2014/6/2

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ウィーン・カンマー・オーケストラのメンバーにインタビュー

日本ツアー中、話題のウィーン・カンマー・オーケストラのメンバーに
インタビューをしました。

オケにもっとも長く在籍している人
John Moffatt (ヴィオラ)
ウィーン・カンマー

Q: マエストロが芸術監督に就任してから(良い方向に)変わったことは?
彼はソリストとしてピアニストという顔も持つため、音楽性をより豊かなものにしてくれました。フレージングや音色について本当に詳しい、またそれをオケに伝える能力に長けています。

Q: オケにとって大切なこと、変わらないことは?
ウィーン全般に言えることですが、音楽的なフレージングがウィーンではなによりも大事だと感じました。そして音色が大事です。モーツァルトはモーツァルトらしく、ブラームスはブラームスらしく、といった風に。時代の区別、作曲家の区別が見事にされていました。
変わらないことは…ウィーンらしさです。何百年もこのスタイルを貫いていることです。誇りを感じています。そしてそれを世界中で演奏してみなさんに伝えているのです。
わたしはバーデンというウィーン近郊の町に住んでいるのですが、昔モーツァルトもブラームスも住んだ町です。第九のあの有名なフレーズもそこで作曲したと聞いています。
今は実際に彼らが歩いた、同じところにいると思うととても感慨深いです。

Q: 一番面白い人はどなたですか?どんなところが面白いかもお答え下さい。
Erich Hadererさんでしょう。彼もわたしと同じくらいこのオケで演奏しているので色々と面白い話をしてくれると思いますよ。

Erich Haderer (第一ヴァイオリン)
ウィーン・カンマー

Q: 来日してから見つけた日本の面白いものはなんですか?
もう何度も来日しています。面白いものは日本の食事、宗教感、自然です。西洋と比べてまだ宗教が人々の生活に根付いている印象を受けます。西洋ではもう距離ができてしまいましたが、まだ日本や韓国もそうだと思いますが、一つの理念として機能しているのではないでしょうか。
食事はなんでもおいしく食べますよ。納豆はあまり好きじゃないけど。おにぎりもラーメンも好き。函館でお寿司を食べるのが楽しみです。

Q: ウィーンの良いところを教えて下さい。
ウィーンはオーストリアで言えば一番大きな街ですが、例えば東京に比べたらコンパクトにまとまった小さな街です。そして様々な文化が交じり合う交差点です。東と西が交わるところです。人々の名前を見てもそれがよく分かります。ハンガリー、チェコ、スロバキア、ドイツ、スイスなどの苗字がたくさんあります。トルコ人もたくさん住んでいます。町にはチャイナタウンはもちろん、そういった国々のリトルタウンがたくさんあります。そういった部分がとても街をチャーミングなものにしていると思います。
それと全世界の人が音楽を学びにウィーンへやってきますが、私には音楽性は国籍とは関係ないと思います。それよりもどこで、どの先生に習ったかが重要です。例えば、ロシアなど東で学んだ人の技術は素晴らしいけれど、スタイルを変える、となるとなかなか難しいことがよくあります。音の長さに関してよくあることですが、彼らは数学的に音の長さにこだわります。そして音を鳴らし終えたら突然切る様に鳴らすのを止める。我々の見方は少し違います。何万とある音楽的なニュアンスは楽譜に書ききれないのです。音の長さが音楽の特徴を作ります。楽器によっても様々です。ティンパニーでバーンと叩けば響くので音の長さの捉え方に差が出てきます。ほかの楽器と違って響きをさえぎることはできませんから。
それが唯一少し難しいところかな。ちょっとそれを学ぶには時間がかかるのです。

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ウィーンの名門オーケストラが紡ぐ、名曲の数々
ウィーン・カンマー・オーケストラ

2014年6月5日(木) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール

公演の詳細はこちらから

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