2021/4/6
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【新刊情報】『ボリショイ秘史 帝政期から現代までのロシア・バレエ』サイモン・モリソン 著、赤尾雄人 監訳、加藤裕理 訳、斎藤慶子 訳
ボリショイ・バレエのプログラムなどにも多数執筆いただいているバレエ評論の赤尾雄人氏監訳「ボリショイ秘史 帝政期から現代までのロシア・バレエ」(著:サイモン・モリソン 訳:加藤裕理、斎藤慶子)が白水社より発売されました。
『ボリショイ秘史 帝政期から現代までのロシア・バレエ』
サイモン・モリソン 著、 赤尾雄人 監訳、加藤裕理 訳、斎藤慶子 訳
舞台裏にあるもうひとつのスペクタクル
華麗にしてスキャンダラスなボリショイの物語
世界中のバレエ・ファンを魅了するボリショイ・バレエ――その華麗な舞台裏で紡がれてきた、劇場、国家、そして人々をめぐる物語=歴史。
「ロシアといえばバレエ、バレエといえばボリショイ」―ロシアをとりまくイメージが多様化した今日においても、このような常套句を想起する人は少なくないだろう。だが、いったいなぜ芸術の一ジャンルが、その一劇場が、国家を代表する存在にまでなりえたのだろうか。ボリショイの華麗な舞台裏で紡がれてきた、劇場、国家、人々をめぐる物語を繙くことで、この疑問に答えんとするのが本書である。
たとえば、本書の導きの糸となる、劇場のバレエ監督であったセルゲイ・フィーリンが襲われた2013年の事件。世界のバレエ・ファンを騒然とさせたこの醜聞はしかし、「ひとつの恐ろしい突然変異というよりも、むしろボリショイの豊かで複雑な歴史の中になにがしかの先例がある」と著者はいう。そこから本書は、18世紀の劇場の前身にまで遡り、劇場内外の人間模様やスキャンダルという視点も盛り込んで、ボリショイの歴史を丹念かつ大胆に辿っていく。
その物語を通して読者は同時に、国家を象徴するまでになった芸術機関であるボリショイ劇場のもつ凄み、鑑賞者をはるかな高みへといざなうその上演の崇高さ、それら魅力の秘密の一端を垣間見ることになるだろう。(白水社ホームページより)
[目次]
ロシア暦について
序章
第1章 いかさま魔術師
第2章 ナポレオンとそれ以後
第3章 稲妻のように俊敏に――エカテリーナ・サンコフスカヤのキャリア
第4章 帝国主義の時代
第5章 ボリシェヴィキ以後
第6章 検閲制度
第7章 私、マイヤ・プリセツカヤは……
終章
謝辞
訳者あとがき
原註
索引
著者 サイモン・モリソン 著、 赤尾雄人 監訳、加藤裕理 訳、斎藤慶子 訳
書名 『ボリショイ秘史 帝政期から現代までのロシア・バレエ』
判型・ページ数 4-6・570ページ
定価 7,260円(本体6,600円+税)
発売 白水社