世界のバレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリが3年ぶりに日本に帰ってくる。それも貴公子アンドレイ・ウヴァーロフをパートナーに、十八番の《白鳥の湖》と《ドン・キホーテ》全幕という、願ってもないプログラムで。これはバレエ・ファンにとって絶対に見逃せない舞台なのだ。 これまでニーナはボリショイ・バレエやABTの一員として活躍するのみならず、親しいダンサーたちとのグループ公演もたびたび日本で行ない、バレリーナとしての幅広い魅力をファンの目に焼き付けてきた。デビュー10周年の1991年と1993年の、古典のパ・ド・ドゥを中心にした2回の〈アナニアシヴィリと世界のスターたち〉公演は大好評を博し、DVDでもいまだに高い人気を誇る。2001年にはデビュー20周年記念として《眠れる森の美女》ハイライトを軸とするガラ公演を行い、変わらぬあでやかな姿で会場を魅了した。そして今回は久々の全幕公演。それも近年とみに円熟味を増し、一層の感動を呼んでいるという、ニーナのオデット/オディールを堪能できる。 バックを務めるグルジア国立バレエは、ニーナの生まれ故郷トビリシの伝統あるバレエ団。ニーナは2004年にこのバレエ団の芸術監督に就任し、古典以外のレパートリーに、バランシンの《セレナード》《アポロ》、アシュトンの《リーズの結婚》《2羽の鳩》、ラヴロフスキーの《ロミオとジュリエット》、そして〈アナニアシヴィリ&世界のスター達'98〉で踊ったラトマンスキー振付《夢の中の日本》、2004年の〈アナニアシヴィリの白鳥の湖〉公演で上演したウェルチ振付《グリーン》、マッキンタイアー振付《セコンド・ビフォー・ザ・グラウンド》などを加えた。彼女とアレクセイ・ファジェーチェフら名ダンサーたちの指導のもと、若いバレエ団は現在、めきめきと力を伸ばしている。ニーナ、ウヴァーロフら、世界のスターたちの名舞台を楽しみにするとともに、グルジア・バレエのスターの卵たちの若々しい舞台姿にも注目したい。
村山久美子 (舞踊評論家)
村山久美子(舞踏評論家)
守山実花 (舞踊評論家)