チェコ・フィルハーモニー管弦楽団Czech Philharmonic Orchestra

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創設124年のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団は、1896年1月4日に有名なルドルフィヌムでの創立公演でオール・ドヴォルザーク・プログラムを演奏したが、指揮をしたのは作曲者自身であった。チェコ・フィルは、祖国の作曲家の音楽の解釈において絶対的な信頼を得ていると同時に、ブラームス、チャイコフスキー、そして1908年に自作の交響曲第7番を同楽団で自ら指揮したマーラーの音楽との深い関係性が知られている。

チェコ・フィルの誇り高き歴史は、ヨーロッパの中心に本拠地を構える地域性と、チェコ共和国の不安定な政治の歴史を反映しており、スメタナの「わが祖国」が、強力なシンボルとなっている。
1945年、首席指揮者のラファエル・クーベリックが、チェコスロヴァキアの解放に感謝を捧げる公演で同曲を指揮し、その45年後にはまた、チェコスロヴァキアの最初の自由選挙を記念する曲に選んだ。そして2019/20年シーズンには、首席指揮者兼音楽監督のセミヨン・ビシュコフが、「わが祖国」を初めてチェコ・フィルと共に演奏する。

ビシュコフとの2シーズン目には、共に取り組んでいる「チャイコフスキー・プロジェクト」が最高潮を迎え、デッカから同プロジェクトのボックス・セットが発売される他、プラハ、東京、ウィーン、パリで公演が予定されている。また同シーズン中には、台湾、ロシア、中国、スペインを訪れる他、チェコで、グラナート、ベリオ、デュティユー、マルティヌー、ブラームス、ショスタコーヴィチ、ベートーヴェン、マーラーの作品を演奏する予定。

チェコ・フィルの歴史を通じて、自国の作曲家たちの擁護と、音楽が持つ人生を変えるほどの力を信じることが、その中心を貫いている。1920年代という早期より、ヴァーツラフ・ターリヒ(1919-41年の首席指揮者)は、労働者、若者、赤十字社、チェコスロヴァキア・ソコル(運動協会)、スラヴ女性連盟などのボランティア組織のためにコンサートを行う先駆者となり、1923年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルの楽団員を含むロシア、オーストリア、ドイツの音楽家たちのための3つの慈善公演を行った。

その哲学は現在も大切に受け継がれている。総合的な教育戦略は、400を超える学校のあらゆる年代の生徒たちをルドルフィヌムに招き入れ、イダ・ケラロヴァが推進した、チェコ共和国とスロヴァキアのロマのコミュニティのための音楽と歌のプログラムは、社会から排除された家族たちに、自分たちの声をみつける機会を提供した。さらに2020年からは、イギリスの王立音楽院や中国、南京の江蘇大劇院と交換教育シリーズを実施する。

マルティヌーとヤナーチェクの音楽の古くからの擁護者であったように、自国の著名作曲家も新人も同じように理解し広めていく活動は、チェコ・フィルの活力の源泉となっている。ビシュコフとのコラボレーションにより、9人のチェコの作曲家たちへオーケストラ作品が委嘱されると同時に、国外の5人の作曲家にも作品を委嘱し、来シーズン以降に初演されることになっている。さらに同楽団は、年一回の若い作曲家のためのコンクールを開催しているが、これは2014年に、今は亡きイルジー・ビエロフラーヴェク(首席指揮者:2012-2017年)が立ち上げたものである。

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