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[ウィーン少年合唱団] 東京公演初日公演レポート(Bプログラム)

5月4日(金・祝)14:00開演 サントリーホール カペルマイスターのジミー・チャン先生率いるハイドン組の全国ツアーがいよいよスタート!
ゴールデンウィーク中の5月4日、東京・サントリーホールで行われた公演のレポートをお届けします。
 この日は、『ウィーン少年合唱団と世界の歴史・音楽』と題されたプログラムBの公演。「ウィーン少年合唱団の伝統の歌」と「世界の伝統の歌」を通して、古来から現代へと続く音楽の歴史の流れを感じるというもの。時間と空間を旅する壮大なテーマです。

 コンサート冒頭は、ホールの後方からグレゴリオ聖歌を歌いながらメンバーたちが登場。会場のあちこちから感嘆のため息が聞こえてきます。続いてア・カペラでハスラーの「主に向かいて歌え(カンターテ・ドミノ)」が歌われ、晴れやかにハーモニーが花開きました。
 チャン先生による日本語の挨拶をはさんで、生誕350年を迎えるクープランの「歓喜せよ」。このプログラムでは、今年アニヴァーサリーを迎える作曲家の作品が多く取り上げられています。チャン先生がチェロで伴奏したカルダーラの「我は生ける糧なり」では、憂いを含んだ声の響きが、ほの暗い教会の聖堂を思い起こさせて神秘的でした。 ここで、サントリーホール公演だけのスペシャル・ゲストが登場。指揮者・作曲家としても活躍する鈴木優人さんが、パイプオルガンでJ.ハイドンの「くるおしく浅はかな心配は」のドラマティックな序奏を弾きはじめます。全部で5,898本ものパイプからなるサントリーホールのパイプオルガン、そこから出る音の迫力たるや! 柔らかく包み込むような音色や、鈴を転がすようなユニークな音色など、さまざまな表情で音楽を演出します。それに応えるように、少年たちの歌も生き生きと輝きを増していくのでした。
 ハイドンに続き、モーツァルトの「汝により守られ」とメンデルスゾーンの「主をほめたたえよ」をパイプオルガンとの共演で歌った後は、生誕200年を迎えるグノー編曲による「アヴェ・マリア」。チャン先生のピアノと鈴木さんのパイプオルガン、そしてソプラノのモーリツ・ガブリエル君によるソロで披露されました。 生誕100年を迎えるバーンスタインの「主は私の羊飼い」(『チチェスター詩編』より)は、ソロと合唱が織りなす美しくロマンティックなメロディから一転、突然に激しいリズムが飛び出すバーンスタインらしい作品。続いてア・カペラでディストラーの「我らに平安を与えたまえ」が歌われ、前半最後の曲は映画『天使にラブソングを2』の主題歌「オー・ハッピー・デイ」。ゴスペルのフィーリングたっぷりに、客席の手拍子に乗って、振り付きで楽しく聴かせてくれました。

 休憩をはさんで、後半はJ.シュトラウスⅡによるオリエント風のワルツ「千夜一夜物語」で幕を開けます。ヴェルディのオペラ『マクベス』からの曲で、臨場感たっぷりに情景を描き出す手腕はさすが。彼らは歌詞の意味だけでなく、その背景となる物語や出来事に関する知識もしっかり学んでいるので、作品を非常に深いレベルで理解しているのです。
 続いて歌われたのは、1950~60年代にウィーン少年合唱団が出演した映画でおなじみとなったウェルナーの「野ばら」。フンパーディンクのオペラ『ヘンゼルとグレーテル』からの曲では、3人のソリストが眠りにつく前の子どものあどけなさと夢見るような世界を表現。まさに天使そのものでした。 さて、ここからは世界各地の民謡や伝統歌が続きます。ウズベキスタンの民謡「水の女神」はパーカッションと振り付きで披露。岡野貞一の「ふるさと」では、彼らが東日本大震災の後、この歌で私たちに深く心を寄せてくれたことを思い出した方も多いことでしょう。もの哀しいメロディが美しい中国の民謡「ひばり」、日本でもよく知られているペルーの歌「コンドルは飛んでいく」、そしてネルソン・マンデラ大統領の生誕100年を記念して南アフリカ民謡「ホーヤ・ホー」が続きます。 映画『タイタニック』の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を歌ったセリーヌ・ディオンは今年で生誕50年。歌詞のないア・カペラで波のようなハーモニーを生み出し、その上でヤン君のソロがメロディを歌うという手法はとても斬新で、この名曲に新たな光をあてるものでした。
 そしてプログラムのラストは、十八番のヨーゼフ・シュトラウスの「水兵のポルカ」とJ.シュトラウスⅡの「美しく青きドナウ」。大きく身体を動かし、楽しそうに歌っている姿を見ると、世界中の国々から集まっていても、彼らは本当に“ウィーンっ子”なんだなあと感じます。 アンコールは「となりのトトロ」と、J.シュトラウスⅡの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。
少年たちとの胸躍る世界一周旅行に、終演後もお客さんたちの顔からは笑みがこぼれていました。

