2017/2/7

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中野翔太、金子三勇士に聞く。[ピアノ・トリオ・スペクタクル]

-今回、初めて3名で演奏されるのでしょうか?
金子「そうなんです。もともと、中野さんと松永貴志さんはデュオを組まれています。そして僕と中野さんも共演したことがありますから、中野さんが“お見合い役”のような感じですね。」

中野「今回は、ピアノ3台を使った曲が2曲入ります。3台で弾ける曲がなかなかなくて、今回弾く2曲は僕がアレンジしました。もちろん、それぞれのソロも、デュオ(2台ピアノ)もお聴きいただきます。」3台ピアノでは、オーケストラ曲として有名な(ラヴェルの)“ボレロ”と、“スターウォーズ”を演奏します。ボレロは、1台ずつ音が増えていきますから、曲の最後に向けてどんどん盛り上がりますよ。」

金子「ピアノ2台の演奏会はよくありますが、それ以上の台数のコンサートとは、とても珍しいですよね。フェスティバルなどのお祭りごとの時くらい。今回は、それぞれがソリストとして演奏活動をする3人の共演となりますから、3人のテイストが混ざり合って、どんな演奏になるか、とても楽しみです。
以前、3台ピアノの演奏会に出演したのですが、決して、3台だから(一人あたりの分担が減って)楽ができるわけではないんですね。それぞれの仕事が薄くなるわけではなくて、3台で演奏することによってボリュームが3倍以上になりますから、肉厚のピアノ音楽をお楽しみいただけると思います。」

中野「2台ピアノでも1台以上の魅力を感じられますが、そこに、さらに1台加わったことによって予想以上に効果的になるんです。演奏している僕らも楽しいですよ。」

金子「3台ピアノは、リハーサルの段階から熱が入りやすいかもしれません。ボレロは本来、静かに始まって最後に向けて盛り上がる曲ですが、途中ですごい熱くなってしまったりして(笑)。3台でリハーサルする日が楽しみです。」

中野「3台ピアノはアンサンブルですから、どうしても一人だけでは完結できない。自分が担当するパートだけを一人で練習していると、全体の構成がつかみにくいんですね。ですから、3台揃うとどうなるか未知数だし、それがとてもワクワクします。」

金子「一人が1台ずつを演奏しますから、お互いに話し合いながら弾いていって、3台がひとつになるようにそろえていくんです。それに、ステージにピアノをどう置くか、もっとも会場に合った方法を考えて、もっとも魅力的な方法でコンサートに臨もうと思っています。」

-同世代の男子3人組。ピアノと、音楽と。
中野「みんな80年代生まれの同世代。歳は、僕が一番上ですね。ちょうど良く年が離れていて。3兄弟みたい(笑)。」

金子「僕が平成元年生まれの末っ子だね。やはり、世代が近いので話し合いがしやすいです。気を使いすぎることもなく、男3人でわいわいしています。」

中野「僕は、もともと母親がピアノの先生だったので、小さい頃からピアノには慣れ親しんできました。ピアノに触れるのも自然なことでしたし、5歳の時には“ピアニストになりたい”と思っていました。」

金子「僕の両親は音楽家ではありませんが、ハンガリーは音楽がすごく盛んな国なんです。民俗音楽も、クラシック音楽も。リストの国でもありますから、みんなが音楽を大切にしています。そのような環境の中で、ピアノには2歳頃から興味をもっていました。ハンガリー人の祖母が音楽教育を研究していたので、祖母と過ごす中で、遊び感覚で音楽に触れてきました。ピアノもおもちゃのひとつのような。少し大きくなって4~5歳頃に、ピアニストになろうと思ったんです。」

