マリインスキー・オペラ記者会見 レポート

2016年10月11日都内で、マリインスキー・オペラ来日公演記者会見を行いました。登壇者は、野村ホールディングス代表執行役グループCOO尾崎哲 様、招聘元のジャパン・アーツ株式会社 代表取締役社長 大内栄和、マリインスキー劇場芸術総監督・指揮ワレリー・ゲルギエフ、演出家 アレクセイ・ステパニュク、歌手陣の登壇は、マリア・バヤンキナ、ユリア・マトーチュキナ、フェルッチョ・フルラネット、ヨンフン・リー、ディミトリー・コルチャック、アレクセイ・マルコフです。

ワレリー・ゲルギエフの挨拶です。
「日本に来ることはとても喜ばしいことです。ロシアと日本は隣国同士、友好関係にとってはとても大切なことだと思っております。今回は、ロシアの伝統的なオペラの作品をお送りできることを、私個人的にもとても楽しみにしております。特に、フルラネットさん、リーさんの出演に関して、今回のツアーでご一緒にできたことを大変嬉しく思っております。今後も何かで一緒にできればと思っています。このように様々な国のアーティストたちと共演し公演をすることで伝統芸術をもっと豊かにしていきたいと思っております。マリインスキー劇場の事についてもお話しますと、次のシーズンでは1,500回もの公演を行い、19の新演出を予定しています。また我々は、4つの舞台を持っており、その中の3つがサンクトペテルブルグに、残りの1つはウラジオストクにあります。今年は、そのウラジオストクで音楽祭を行いました。この音楽祭はアジア地域とを結ぶ非常に重要なものだと考えています。」
またゲルギエフは「現代には、芸術文化が非常に重要だと考えております。その上で今回サポートしてくださっている皆さまの存在が素晴らしいことで、日本の美学だとも思っおります。また最近では“子供のためのプログラム”を力を入れており、若いアーティストをサポートすることが使命だとも思っております。」と話した上で、野村ホールディングス代表執行役グループCOO尾崎氏とかたい握手を交わしました。

フェルッチョ・フルラネット（バス）
10日、フィリッポ二世を演じ存在感を示したフルラネット。「実は、日本デビュー35年です。初来日は、ミラノ・スカラ座と“セビリアの理髪師”に出演しました。日本については、毎回来日する度に思うことがあります。日本の聴衆は、芸術に対して深い愛情を持っていると、いつもそう感じています。ゲルギエフ氏とは友人であり度々共演してますが、今回のようにマリインスキー劇場と日本でツアーをできたことを大変幸せだと思っております。」

ヨンフン・リー（テノール）
「初来日は、2011年のメトロポリタン・オペラ(MET)に急遽出演した時でした。その時、日本の皆様はとても暖かく歓迎してくださって、嬉しかったことを覚えています。今回、マリインスキー劇場と共に2度目の来日を果たせたことを本当に幸せに感じております。今後もこの様な幸せが訪れることを願っております。」

マリア・バヤンキナ（ソプラノ）
「日本ツアーへは初参加です。今回のツアーに参加できたことを幸せに思ってます。すでに京都で“エフゲニー・オネーギン”のタチヤーナを演じましたが、日本の皆さんの熱い想いを感じました。」

ユリア・マトーチュキナ（メゾ・ソプラノ）
“ドン・カルロ”のエボリ公女では、安定した歌唱で聴衆を魅了したマトーチュキナ「今回2度目の来日となります。前回は、R.シュトラウスの「影のない女」で出演してました。小さな役でしたけど。今回、日本に帰ってくることができて本当に幸せを感じてます。昨夜エボリを歌いましたが、私にとっては比較的新しい役でした。この役を聴衆の皆さんに披露できて大変嬉しいです。」

アレクセイ・ステパニュク（“エフゲニー・オネーギン”演出家）
「皆さん、こんにちは。日本人とロシアの人々は、日頃から共通するところがあるな、と感じてます。」

アレクセイ・マルコフ（バリトン）
「今回、日本に来れたことを嬉しく思っております。初来日は前回公演でした。ベルリオーズ“トロイアの人々”に出演いたしました。その時は、短期間の滞在でしたので、今回はたくさんの日本の文化に触れたいと思います。また今回の来日では“エフゲニー・オネーギン”でタイトルロールを歌います。」

ディミトリー・コルチャック（テノール）
コルチャックは、今年新国立劇場主催のマスネの“ウェルテル”に出演し、注目を浴びました。「今回は、7回目の来日となります。このツアーに参加できて嬉しく思ってます。今までたくさんの劇場で歌ってきましたが、マリインスキー劇場との共演は昔からの夢でした。今回の演目に関して、日本の皆さんは本当に幸せだと思います。ロシアの真髄とも言えるオペラ“エフゲニー・オネーギン”をロシアの劇場が上演するのですから。」

記者からフルラネットに質問がありました。“ベテランとして若い同僚の皆さんに伝えたいことは何でしょうか？”
フルラネット「若いアーティストに申し上げたいのは、自分の声を若いうちから判断をし、正しレパートリーを選ぶことだと思っています。そして、そのレパートリーを丁寧にこなしてほしいと思ってます。」その後フォトセッションをし、会見は和やかに終了いたしました。

写真：居坂 浩文

記者会見動画アーカイブ

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帝王ゲルギエフ＆伝説の劇場が威信をかける2演目
マリインスキー・オペラ 来日公演2016

「ドン・カルロ」
10月12日(水) 18:00
「エフゲニー・オネーギン」
10月15日(土) 12:00／10月16日(日) 14:00
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