マリインスキー・オペラ ゲルギエフが最高の布陣と最強の4演目で魅せる、ロシアの深淵と美の世界。   
TOPぺーじへ ニュース&ブログ 公演概要 チケット キャスト&プロフィール チケット
 
ホヴァーンシチナ ♣3つのオレンジへの恋 ♣ランスへの旅  イーゴリ公
 

演目

公演日・会場

料金

ムソルグスキー
ホヴァーンシチナ
1月26日(土) 14:00 東京文化会館
Jan.26(Sat.) Tokyo Bunka Kaikan
S\50,000 A\41,000 B\35,000C\29,000 D\22,000 E\16,000F\10,000 学生\8,000
最前列席 \52,000
1月27日(日) 14:00 東京文化会館
Jan.27(Sun.) Tokyo Bunka Kaikan

プロコフィエフ
3つのオレンジへの恋

1月28日(月) 19:00 東京文化会館
Jan.28(Mon.) Tokyo Bunka Kaikan
S\47,000 A\40,000 B\34,000C\28,000 D\22,000 E\16,000F\10,000 学生\6,000
最前列席はありません
1月29日(火) 19:00 東京文化会館
Jan.29(Tue.) Tokyo Bunka Kaikan

ロッシーニ
ランスへの旅

1月31日(木) 19:00 東京文化会館
Jan.31(Thu.) Tokyo Bunka Kaikan
S\47,000 A\40,000 B\34,000C\28,000 D\22,000 E\16,000F\10,000
学生\8,000 最前列席はありません
【平日割引】1/31は各席2,000円引き
2月2日(土) 12:00 東京文化会館
Feb.2(Sat.) Tokyo Bunka Kaikan

ボロディン
イーゴリ公

2月1日(金) 18:30 NHKホール
Feb.1(Fri.) NHK Hall
S\50,000 A\41,000 B\35,000C\29,000 D\22,000 E\16,000F\10,000
学生\8,000 最前列席 \52,000
【平日割引】 2/1は各席2,000円引き
2月2日(土) 18:00 NHKホール
Feb.2(Sat.) NHK Hall
2月3日(日) 14:00 NHKホール
Feb.3(Sun.) NHK Hall
 
 
ムソルグスキー ≪ホヴァーンシチナ≫全5幕 ショスタコーヴィチ版【上演時間 : 4時間15分/休憩2回含む】ロシア語上演 <公演予定日> 2008年1月26日(土)・ 27日(日) 東京文化会館
 
人物紹介
イワン・ホヴァーンスキー(バス) 
銃兵隊の長官。保守的な貴族を代表し、第1幕では権勢を誇るが、陰謀に巻き込まれ、第4幕で殺される。

アンドレイ・ホヴァーンスキー(テノール) 
イワンの息子。最初マルファを愛していたが、エンマに心を移している放蕩者。第5幕ではマルファに説得され、死に赴く。

ワシーリー・ゴリーツィン(テノール) 
皇女ソフィアのかつて愛人で、改革派の大貴族。西洋の良い物は取り入れようと考えが、その野望も潰えて流刑される。

シャクロヴィートゥイ(バリトン) 
大貴族で、第1幕では身分を隠して代書屋に告発状を書かせる。良きロシアを求めるが、それは優れたツァーリ(皇帝)の出現によると考えている。

ドシフェイ(バス)
分離派を率いる司教。ホヴァーンスキーとは古きロシアを守るという点で一致するが、彼の銃兵隊の規律のなさに関しては非難をする。最後は他の分離派教徒と共に火中に身を投じる。

マルファ(メゾ・ソプラノ)
 
分離派教徒の娘で占い師でもある。第2幕ではゴリーツィンの未来を占う。そしてゴリーツィンの手下に殺されそうになる。第3幕では自分の未来も予見して歌う。

スザンナ(ソプラノ) 
分離派の老女で、第3幕でマルファを非難する。

エンマ(ソプラノ) 
若いドイツ人でルター派の娘。アンドレイによって、父親を殺されている。しかし、アンドレイの父親も彼女を気に入り、取りあいとなる。

クーシカ(バリトン) 
第1幕冒頭と第3幕第2場に登場して、銃兵隊の軍人たちの気持ちを歌う。

代書屋(テノール) 
第1幕と第3幕第2場に登場。事件を告げる重要な言葉を発する。
 
 
ストーリー
 1682年、時の皇帝フョードルが20歳で病死すると、皇位継承者として病弱な16歳の弟イヴァンと、10歳の異母弟ピョートル残されました。この時、イヴァンの姉の皇女ソフィアは銃兵隊を率いたホヴァーンスキー公にクーデターを起こさせて摂政の座に就き、邪魔な異母弟ピョートルとその母をモスクワ近郊の修道院に幽閉しました。オペラは、銃兵隊の反乱が成功した翌朝の「赤の広場」から始まります。
ホヴァーンシチナ
  クーデターの功労者として銃兵隊長官に任命されたホヴァーンスキー公は急速に権力を増大させ、それを警戒する大貴族シャクロヴィートゥイはホヴァーンスキー父子を陥れようと陰で画策しています。そうとは知らない父子は美しいドイツ娘を巡って醜い争いを演じますが、その場に現れた分離派教徒の長ドシフェイと信徒マルファに諌められます。実はマルファは息子の方のアンドレイ・ホヴァーンスキー公と、かつては愛し合う仲でした。

