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──フランスのオーボエ奏者であるフランソワ・ルルーのような桁外れのカリスマ性と音楽性を持つ指揮者及びソリストという存在に、その空間が満たされると、効果も倍増する──
(The Arts Desk 英国の芸術ジャーナリズム・ウェブサイト)

 指揮者でありオーボエ奏者のフランソワ・ルルーは、溢れんばかりの熱意と活力を持つことで知られる。現在、カメラータ・ザルツブルクのアーティスティック・パートナーを務めている。これまでには、パリ室内管弦楽団のアーティスト・イン・アソシエーションを務めたほか、hr交響楽団(旧フランクフルト放送響)、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、ベルン交響楽団、ノルウェー室内管弦楽団、そしてテネリフェ交響楽団のアーティスト・イン・レジデンスとして活躍している。
 2021/22シーズンには、ルルーは指揮者としてスイス・イタリア語放送管弦楽団、BBCスコットランド交響楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、カメラータ・ザルツブルク、ヨーロッパ室内管弦楽団、バーミンガム市交響楽団、スコットランド室内管弦楽団、オランダ室内管弦楽団、そしてパリ室内管弦楽団を再訪する。これまでに、オスロ・フィルハーモニー、HR及びWDR交響楽団、リール国立管弦楽団、スウェーデン室内管弦楽団や、シドニー、グルベンキアン、スウェーデン放送交響楽団、トーンキュストラー管弦楽団などを指揮している。
 オーボエ奏者としては、ニューヨーク・フィルハーモニック、ベルリン・ドイツ交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、そしてスウェーデン放送交響楽団やNHK交響楽団などと、ソリストとして共演している。室内楽にも熱心に取り組み、六重奏団のレ・ヴァン・フランセや、リサ・バティアシュヴィリ、エリック・ル・サージュにエマニュエル・シュトロッセといったリサイタルのパートナーたちと、世界各地で定期的に演奏している。
 ルルーはまた、オーボエのレパートリーの拡大にも意欲的に取り組み、ニコラ・バクリ、ミカエル・ジャレル、ギヤ・カンチェリ、ティエリー・ペコウ、ジル・シルヴェストリーニにエリック・タンギーなどの作曲家に多数の新作を委嘱している。最近のシーズンには、シルヴェストリーニがルルーのために特別に編曲したドビュッシーの「サクソフォンのための狂詩曲」のコーラングレ編曲版の世界初演(2017/18)、ジャレルのオーボエ協奏曲「アクアタント」(2016/17)、そしてティエリー・エスケシュの「ヴァイオリンとオーボエのための二重協奏曲」の初演を、妻であるリサ・バティアシュヴィリと、NDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団及びニューヨーク・フィルハーモニックと行った。
 ルルーの最新録音は、ワーナー・クラシックスからリリースされた「Bienvenue en France(フランスへようこそ~フランス・オーボエ作品集)」で、ピアニストのエマニュエル・シュトロッセとの共演により、サン=サーンス、デュティユー、ドビュッシーなど20世紀のフランス作品の他、現代作曲家のティエリー・ペコウの作品が収録されている。指揮者としては、ルルーとスコットランド室内管弦楽団によるビゼーとグノーの作品を収めたアルバムが、Linn Recordsより2019年に発売されている。2016年には、ミュンヘン室内管弦楽団と録音したフンメルとハイドンの作品集で賞を受賞。他にも、ヨーロッパ室内管弦楽団とのJ.S.バッハ作品、カメラータ・ザルツブルクとのモーツァルト、そしてダニエル・ハーディング指揮によるスウェーデン放送交響楽団とのシュトラウスのオーボエ協奏曲などが発売されている。
フランソワ・ルルーは、ミュンヘン音楽大学の教授を務めている。

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