文:原 典子(音楽ライター/編集者)

Aプログラムの公演レポートはこちらからご覧いただけます

今後のスケジュールは日本ツアー公式ホームページよりご確認ください。
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ウィーン少年合唱団2018年来日公演
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[ウィーン少年合唱団] 東京公演初日公演レポート(Aプログラム)

5月3日(木・祝)14:00開演 14:00開演 サントリーホール  風薫る季節の到来とともに、天使の歌声を届けにやってくるウィーン少年合唱団。
今年はカペルマイスターのジミー・チャン先生率いるハイドン組が来日し、6月半ばまで続く全国ツアーがスタートしています。
 5月3日、東京・サントリーホールで行われたのは、『ウィーン少年合唱団と動物の世界』と題されたプログラムAの公演。ゴールデンウィーク中とあって、たくさんの家族連れで賑わった東京公演初日の模様をレポートします。

 開演時間となり、しんと静まり返ったホールの後方から美しい歌声が・・・・・・
グレゴリオ聖歌を歌いながら、ハイドン組のメンバーたちが客席の間の通路を歩いて舞台へと向かいます。サプライズのような登場に、客席の温度は一気に上昇! これから始まる公演への期待が膨らみます。 舞台へ上がったメンバーたちは、続いてケルルとハスラーによる2曲の宗教曲をア・カペラで披露。輪唱のように連なったり、ぱっとハーモニーの輪を広げたり、さまざまな響きで神への賛歌を歌い上げます。

 チャン先生による日本語の挨拶をはさんで、サントリーホール公演だけのスペシャル・ゲストが登場。指揮者・作曲家としても活躍する鈴木優人さんが演奏するパイプオルガンとの共演です。フックスの「サルヴェ・レジーナ」、M.ハイドンの「アニマ・ノストラ」では、ここがコンサートホールであることを忘れ、ヨーロッパの石造りの教会で聴いているような気分に。パイプオルガンに合わせて歌うメンバーたちの表情がリラックスし、歌声がいっそう生き生きとしていたのも印象的でした。それもそのはず、500年以上も前に王宮礼拝堂の聖歌隊として創設されたウィーン少年合唱団は、現在もウィーンの王宮礼拝堂で歌っているのです。きっと彼らも、ウィーンで歌っているような気分になったのでしょう。 続いては、ピアノ伴奏によるシューベルトを2曲。モーリツ・ガブリエル君がソロで歌った「ます」は、よく通る澄んだボーイ・ソプラノと落ち着いた歌いぶりに驚かされました。 ふたたびパイプオルガンとの共演で歌われた「慈悲‐許し‐内なる平和」はウィーン少年合唱団の音楽監督、ゲラルト・ヴィルト氏の作曲によるもの。神秘的でエキゾティックな雰囲気をたたえた宗教曲ですが、速く細かいフレーズが連なるテクニカルな箇所も見事に歌いこなし、ドラマティックに聴かせてくれます。

 前半のラストはJ.シュトラウスⅡの「山賊のギャロップ」と「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。爽快なスピード感たっぷりに、一気に駆け抜けました。 休憩をはさんで、いよいよ後半には動物にちなんだ曲が並びます。誰もがよく知る「となりのトトロ」でスタートし、メンバーたちも会場も和やかなムードに。見事な日本語のアクセントもさすがですが、彼らは『となりのトトロ』のアニメ映画が大好きだということが、楽しそうな歌声から伝わってきます。

 ペルーの歌「コンドルは飛んでいく」、中国の民謡「ひばり」に続いて歌われた日本の童謡「ほたるこい」は、ア・カペラによる輪唱の響きが夜空に点滅するほたるの光のようで、消え入るような儚い美しさを感じさせる見事な歌唱でした。

 メンバーたちが日本語で曲の紹介をするたびに、会場からはあたたかい拍手が。蛇(メンデルスゾーン『真夏の夜の夢』より)、迷い犬とはりねずみ(プーランク『小さな声』より)、ガチョウを取りに行った狐(ブリテン『金曜日の午後』より)・・・・・・
クラシック作品に登場する動物たちの歌が次々と歌われ、色とりどりの物語が展開していきます。

