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インタビュー:エリック・ルー(第4位)

 今回から3次予選の課題は、ソナタ第2番、第3番または「24のプレリュード」から選択できるようになっていましたが、エリックさんはそんな中でプレリュードを選んだコンテスタントの一人でした。自身にとって特別な作品だというだけあり、深い想いの込められた演奏。今回のガラ・コンサートの一部公演でも、その抜粋が演奏されます。秋のショパンコンクールを前に、2015年春、マイアミのショパンコンクールで優勝。彼もまたケイト・リウさんと同じくダン・タイ・ソン門下で入賞を果たした一人で、現在カーティス音楽院でロバート・マクドナルド教授のもと学んでいます。



─結果発表の瞬間はどんな気持ちで迎えましたか?

 コンクールの結果発表はいつもそうですが、ストレスを感じていました。自分の順位を聞いたときも、特別な感情はありませんでしたね……。
ファイナルまで進み、準備してきたレパートリーをすべて演奏できたことは嬉しかったです。


─ステージでの様子がとても落ち着いていて、3ステージ聴いたころには、まだ17歳だということをつい忘れてしまいました。あのようにいつも落ち着いて確信に満ちた様子でいられるのはなぜですか?
 もしかしたらそう見えるかもしれませんが、実際はそうでもないですよ。プレッシャーもありますし、全ての瞬間、100%自分のすべきことに集中するには熱くなりすぎていることもあります。ただ、うまく“ゾーン”に入ることができているときは、良い気持ちで演奏に臨むことができます。正直言って、それはとてもレアなことですが。
いずれにしても、一番怖い、暗譜が飛ぶという事態も起きずに全ステージ無事演奏できたのでよかったです。



─ショパンコンクールに向けての準備で心掛けたことはありますか?
 特別なことはありません。常に作品を身近に置いて、ともに生活する中で、10月が来たから、それじゃあワルシャワに行って弾こうという感じでしたね。
春にマイアミのショパンコンクールで、同じ4ラウンドで似たプログラムを弾きましたから、これがとてもいい経験になりました。そしてそこで優勝したことで、たくさんコンサートの経験を積むことができました。音楽は、ステージで演奏することによってより深まっていきますから。


─ショパンの作品は、あなたにとってどんな存在ですか?
 ショパンの音楽は、喜び、悲しみ、ノスタルジーなど、人間的な感情に満ちているので、音楽に触れるとその感情を理解することができます。なかでもプレリュードは、ショパンの作品としてはもちろん、すべてのピアノ曲の中でも最もすばらしいもので、ずっと勉強したいと思っていました。ショパンコンクールを受けると決めて課題曲を見たら、3次でプレリュードを選べるようになっていたので、それじゃあ弾こうと選んだのです。


インタビュー・文:高坂はる香


*ガラ・コンサート会場で販売されるプログラム冊子には、インタビューの別バージョンが掲載されます。ぜひご覧ください。



2016年1月に開催する【ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ】公演では、入賞者たちがカスプシック指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と来日し、若い入賞者たちの情熱をそのままお届けいたします。
2016年1月28日(木) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
2016年1月29日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール



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