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エサ=ペッカ・サロネン インタビューVol.2 (フィルハーモニア管弦楽団2013年公演)

Vol.1 に続き、マエストロ・サロネンのインタビューをお届けいたします。
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Q:次の質問です。フィンランド、スウェーデン、ロサンゼルスなど、他の国々のオーケストラでの長い経験をお持ちのマエストロにとって、このオーケストラの特徴をどのように感じていらっしゃいますか?
A:何をおいても、まずはとても芸術的(アーティスティック)なオーケストラです。繊細でささやくような音色も、驚くほどのエネルギーをも表現することができます。しかもその中にはフィルハーモニア独自のサウンドがあります。

Q:指揮者としてのあなたとオーケストラの関係、そして彼らとの関係を築くために心がけていることなどはありますか?
A:首席指揮者とオーケストラの関係で最も重要なものは“信頼“です。オーケストラが私を信頼するだけではなく、反対に私も彼らを信頼しなくてはなりません。これが私と彼らをつなぐ要です。彼らはすでに高いレベルにあるので、私は彼らを訓練、叱咤激励する必要はありません。むしろ、私が表現しようとしている音楽にどう確信を持ってもらうか、どのように表現したら良いのか、その方法を創り出すというイメージでしょうか。確信が生まれたら、そこからは音楽は生きていきます。そうなるためには数年が必要ですが、いったんそれをつかんだら、彼らはとても柔軟です。今や、私はこのオーケストラとであれば、あらゆる冒険や魅力的な未知の世界に出発することができるのです。

Q:今回のプログラムについての聴きどころ、またあなた方の取り組み方を教えてください。
A:全ての曲は、私の長年のレパートリーです。フィルハーモニア管とも何度も演奏を重ねている曲ばかりです。これらの曲に立ち戻るたび、私は楽曲を考え直すようにしています。時にはドラマティックに、ときには落ち着きを保つ・・・など、前回やったことの繰り返しにならないように、音楽が生き続けたもの、躍動する命になるようにしています。もし決まったことだけを繰り返すだけならば、音楽や芸術はそこで朽ちてしまいます。これらの曲は、世界中で演奏され続けているからこそ、より生きた演奏をすることが重要になるのです。

Q:ソリストについてお聞かせください。まず諏訪内さんは初共演となりますね。
A:はい、そうですね。今回の日本ツアーで初めて共演することになります。諏訪内さんは世界で活躍する素晴らしいヴァイオリニストと聞いていますので、本当に楽しみにしています。また、彼女の主宰する音楽祭では、私の作品を演奏してくださることを、光栄で嬉しく感じています。

Q:ピアニストのレイフ・オヴェ・アンスネスとは、若い時に共演されたと聞きましたが…。
A:そうです。彼が18歳くらいの頃、ちょうど演奏家として活動を始めた頃から知っています。最初に共演したのは、彼がコンクールに優勝してストックホルムでスウェーデン放送響とのグリーグの協奏曲を演奏した時です。最初のリハーサルは今でも忘れられません。楽団員達は「ノルウェーの若いピアニストがグリーグを弾く。まあ楽しみだ。」くらいに軽くとらえていました。ところが、彼はこの有名な作品をまるで新しいもののように弾いたのです。とても新鮮で、また完璧でした。最後の小節を演奏し終わった瞬間、オーケストラの楽団員は皆立ち上がり、スタンディング・オベーションが始まりました。
こんな経験は初めてでした。私はそのとき、この若い青年がとてつもない才能を持って、これからどんどん成長していくことを確信しました。それ以来彼との共演することを毎回楽しみにしています。私が言うまでもなく、彼は世界で最も優れた音楽家の一人です。

Q:マエストロ、お時間のない中、本当にありがとうございました。日本ツアーを楽しみにしています。
A:こちらこそありがとうございました。私もまた日本に行けることを、心から楽しみにしています。


2012年10月3日 ボン・ベートーヴェン音楽祭
フィルハーモニア管弦楽団 ベートーヴェン全曲演奏会第1日 公演終了後楽屋にて。
取材:ジャパン・アーツ


≪サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 来日公演情報≫
2013年02月08日(金) 19時開演 サントリーホール


[曲目]
ベートーヴェン:劇付随音楽「シュテファン王」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 〔ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス〕
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マーラー:交響曲第1番「巨人」

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