2018/10/9

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ブルガリア国立歌劇場東京公演レポート

ブルガリア国立歌劇場が来日し、東京文化会館にて、10月5日、6日の2日間はビゼー《カルメン》、10月8日に《トゥーランドット》が華やかに上演されました。
10月5日、10月6日の《カルメン》は、日本公演のための新制作。
これまでに上演されてきた《カルメン》の多くは、タバコ工場、密輸団が篭る山奥、闘牛場のシーンが見られますが、ブルガリア国立歌劇場総裁・演出家カルターロフによる新作《カルメン》は、時代も場所も特定しない、能とギリシャの古典円形劇場からヒントを得たという赤を基調としたシンプルなセットの中で、愛憎劇が繰り広げられます。

舞台中央の円形舞台上に居るのは、カルメン、ドン・ホセ、ミカエラのみ。
時にすれ違い、時に絡み合う3人の運命をつかさどるのは3人のモイラ。
グリッターな衣装をまとう劇場バレエ団のダンサー達も、沢山の場面で登場します。

今回の《カルメン》は、演出段階から 関わった指揮者の原田慶太楼が、ビゼーの音楽に忠実でいたいとの思いで、自ら書き下ろしたフランス語の台詞を用いているのも特徴のひとつ。
躍動感に満ちながら悲劇の結末を意図するかのような前奏曲、魅惑の<ハバネラ>、ホセの<花の歌>、<闘牛士の歌>・・・。
ビゼーの音楽の魅力に浸り、あっと言う間で夢見心地の二時間半でした。



10月5日《カルメン》カーテンコールの様子

《カルメン》(10/5)終演後舞台上でキャスト、指揮の原田慶太楼、演出のプラーメン・カルターロフで記念撮影
カルメン役のナディア・クラスティヴァ(10/5)と演出のプラーメン・カルターロフ

10月8日にはプッチーニ《トゥーランドット》が上演されました。
圧巻の<誰も寝てはならぬ>で大喝采を浴びたのは、カラフ役のカメン・チャネフ。
トゥーランドットとの二重唱では、聴き手の心がぐいぐいと引き寄せられました。

主役トゥーランドットを演唱したガブリエラ・ゲオルギエヴァは、氷の女を表す力強い声と、カラフからの愛で弱さを見せる繊細な歌声が魅力。美しく威厳のあるトゥーランドットを演じ切りました。リュー役のラドスティーナ・ニコラエヴァも劇場が誇るベテランのソプラノ。
一番の聴きどころ<氷の様な姫君の心も>では涙を誘います。今回の来日公演、もう一つの演目《カルメン》でのミカエラ役も演じ、いずれも“可憐で切ないながらもどこか強さのある女性”を演じ分けていました。

10月8日《トゥーランドット》カーテンコールの様子
《トゥーランドット》上演後舞台上で指揮のグリゴール・パリカロフとプラーメン・カルターロフ総裁を囲んだキャストたち
楽屋前で記念撮影。指揮者グリゴール・パリカロフ、プラーメン・カルターロフ総裁、トゥーランドット役のガブリエラ・ゲオルギエヴァ、リュー役のラドスティーナ・ニコラエヴァ、カラフ役のカメン・チャネル。

今回のブルガリア国立歌劇場日本公演の2つの演目は“愛’に生きる女性を物語っており、
“愛”とは何なのか?を考えさせられました。10月8日の東京公演最終日には、出演者たちの寄せ書きが東京文化会館の舞台裏の天井に掲げられました。

今後の公演日程は以下よりご確認ください。
引続き、ブルガリア国立歌劇場 2018年日本公演をお楽しみください。

日本公演のプログラム購入はこちらから
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ブルガリア国立歌劇場 2018年日本公演 今後の全国日程
10月10日(水)ハーモニーホールふくい「カルメン」【詳細URL】
10月11日(木)三重県総合文化センター 三重県文化会館 大ホール 「トゥーランドット」【詳細URL】
10月12日(金)アクロス福岡 シンフォニーホール「カルメン」【詳細URL】
10月13日(土)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール「カルメン」【詳細URL】
10月14日(日)シンフォニア岩国「カルメン」【詳細URL】
10月16日(火)サンシティホール「トゥーランドット」【詳細URL】
10月17日(水)茨城県立県民文化センター「カルメン」【詳細URL】

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