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演奏者から見たフィリップ・ジョルダン~パリ・オペラ座管弦楽団ヴァイオリン奏者、阿藤果林さんに聞く

11月末からウィーン交響楽団と来日するフィリップ・ジョルダン。9月末、パリ・オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者、阿藤果林さんにお話を伺いました。
指揮者フィリップ・ジョルダンがパリ・オペラ座の音楽監督に就任したのは2009年。阿藤さんはその約6年前の2003年より、アジア出身、女性初のコンサート・マスターの一人として活躍されています。今回、オペラ・バスティーユで10月に上演されるヴェルディ「ドン・カルロス」に向けた連日の稽古の合間、快く面会に応じて下さいました。

阿藤さん:今回上演される「ドン・カルロス」は、ヴェルディがオペラ座のために書いたオリジナル版、(1867年3月1日、パリ・オペラ座にて初演)5幕での上演となります。今日は2回目の歌手合わせでした。

今回はオリジナルのフランス語版での公演ですが、私達が使用する楽譜にはイタリア語で歌詞が書かれているのでちょっと残念でもあります。でも、素晴らしいキャストが揃い、これから本番にむけて歌手たちがどんどんオーラを発揮するので楽しみです。

パリ・オペラ座管弦楽団はどの様に演奏活動を行っているのでしょうか?
パリ・オペラ座管弦楽団は約180人のメンバーが「青組」「緑組」の二つに分かれ、私は今回「ドン・カルロス」を演奏する「青」に属しています。
コンサート・マスターは3人おり、演目によって役割が分かれています。
オペラ座の前は、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団に所属していたので、 オーディションを受けて合格し、いきなりオペラの世界に入った上に殆どの楽員がよく知っているプッチーニの「ラ・ボエーム」で初仕事が始まったときは、学ぶことがいっぱいあるなあという感じでした。

レパートリーで知らないものは、まだ山ほどあります。フランスにいるのに、昨年初めてカルメンを演奏したんですよ。前夜はバスティーユでドビュッシー「ペレアスとメリザンド」、今夜はガルニエでモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」が上演されますね。指揮はいずれもフィリップ・ジョルダンですが、マエストロはそれら本番前に、「ドン・カルロス」のリハーサルを連日行っているのですね。
阿藤さんから見て、マエストロ・ジョルダンはどんな指揮者でしょうか?

フィリップは、常にエネルギーが漲っていて、最後の時間までとことん練習を行います。
複数の演目の稽古と本番を同時に進めていくエネルギーはどこから出てくるのだろうといつも思っています。オペラの本番前に先の演目のリハーサルを行うことは、ごく当たり前のことです。
「ドン・カルロス」のリハーサルは、2時間半のオケ合わせを5回、歌手との3時間の合わせを2回、午前・午後それぞれ3時間の舞台合わせを5回、ゲネプロ前のプレGP、そしてGP、本番となります。

今夜の「コジ・ファン・トゥッテ」本番では、マエストロは、クラヴサン(チェンバロ)の弾き振りもするはずですよ。
マエストロは、オーケストラ、歌手、両方を把握しており、やりたいことがはっきりしている指揮者です。また、歌手をしっかり前に引っ張ってくれます。歌手にもよりますが、時々、アリアやその他の間の取り方が必要以上に長く間延びする歌い手の方を、有無を言わさずリードしてくれます。

歌手の方々からの信頼も厚いのですね。オーケストラの方々とのコミュニケーションはどの様な感じでしょうか?
マエストロは、ソリストたちだけでなく、楽団員ともフレンドリーに話します。
私たちオーケストラ・メンバーからも、意見しやすい状況を常につくってくれていますし、マエストロへの提案も行いやすいです。
一方では、フィリップは完璧主義ともいえますね。練習では各セクションにたくさんの細かい指示がなされ、ニュアンスなどの書き込みもたくさん要されます。
 
オーケストラの皆さん、マエストロとの風通しの良さが伺えます。さて、「ドン・カルロ」の後、阿藤さんとマエストロとの主な共演のご予定をお聞かせくださいますか?
「ドン・カルロス」の後、3月上演予定のベルリオーズの「ベンヴェヌート・チェッリーニ」は、私は降り番ですが、フィリップとは5月に、チャイコフスキー交響曲全曲演奏会の中の、第3番と第6番の共演を予定しています。オペラでの演奏とは異なるオーケストラの演奏に、また気持ちを切り替えて臨みますが楽しみです。

先日、日本にご帰国の折にリサイタルを行ったそうですね?ご自身のご予定は如何でしょうか?
日本には、ひと月半の夏季休暇で帰国しています。今年の夏は東京で、フランス、オペラとバレエをコンセプトにしたリサイタルを行い沢山の方に喜んで頂けました。現在、10歳と7歳の子供を育てながら演奏活動をしており、少しずつですが自身の演奏会も続けたいと思っています。来年は、東京でサロン形式のコンサートを行う予定です。

ありがとうございました。

この日、オペラ・ガルニエでの「コシ・ファン・トゥッテ」では、マエストロ・ジョルダンはクラヴサンを華やかに弾き振りして満場の客席を湧かせ、カーテンコールは総立ちとなりました。
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ジョルダンが聴衆を熱くする、ウィーン響の覚醒と新時代!
フィリップ・ジョルダン指揮 ウィーン交響楽団 ヴァイオリン:樫本大進
2017年12月1日(金) 19:00開演 サントリーホール
2017年12月3日(日) 14:00開演 サントリーホール
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