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インタビュー:シャルル・リシャール=アムラン(ショパン国際ピアノ・コンクール第2位、ソナタ賞)

 1次予選のステージに現れた瞬間から良い音を出しそうな気配を醸し、実際、演奏を始めたとたんそのあたたかい音で、一気にワルシャワの聴衆を魅了してしまったシャルル・リシャール=アムランさん。大きな国際コンクールに参加したのは2014年が最初で、ソウル国際(第3位)、モントリオール国際(第2位)両音楽コンクールに入賞。そして2015年、ショパンコンクールで第2位に輝いた。



─第2位おめでとうございます。
 ありがとうございます。2位に入賞して、ツィメルマン氏から贈られるソナタ賞も受賞することができて、本当に嬉しかったです。僕にとっては夢のシナリオ通りです。今の僕にとっては、優勝者ツアーをすべてこなすことはトゥーマッチだと感じます。旅続きでコンサート活動をする生活は、演奏家の定めだとは思いますが、僕にはまだそういう経験がありません。一方のチョ・ソンジン君はもう長く演奏活動をしていて、準備もできているはずです。僕たちのスコアは僅差だったらしいですが、審査員は正しい決断をしたと思います。


─ところで、ご両親は音楽関係ではないそうですね。
 はい、母は精神分析医で、父はコンピューター関係の仕事をしていた人で、同時にアマチュアのピアニストです。僕が4歳半のときにピアノを与えてくれたのは、父です。


─ショパンコンクールに向けての準備で、一番気を付けたことは?
 全ての作品をコンサートで弾いてみる経験を持つよう心掛けました。そうして作品の解釈と演奏については準備したわけですが、コンクールの舞台で、一つの大きな挑戦となったのは、緊張にどう対処するかということ。大体の場合はうまく制御することができましたが、難しいこともありましたね……。ときどき訳が分からなくなってしまう瞬間もあったりして。演奏家にしかわからない感覚かもしれません。そんな中で、単に印象的な演奏をすることに集中しすぎてしまえば、人の記憶には残るかもしれませんが、聴衆の心を動かすことはできません。



─ショパンという人について、どんな理解をされていますか?
 稀有な天才です。彼が、心にある音楽を紙に書き落としてくれたことに感謝しています。大変な試行錯誤の末に作品が生み出されたということは、自筆譜から見てとることができます。とても労力のかかる作業を経て、一つ一つの作品が生み出されたのです。例えば、モーツァルトはいつも自然と音楽が湧き出してきていたタイプだと思いますが、それとは正反対ですね。
 もしも現代の技術があれば、ショパンはもっとたくさんの作品を書けたかもしれませんね! ……“もしも”を想像するのは自由でしょう(笑)。
それにしても、ショパンがあの年齢で世を去ってしまったことは、本当に残念です。あと1年でも長く生きていてくれたら、どれだけすばらしい作品が生まれていただろうかと考えずにいられません。シューベルトについても同じように感じます。


インタビュー・文:高坂はる香


*ガラ・コンサート会場で販売されるプログラム冊子には、インタビューの別バージョンが掲載されます。ぜひご覧ください。



オンエア情報!
ショパン国際ピアノ・コンクールには、もうひとつの闘いが!舞台裏に迫ります。
NHK BS1スペシャル「もうひとつのショパンコンクール」~日本人調律師の闘い~ http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/

2016年1月に開催する【ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ】公演では、入賞者たちがカスプシック指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と来日し、若い入賞者たちの情熱をそのままお届けいたします。
2016年1月28日(木) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
2016年1月29日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール



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