 コープランドの「町から猫を連れてきた」では、猫やアヒル、ブタ、牛など動物たちの鳴き声も再現。2匹の猫が“ニャーオ”で歌い交わすロッシーニの「猫の二重唱」では、2人のソリストが迫真の演技を見せてくれました。 最後は、赤のギンガムチェックのシャツに半ズボンという姿に着替えて登場し、オーストリアの民謡「カッコウ」を振り付きで披露。ユーモラスな動きだけでなく、茶目っ気たっぷりな表情でも笑いを誘っていました。十八番のウィンナ・ワルツ、J.シュトラウスⅡの「ウィーンの森の物語」で公演は終了。あっという間の楽しいひとときでした。 アンコール曲は、菅野よう子の「花は咲く」と、J.シュトラウスⅡの「美しく青きドナウ」。毎年、メンバーたちが東日本大震災に心を寄せて歌ってくれる「花は咲く」を聴くと、感謝の気持ちでいっぱいになります。今年もあたたかな心の交流が、各地で行われることでしょう。

文:原 典子(音楽ライター/編集者)

Bプログラムの公演レポートはこちらからご覧いただけます

今後のスケジュールは日本ツアー公式ホームページよりご確認ください。
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ウィーン少年合唱団2018年来日公演
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【2018年来日公演情報】セルゲイ・ナカリャコフ(トランペット)

セルゲイ・ナカリャコフ 2018年来日公演情報◆水戸室内管弦楽団 第101回定期演奏会
5月20日(日) 15:00開演 コンサートホールATM

《プログラム》
ルーセル:小組曲 作品39
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ミヨー:フランス組曲 作品248
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35(指揮者なし)
《出演》
指揮:ラデク・バボラーク
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
公演詳細はこちらから

◆水戸室内管弦楽団 第101回定期演奏会
5月22日(火) 19:00開演 コンサートホールATM

《プログラム》
ルーセル:小組曲 作品39
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ミヨー:フランス組曲 作品248
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35(指揮者なし)
《出演》
指揮:ラデク・バボラーク
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
公演詳細はこちらから

◆第20回記念 別府アルゲリッチ音楽祭 2018 ベスト・オブ・ベストシリーズVol.6
室内オーケストラ・コンサート ~アルゲリッチ Meets ショスタコーヴィチ~
5月25日(金) 19:30開演 iichiko総合文化センター・iichikoグランシアタ

《プログラム》
ルーセル:小組曲 作品39
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ミヨー:フランス組曲 作品248
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35(指揮者なし)
《出演》
指揮:ラデク・バボラーク
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
公演詳細はこちらから

◆セルゲイ・ナカリャコフのプロフィールなどアーティストの詳細
http://www.japanarts.co.jp/artist/SergeiNAKARIAKOV
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山田和樹がバーミンガム市交響楽団首席客演指揮者に就任

山田和樹が、2018/2019シーズンからバーミンガム市交響楽団首席客演指揮者に就任することが発表されました。バーミンガム市交響楽団には、2012年の初共演以降たびたび客演。2016年に行なった日本公演を成功に導いたことは記憶に新しいところです。

◇山田和樹のコメント
『バーミンガム市交響楽団とは、2012年の初共演以来、とても良い関係が続いていて、特に2016年の日本ツアーは感動的なものでした。バーミンガム市交響楽団には何か特有のテレパシーのようなものが存在していて、言葉を介さずとも、お互いの音楽を分かり合えるような化学反応がいつも発生します。この度、そのような素晴らしいオーケストラの首席客演指揮者に就任することになり、嬉しさで胸がいっぱいです。さらに良い関係を深められるように頑張っていければと思っております』

山田和樹の今後の活動に、どうぞご注目ください。

◆山田和樹のプロフィールは、下記URLをご参照ください。
http://www.japanarts.co.jp/artist/KazukiYAMADA
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お詫びと掲載のお知らせ Road to 2027 仲道郁代 楽曲探求 対談集

4月30日(月・休)サントリーホールで行われました「仲道郁代ピアノ・リサイタル ベートーヴェンと極めるピアノ道 Vol.1」に、多くのお客様にご来場くださいまして、誠にありがとうございました。
当日、公演会場でお配りしました「Road to 2027 仲道郁代 楽曲探求 対談集」が一部のお客様に行き届かないことがございました。
謹んで深くお詫びいたしますとともに、ここに掲載させていただきます。

                      (株)ジャパン・アーツ

▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼
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ユニオン ツール クラシック プログラム ベートーヴェンと極めるピアノ道 vol. 1 (全10回)
仲道郁代ピアノ・リサイタル
2018年4月30日(月・休) 14:00
サントリーホール

公演詳細