2026/2/4
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【5月に待望の再来日!】指揮者ペトル・ポペルカ インタビュー
34歳で指揮者として本格始動し、わずか7年の間でベルリン・フィルやミュンヘン・フィルといった世界一級の楽団に次々とセンセーショナルなデビューを飾っている今もっとも話題の指揮者、ペトル・ポペルカ。日本にはこれまで3度来日し、その名演が大きな注目を浴びたことも記憶に新しいですが、この5月には自身が首席指揮者を務めるウィーン交響楽団と、待望の来日を予定!このコンビネーションによる来日はこれが初めてとなります。期待の来日公演を前に、特別インタビューを実施しました。
取材・文:中村真人(音楽ジャーナリスト/ベルリン在住)
-先週のベルリン・フィルのコンサートを会場で聴くことができました。素晴らしいデビュー公演でしたね。
ありがとうございます。ベルリン・フィルへのデビューは、あらゆる指揮者にとって人生の特別な瞬間です。実力が並外れていますし、「デジタル・コンサートホール」を通じても世界的なプレゼンスがあるオーケストラですから。
プログラムはドヴォルザーク、ベルク、シューマンから私の愛する曲を選びました。シューマンの交響曲第1番《春》は演奏される機会が少なく、解釈も難しいのですが、私は大好きです。去年、NHK交響楽団ともこの曲で共演する機会に恵まれました。
ベルリン・フィルとのデビュー公演にて
-ポペルカさんのキャリアは非常にユニークです。2019年までドレスデン・シュターツカペレのコントラバス奏者でしたよね。なぜ指揮者になろうと思われたのですか?
私は18歳でプラハ放送交響楽団に、23歳でドレスデン・シュターツカペレに入団しました。特にシュターツカペレは伝統豊かで、数多くの名指揮者と共演できたことは、私にとって素晴らしい学びの場となりました。
私を指揮に導いたのは、作曲への興味です。学生時代から作曲をしており、ハイドンからシェーンベルク、ベルク、さらにリームやヴィトマンまで、多くのスコアを研究しました。2016年にサバティカルを取り、ブダペストでペートル・エトヴェシュに師事しました。その期間中にアラン・ギルバートに出会い、2019年に彼からNDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団のアシスタントに誘われ、さらなる研鑽を積むことができました。
-2020年にノルウェー放送管弦楽団の首席指揮者に就任されます。ちょうどコロナ禍の時期と重なったのではないでしょうか。
ええ。ノルウェーは規制が厳しかったのですが、このオーケストラは非常にクリエイティブで、ストリーミングや録音を通じて、ロックダウン中も毎週欠かさず活動を続けました。これは私にとって大きな幸運でした。
-その後も活躍の場を広げ、現在はプラハ放送交響楽団とウィーン交響楽団の首席指揮者を兼任されています。5月に来日するウィーン響との活動についてお聞かせください。
ウィーン響は創設125周年というメモリアルイヤーの最中で、伝統を大切にしつつ、とても良い雰囲気の中で活動しています。精神がオープンで、例えば「Hör-Bar」という新しいコンサートシリーズでは、ブラームスやドヴォルザークの古典とエトヴェシュ、オルガ・ノイヴィルトといった現代作品を組み合わせるなど、革新的な取り組みも行なっています。ですから、角野隼斗さんとの共演は楽しみですね。クラシックやジャズといった境界を越えるアーティストだと聞いていますから。
-来日公演のメインプログラムは、ドヴォルザーク《新世界》交響曲とベートーヴェンの交響曲第5番。どちらも非常に有名な作品です。
たしかに《新世界》はチェコのオーケストラにとって暗譜で弾けるほど慣れていますが、ウィーン響のようなオケと「新しく作り上げる」のは新鮮な体験になると思います。ドヴォルザークは非常に細かく強弱のニュアンスを指定していますが、それらが実演で聴き取れることはあまりありません。テンポの面でも、特に第1楽章ではさまざまな主題が少しずつ段階的に変化するように書かれており、柔軟性をもって再現することは重要です。
ベートーヴェンの「第5番」は、ウィーンの楽団にとってDNAに刻まれている音楽。伝統の重みを感じつつ、フレッシュで力強いベートーヴェンをお届けしたいですね。
-コントラバス奏者としてのご経験は、指揮活動に役立っているでしょうか?
ええ、非常に役立っていると思います。コントラバスは、ハーモニーを決定づける最低音を常に演奏する、オーケストラにおいて非常に重要な楽器です。響きの土台というだけでなく、この楽器を通してリズムに対する感覚も養えます。オーケストラのいわば鼓動ですね。コントラバス・セクションがプッシュすると、オーケストラ全体が前に進みます。
-ありがとうございました。フレッシュなコンビの来日を楽しみにしています。
≪公演情報≫
新菱冷熱 創立70周年記念
ペトル・ポペルカ 指揮 角野隼斗 ピアノ
ウィーン交響楽団
2026年5月29日(金) 19:00 サントリーホール
2026年5月30日(土) 14:00 横浜みなとみらいホール
2026年6月2日(火) 19:00 すみだトリフォニーホール
<他日公演>
2026年5/28(木) 愛知県芸術劇場コンサートホール
2026年5/31(日) ザ・シンフォニーホール
2026年6/1(月) 呉信用金庫ホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2208/












