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ユリア・フィッシャー ベルリン・コンツェルトハウス管のシーズンオープニング公演に登場!

10月にいよいよ来日するユリア・フィッシャー。9月7日にベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のシーズンオープニング公演に登場したユリア・フィッシャーの公演レポートです。

2016年9月7日、ユリア・フィッシャーがベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のシーズンオープニング公演に登場、イヴァン・フィッシャーの指揮でヘンツェの「イル・ヴィタリーノ・ラッドピアート」を共演した。ユリアは2011/12シーズンに同管のアーティスト・イン・レジデンスを務めるなどこのオーケストラと縁が深く、彼女が「現代最高の指揮者の一人」と評価するイヴァン・フィッシャーとの共演に期待が膨らんだ。
 ユリアは黒を基調としたシックなドレスで登場。低弦による導入の後、有名なヴィターリのシャコンヌの旋律を奏でる。この作品のタイトルは「倍増したヴィターリ」の意味。ヴィターリの1つ1つの変奏に対してヘンツェが自分の「返答」をしながら作曲したことに由来する。ユリアは輝かしく気品ある音で旋律を歌いながらも、必要以上にソロを浮き出させることはしない。時々聴こえてくるチェロやヴィオラ、ハープや木管楽器のソロと精妙な掛け合いをしながら、オーケストラと共に織り上げていくように変奏を重ねてゆく。徐々にバロックから現代へと響きが移り変わってゆき、いかにもヘンツェらしい表現力豊かなカデンツで曲が締められた。喝采に応えて、ユリアはパガニーニのカプリース第24番をアンコールに披露。ここでの自信に満ちた、完璧ともいえるソロに会場は感嘆の空気に満ちた。
 世界的なソリストとして、また自分の名を冠したカルテットの奏者として、さらに大学教授と、ユリア・フィッシャーの活動は極めて多岐に亘るが、彼女はそれらすべての経験を自らの糧にしているようだ。実に2004年以来となる10月の来日公演。知性と感性が極めて高い次元で融合された、現代を代表するヴァイオリニストの姿を目撃できるだろう。

中村真人 (在ベルリン/ジャーナリスト)

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艶やかさの中に溢れる精緻な気品
ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル
2016年10月15日(土) 14:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
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