中野「ピアニストになろうと決めて、だいたい毎日ピアノに触れる生活をしていますが、多いときには10時間以上弾くこともあります。」

金子「僕も、準備の大変な曲に取り組むときは15時間とか弾きますね。平均的には5~6時間かな。頭にも体にも、ちょうど良い時間かも。」

中野「確かに、長く弾けば良いというわけではないんです。毎日毎日弾き続けてきた曲を、ぱっと、弾かずに一日置くとうまくいくこともある。」

金子「ピアノを弾くということを子ども時代からカウントすれば、長く弾いてきたなぁとは思いますが、誰かに強制されたわけではなく、好きでやっていたので、練習がいやだということがなかったですね。」

中野「そうだね。だけど、僕が小学生のときにJリーグが始まったんですね。もともとサッカーがとても好きだったので、地元のサッカーチームに入りたかったのに、(手を怪我すると大変なので)入れてもらえなかった。あれはちょっと悲しかったかなぁ。」

金子「僕はサッカーやるときはゴールキーパーだったよ。ハンガリーでは、小学校高学年くらいになるとぶつかり合うような激しい試合をするので(でも、そんなにみんな上手じゃない)、なかなか人がゴールの方に来ないし、安全なゴールキーパーをやってました(笑)。今考えると、人生でもっとも大切な時期をハンガリーで過ごしたかな、と思っています。」

-松永さんはジャズ・ピアニストですね
金子「ジャズが専門のピアニストと共演するのは、今回が初めてです。中野さんはニューヨークにいらしたので、きっと、ジャズに直接触れてきたと思うんですね。これまでも中野さんと一緒に演奏しているとき、ジャズの雰囲気を感じていました。中野さんは、僕と松永さんの間に入ってくれる貴重な存在です。」

中野「僕は、音楽的なテイストの違う2人の調整役でありたいと思っています。違うキャラクターの人たちとやると、絶対、面白いものができると思う。」

-ピアニストから見た、クラシックとジャズの違いは?
中野「演奏法…たとえばリズム感、拍の取り方が違う。クラシックだとつかないところにアクセントをつけるとか。フレーズも、クラシックの場合には流れるように演奏しますが、ジャズは(あえて)途切れ途切れに弾きますね。」

金子「ジャズの方は、手・指の使い方も全然違いますね。ペダルの使い方も、技法が違います。」

中野「クラシックの演奏家の方がテクニックを重視する感じもありますね。(もちろんジャズ・ピアニストでも素晴らしいテクニックをお持ちの人もいますが)クラシックとは違う部分でのテクニック…アレンジや作曲の技法の要素を持ち合わせていないと弾けないんじゃないかな。」

金子「ジャズの世界では、即興演奏が多いですね。これは、クラシックだとあまりないですから、クラシックのピアニストである僕としては、ジャズは“一期一会”の演奏をしているように思います。今回は、3人とも自分のキャラクターを入れながら演奏すると思いますから、違いも楽しんでいただきたいです。」

-もうすぐバレンタインですね
金子「バレンタインも近いですから、リストの『愛の夢』もプログラミングしてみました。お客様は演奏会を聴いてから、チョコレートを買いに行かれるのでしょうか。実は今、ヨーロッパでは、バレンタインに“誰が誰にチョコレートをあげるんだっけ!?”と、とても混乱しているんですよ(笑)。もともとヨーロッパでは男性から女性に贈り物をするんですね。でもだんだん(日本のように)女性から男性にあげるようになってきました。」

中野「アメリカでは、バレンタインデーは好きな人に告白する日というよりも、大切な人に贈り物をする日ですね。ちなみに、アメリカではホワイトデーはないんですよ。」

金子「今回のコンサートでは、僕たちからの“演奏のギフト”を受け取っていただきたいと思います。190年以上の歴史あるカファレルと一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。」

中野「会場では僕たちのサイン入りオルゴール缶を限定で販売します。ここでしか聴けないピアノ・トリオ・スペクタクルとともに、どうぞ楽しみにお出かけ下さい!」

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注目の若きピアニスト3人が集結!
ピアノ・トリオ・スペクタクル(中野翔太・松永貴志・金子三勇士)バレンタイン・コンサート
2017年2月11日(土・祝) 13:30
東京オペラシティ コンサートホール
公演詳細はこちらから

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