいアルフレードを出せれば良いと思います。10年後ではまた違ってくると思うので、まさに今のアルフレードを観て頂きたいと思います。

西村悟

A:オペラの中でアリアを歌うのとはまた違って、コンサート形式でアリアだけを取り出して歌うことは難しいですか?
西村:難しいですね。難易度が違います。オペラ一本では一箇所なにかミスをしてしまったとしても、最後で見せ場があったりと、全体的な印象で素晴らしかったと思っていただけるかもしれませんが、コンサート形式でアリアだけを歌うときは、ミスをしてしまうと致命的ですし、1曲でしっかりと聴かせなければならないので、難しさがあると思います。

A:コンサート形式のアリアはどうやって役に入り込んで、気持ちを持っていくのですか。
西村:舞台の情景や状況を想像して曲に入ります。例えば「夜に月が出ていて、今ここはどこだな」といったことを思い浮かべます。そうするとすっと入ることが出来ます。僕の歌を聴いて、言葉が分からなくても映像が浮かんできたり、情景が伝わってきたら、とても嬉しいです。

最後にコンサートに西村さんより動画メッセージを頂きました。


富士通ニューイヤーコンサート
≪華麗なる イタリア・オペラ ~椿姫ハイライト≫

2013年01月07日(月) 19時開演 東京文化会館大ホール
詳しい公演情報はこちらから
[出演者]
グラディス・ロッシ Gladys Rossi (ソプラノ/Soprano)
西村 悟 Satoshi Nishimura (テノール/Tenor)
堀内 康雄 Yasuo Horiuchi (バリトン/Baritone)
大井 剛史 Takeshi Ooi (指揮/Conductor)
東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra
朝岡 聡 Satoshi Asaoka (ナビゲーター/Navigator)

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