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インタビュー:イーケ・トニー・ヤン(第5位)

 1998年12月生まれのイーケ・トニー・ヤンさん。今回のショパンコンクールは下限の年齢制限が前回より1歳若い16歳に引き下げられたので、彼はぎりぎり参加可能となりました。憧れのショパンコンクール、もとは5年後の回で挑戦するつもりだったようですが、今回こうして参加することができ、さらに5位入賞を果たすことができ、予想を上回る結果に嬉しそうでした。彼もやはり、ダン・タイ・ソン門下の一人。これからが楽しみなピアニストです。



─結果をうけて今の気分はどうですか?

 とても嬉しいです。すばらしい経験でした。こうしてこのコンクールに参加できたこと自体が嬉しいです。


─コンクール中、一番大変だったのは、いつでしたか?
 結果を待つ時間。あとは、ファイナルの準備ですね。なにしろ予想していなかったので、ファイナル進出が決まってからの3日間でとても濃い練習をしました。それまで、ショパンのピアノ協奏曲は1楽章しか演奏したことがありませんでしたから。


─マズルカなどの理解はどのように深めていきましたか?
 難しかったですね。自然に表現する能力が求められるでしょう。計算して無理に弾いている感じが出てはいけません。良いムードを持って演奏することが大切だと考えていました。実際、僕の演奏がどうだったかわかりませんが……。



─今回、ショパンコンクールを受けることにしたのは?
 勉強するモチベーションを高めるために、なにかコンクールを受けようと思っていました。そんなとき、ダン・タイ・ソン先生からも、“君は失うものはなにもないし、将来またチャレンジするうえでも良い経験になるだろうから、ショパンコンクールを受けてみたら”と勧められたんです。


─ダン・タイ・ソン先生から学んだ最も大きなことは何でしょうか?
 ショパンをどう演奏するか、だと思います。
 1年前、中国で若い音楽家のためのショパンコンクールに参加したとき、ファイナルには進みましたが上位3位には入ることができず、審査員の先生方から、僕には音楽的な才能があるけれどショパンのスタイルがわかっていないと言われました。それ以来、ダン・タイ・ソン先生は、僕にショパンについて本当に多くのことを教えてくれました。
 現在カナダで師事しているジュリアン・マーティン先生も、この1年間僕がショパンに集中して勉強することを手伝ってくれました。


─そうした勉強を経て、今ショパンについてどのような理解を持っていますか?
 ポポヴァ=ズィドロン審査員長が、2次予選の結果発表のときのスピーチで“ショパンは悲しい人生を送った人だから、演奏するには悲しい経験を持っていないといけない”と話していらっしゃいましたが、これはとても大切なことだと思いました。ショパンの音楽は、ノーブルで、詩的で、とてもドラマティックです。


インタビュー・文:高坂はる香


*ガラ・コンサート会場で販売されるプログラム冊子には、インタビューの別バージョンが掲載されます。ぜひご覧ください。



2016年1月に開催する【ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ】公演では、入賞者たちがカスプシック指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と来日し、若い入賞者たちの情熱をそのままお届けいたします。
2016年1月28日(木) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
2016年1月29日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール



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