2016/5/6

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公演初日レポート!ウィーン少年合唱団 

2016年5月3日(火・祝)14:00開演 サントリーホール <Aプログラム>

 ゴールデンウィークの恒例行事、ウィーン少年合唱団によるコンサート。サントリーホール前のカラヤン広場では、柔らかな陽ざしの下、元気に走り回る子供たちの姿も見られます。午後1時半、開場を告げる軽快なオルゴールの音と共に、チケットを手にした家族連れやお友達と一緒の人たちがホールへと訪れます。ロビーには、合唱団の等身台パネルが!写真を撮ったり、可愛いクマの合唱団ロゴが入ったオリジナル・グッズをお土産に選んだりと、人々は楽しそうに開演を待ちます。
等身大パネルのキャンペーンについてはこちら

 東京での公演初日はAプログラム<ウィーン少年合唱団と巡る四季>。秋・冬・春・夏と音楽で季節の美しさを表現していきます。最初の曲は、ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル《休暇旅行で》。今年のウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートでマリス・ヤンソンスと共演した日本初披露の歌です。そしてカペルマイスター(合唱指揮者)オリヴァー・シュテッヒ先生が日本語で挨拶。2012年以来、2度目の来日となるシュテッヒ先生はウィーン国立歌劇場合唱団に在籍していたこともあります。今回の日本公演のプログラムは、最も好きなプログラムだそう。続いて、秋の訪れを予感させる美しい曲《夏は終わった》、来日直後に合唱団が熊本の人々の為に捧げたバッハのカンタータ。歌い終わると会場は少しの間、波を打ったような静けさに包まれました。フォーレ:《レクイエム》より<ピエ・イエス>、シューベルトの《エレンの歌》第2番では、透き通るようなソロが活躍します。
 <冬>へ。マイクを片手にメンバーが日本語で曲を紹介すると、客席から温かな拍手が贈られました。《ピエ・カンツィオーネス》より<喜びたまえ>ではパーカッションが使われ、ソロ・パートと全員で交互に歌います。メンデルスゾーン:<主よ来たれ>、無伴奏での美しいクリスマス・キャロルは、暖かく灯るキャンドルが見えるようです。ピアノも魅力的な合唱曲《グロウ》、子供たちが冬を楽しむ様子が描かれたオーストリア民謡《冬は楽し》を明るく歌い、ヨーゼフ・シュトラウスの《鍛冶屋のポルカ》で冬から春へと季節は巡ります。クラシック、伝統音楽と現代音楽とのコントラストが鮮やかで、聴き応えはたっぷりです。
 後半は<春>と<夏>。ハイドン:オラトリオ《四季》より<来たれ、のどけき春>で、3人のソロと合唱が春を待ちわびる様子を歌ったあとは、ウィーン少年合唱団が出演した映画でも有名なウェルナー:《野ばら》、ピアノ演奏も美しいドビュッシー:《春のあいさつ》へと続きます。春の締めくくりは日本の3曲。清らかな合唱団の声で、東日本大震災復興支援ソング《花は咲く》が響き渡ると自然と涙がこみ上げてきます。合唱団メンバーにも人気の曲、森山直太朗:《さくら》、日本古謡《さくらさくら》も爽やかに響きました。
 Aプログラムの最後の季節<夏>で、コンサートは更にクライマックスへ。しっとりと静かに、ガーシュインの<サマー・タイム>を、セルビア民謡《ニシュカ・バニャ》を弾むパーカッションと共に歌ったあとは、メンバーの一人がギターを片手にステージ前方へと歩み寄ります。曲は、映画『サウンド・オブ・ミュージック』より《エーデルワイス》。ギターに合わせてソロではじまり、フレーズごとに美しいハーモニーが重なり合います。日本人メンバーのサトシ君は「エーデルワイス」が一番のお気に入りで、入団のきっかけにもなった曲だそうです。続いて、合唱団の芸術監督ヴィルト氏作曲の《トラディギスト村のヨーデル》。シュテッヒ先生が客席を向いて歌いかけてくれますが、最初は恥ずかしく小さな声で歌う私たちですが、先生のリードで何度か繰り返すと楽しくなり、舞台も客席も皆が笑顔になりました。ダンスも得意なウィーン少年合唱団。アフリカ民謡の《ショショローザ》では、先生が敲くジャンべのリズムに合わせ、右に左に肘を張りながらステップを踏みます。いよいよ最後の曲は、J.シュトラウス?:《美しく青きドナウ》。家族と離れてコンサート・ツアーを行う合唱団メンバーですが、この曲を歌うと祖国オーストリアを感じるそうです。日本でも親しまれるこの曲を歌い終わると、客席からは大きな拍手が贈られました。
 この日のアンコールは、岡野貞一:《ふるさと》と、オーストリア民謡の《雪が消えれば太陽が顔を出す》。民族衣装で登場した4人のメンバーが歌に合わせてダンスを踊ってくれました。
 毎年この季節に日本各地で“天使の歌声”を披露しているウィーン少年合唱団。4つのグループそれぞれに個性があり、同じ曲でも異なる演出で歌うので今回も新鮮な驚きがありました。

今後のスケジュールは日本ツアー公式ホームページよりご確認ください。

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ウィーン少年合唱団
5月31日(火)19:00 東京芸術劇場
6月17日(金)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
6月18日(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
6月19日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
公演詳細はこちらから

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