2016/1/14

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インタビュー:ヤツェク・カスプシック(コンクール本選指揮者)

 ガラ・コンサートツアーの協奏曲でも、ワルシャワ・フィルとともに入賞者と共演するヤツェク・カスプシック。ショパンコンクール中、10人のファイナリストとのリハーサルを終えたところで伺ったお話をご紹介します。



─コンクールでは、短いリハーサル時間で10人それぞれ個性の異なるピアニストと共演することになりますね。
 普通のコンサートなら話し合う時間がとれますが、コンクールではそうはいかないので、コンテスタントにはとにかく、準備してきたこと、感じていることをそのまま全力で出してほしいと伝えています。私から何かをロジカルに提案したら、彼らは受け入れるかもしれませんが、その後生涯、あのとき自分のアイデアに妥協したせいで結果が出せなかったと思い続けるかもしれません。思った通りの演奏をできるよう、最大限のサポートをしたいと思っています。
 彼らは若いので経験は多くありませんが、すばらしい演奏家ばかりです。小林愛実さんは礼儀正しくあたたかい人柄の持ち主で、今後すばらしい将来が待っていると感じました。ケイト・リウさんもとても良かったですね。2番の協奏曲を弾いたリシャール=アムランさんにもがんばってほしいですし、ドミトリー・シシキンさんも経験と才能が豊富なピアニストだと感じました。

─ポーランド人の音楽家として、ショパンの作品にはどんなイメージをお持ちですか?
 “いろいろな解釈が開かれた本”のようだと思います。ある人はロマンティックだと感じ、ある人は神経質で繊細だと感じるかもしれません。ヴィルトゥオジティを見せる作品だと思う人もいるかもしれません。ショパンのピアノやオーケストラの扱いを見ていると、そのハーモニーのセンスに魅了されます。ワーグナーやマーラーもショパンの音楽に魅了されていたのですからね。優れた作曲家たちも本能的に愛した。それがショパンの音楽だと思います。

インタビュー・文:高坂はる香

2016年1月に開催する【ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ】公演では、入賞者たちがカスプシック指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と来日し、若い入賞者たちの情熱をそのままお届けいたします。
2016年1月28日(木) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
2016年1月29日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール


公演の詳細はこちらから

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