2025/11/11
ニュース
クリスチャン・ツィメルマン 11月8日柏崎で日本公演スタート!
クリスチャン・ツィメルマンの待望のピアノ・リサイタル、日本公演ツアー初日が11月8日に柏崎でスタートしました。
プログラム後半におかれた「Prelude & Co(その仲間たち)」は、ツィメルマンが世界で初めて試みる独自のプログラム構成です。本人によるテキストをお読みいただき、当日発表される演奏曲目とは、その時に初めて出会ってほしいというツィメルマンの希望です。
「プレリュート&Co(その仲間たち)」は、今回のツアーのために用意された63曲から選ばれた組み合わせを、一つの大きな流れで弾きあげるもの。柏崎公演で冒頭を飾ったのは、ポーランド出身のスタトコフスキによるハ長調の《プレリュード》でした。まるで「旅への誘い」を思わせるような清々しい作品で、そこから同じハ長調のバッハ《プレリュード》へと自然に移りゆく瞬間は、耳に心地よい美しさを湛えていました。続くスクリャービンのイ短調は、何かを静かに回想するような詩情をもつ一曲。そこに、バッハのハ短調の《プレリュード》が現代的な輝きを放ちながら演奏され、やがてショパンの《雨だれ》が静かに始まりました。それは、今のツィメルマンにしか表現できない、人生の深みを封じ込めたような演奏で、聴く者の心に深く染み入りました。
その直後、疾風怒濤の勢いで同じショパンのロ短調《プレリュード》が続き、聴衆を圧倒します。そこからヴァツェヴィチの重厚で哲学的な響きの世界へと移り、さらにツィメルマンが「出会えてよかった」と語るフォーレの《プレリュード》が柔らかく流れ出します。その後ガーシュイン、フランク、ラフマニノフなどが続き、最後は圧巻の《鐘》で締めくくられました。
それぞれが物語のように連なり、すべての曲がひとつの物語の章として紡がれた「プレリュート&Co(その仲間たち)」は、まさしくクリスチャン・ツィメルマンとともに旅をするような時間となりました。知っている作品であっても、予想外の流れで飛び込んでくることによって、その作品が本来持つ性質に新鮮さと驚きを感じる一方、知らない作品には先入観なしに自然と耳が開かれる。集中力が途切れることなく、珠玉の作品群と演奏に耳を奪われる時間です。
上記の「Prelude &Co」のプログラムは一期一会の柏崎のためのもの。これからも常に新たに発展し続けます。この旅を聴衆のみなさまと共に体験し、それぞれに新たな発見をしてほしいというのが、ツィメルマンの願いでもあります。
[全国公演日程]
クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2025年日本公演
11月8日(土) 柏崎市文化会館 アルフォーレ
11月16日(日) ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
11月21日(金) 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO 大ホール
11月23日(日・祝) 愛知県芸術劇場コンサートホール
11月26日(水) ミューザ川崎シンフォニーホール
11月29日(土) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール
12月3日(水) サントリーホール
12月8日(月) サントリーホール
12月12日(金) 東京エレクトロンホール宮城
12月14日(日) 水戸芸術館 コンサートホールATM
12月18日(木) 東京オペラシティ コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2171/
◆クリスチャン・ツィメルマンのアーティストページはこちらから
⇒ https://www.japanarts.co.jp/artist/krystianzimerman/








