2019/5/17

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【エイフマン・バレエ「ロダン」】カミーユ・クローデル美術館~スペシャル・コラム

フランス・パリのロダン美術館は観光名所のひとつとして有名ですが、ロダンの創作にとって欠かすことの出来なかった存在、カミーユ・クローデルの作品を集めた美術館が、パリ郊外のノジャン・シュル・セーヌにあることは、まだあまり知られていないこと。
舞踊鑑賞ライター西原朋未さんが、カミーユ・クローデル美術館を訪ねました。カミーユ・クローデル美術館

ノジャンのクローデル美術館で出逢う
彫刻家「カミーユ・クローデル」の原点と結晶

 パリから列車で1時間ほどの町、ノジャン・シュル・セーヌには2017年に開館したカミーユ・クローデル美術館がある。建物は13歳頃のカミーユが家族とともに3年間暮らした地にあり、ここで彼女は彫刻家アルフレッド・ブーシェと出会い、彫刻家を志す決意を抱く。いわば彫刻家「カミーユ・クローデル」が生まれた町ともいえよう。

 クローデル一家はノジャンを後にしてパリに移り住み、カミーユは美術学校に通いながら引き続きブーシェを師として彫刻を学ぶ。そして1882年、カミーユはイタリアへ赴くブーシェの代替教師としてロダンを紹介され、ロダンはクローデルの情熱的な個性と才能に魅了されるのである。
エイフマンの『ロダン』はそうした2人の出会いから、師弟にして恋人としての愛や情熱、ロダンの内縁の妻ローズとの確執、そしてロダンとの破局により心身ともに崩壊していくカミーユと、それでもなお己の信念のままに創造の道をゆくロダンの姿を描き出す。登場人物の赤裸々な精神(こころ)に容赦なく迫ろうとするエイフマンの姿が、ダンサーの肉体で彫刻をつくり出す舞台上のロダンと被るのは気のせいではあるまい。 クローデル美術館にある『小さな女城主』と、同じ少女をモデルにした『オーロラ』を目にしたとき、ふと浮かんだのは『ロダン』のラストシーンであった。これらの作品はロダンと決別した後につくられたものだ。カミーユは絶望の淵にありながらも、モデルの少女と対峙し、ノジャンで抱いた希望や夢、創作への純粋な思いを呼び起こし、這い上がろうとしたのだろうか。ピュアな、しかしどこか虚ろにも思える少女の眼差しは切なく哀しく、抱きしめたいほどの愛おしさを湛えている。

舞台鑑賞ライター 西原朋未

▼画像をクリックするとチラシをPDFでご覧頂けます▼

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エイフマン・バレエ 日本公演 2019

7.18 [木] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.19 [金] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.20 [土] 17:00 「アンナ・カレーニナ」
7.21 [日] 14:00 「アンナ・カレーニナ」
会場:東京文化会館
(問)ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
【全国公演】
7.13 [土] 15:00 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 「アンナ・カレーニナ」
(問)びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136
7.15 [月・祝] 15:00 グランシップ(静岡)中ホール・大地 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
(問)(公財)静岡県文化財団 054-289-9000
エイフマン・バレエ 日本公演2019 特設サイトはこちらから

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