ホヴァーンシチナ  皇女ソフィアの摂政時代はつづきます。皇女の恋人ゴリーツィン公は野心的な皇女の心が読めず、予言者でもあるマルファを呼び出して自分の運命を占わせます。マルファの予言は「あなたは富も権力も失い、流刑に処される」という不吉なもの。怒ったゴリーツィン公はマルファを帰したのち臣下に彼女の殺害を命じ、やってきたホヴァーンスキー公や僧ドシフェイとロシアの今後について議論を戦わせます。そこにマルファが駆け込んできて、「私は公の従者に殺されかけましたが、ピョートル帝の親衛隊に助けられました!」と告げます。それを聞いた3人は、幼かったピョートルがいつの間にか軍隊を組織して着々と力を付けていたことを知り、驚きます。
  ホヴァーンスキー公は今の内にピョートルを亡き者にして息子アンドレイを帝位に就けようと企てますが、その間にも銃兵隊の居住区がピョートルの親衛隊に襲撃されたという知らせが入り、気力が萎えます。ピョートルと戦う決意が付かないまま自分の館に引きこもった公は、ペルシャの女奴隷たちの歌や踊りで憂さを晴らしています。そこに突然やってきた大貴族シャクロヴィートゥイから「皇女のお召しがかかった」と告げられ、礼服に着替えて部屋を出ようとした所を、シャクロヴィートゥイの従者に暗殺されます。

  モスクワの聖ヴァシリー寺院前の広場。ピョートル帝に逮捕され、処刑を待つ銃兵たちが行進しています。ピョートルは処刑の直前に彼らに恩赦を与えますが、分離派教徒への弾圧の手は緩めず、親衛隊に絶滅を命じます。分離派教徒たちは松林の中の僧院に立てこもり、僧ドシフェイの「信仰を捨てるよりは死を選ぼう」という呼びかけに答えて、全員が焼身自殺を決意します。マルファは、今でも愛しているアンドレイ公の手を取り、自らの手で僧院に火を付け炎の中に消えてゆきます。
ホヴァーンシチナ
Photo:N.Razina

指揮:ワレリー・ゲルギエフConductor : Valery Gergiev

演出:レオニード・バラトフ Stage Director : Leonid Baratov

2000年版演出:ユーリー・アレクサンドロフ New stage version : Yury Alexandrov (2000)

装置:フェドール・フェドロフスキー  Set Designer : Fedor Fedorovsky
 

衣裳:タチヤーナ・ノギノワ Costumes : Tatiana Noginova

照明:ウラジーミル・ルカセヴィチ Lighting Designer : Vladimir Lukasevich

 
 
 
プロコフィエフ ≪3つのオレンジへの恋≫プロローグと4幕 <世界初演:1921年 シカゴ>【上演時間 : 2時間25分/休憩1回含む】ロシア語上演<公演予定日> 2008年1月28日(月)・ 29日(火) 東京文化会館
 
ストーリー
 架空の国の王様は、憂うつ症にかかった王子の容態が心配で名医たちに診せますが、誰も治療法を見つけられません。王子を救うのは笑いだけだ、と判断した王様は、道化師に「愉快な宴会を開いて王子を笑わせて欲しい」と頼みます。一方、宮廷には密かに王位をねらう王の姪の王女クラリーチェと大臣レアンドルがいて、2人は「王子が笑う前に殺してしまおう」と手を結びます。物語は、これに王と王子の味方の魔術師チェリオ、王女と大臣の味方の魔女ファタ・モルガーナとその手下たちが絡んで進行します。
オレンジ
  王子は、道化師が開いた宴会のおかしな余興には全く笑わなかったのに、その場に紛れ込んでいた魔女ファタ・モルガーナが道化師に突き飛ばされて引っくり返ったのを見ると、突然笑い出しました。怒った魔女は王子に「3つのオレンジに恋をしろ!」と呪いをかけたので、王子と道化師は矢のように宮廷を飛び出して行きます。
  オレンジ探しの旅に出た王子と道化師は、砂漠の中の城に行き当たります。そして城の台所にもぐり込み、道化師が恐ろしい料理女の気を逸らしている隙に、王子は大きなオレンジを3つ盗み出しました。

オレンジ  王子と道化師はそのオレンジを引きずって砂漠をさ迷います。その内に疲れた王子は眠ってしまいますが、道化師は喉の渇きに耐え切れず、1つ目のオレンジを割ります。すると中からリネッタ姫が現れて、姫も喉の渇きを訴えるので道化師が2つ目のオレンジを割ると今度はニコレッタ姫が現れ、彼女も水をせがむ始末。道化師が右往左往している間に2人の姫は死んでしまい、驚いた道化師はその場を逃げ去ります。

  目覚めた王子は、通りかかった兵士たちに姫たちを運ばせ、3つ目のオレンジを割りました。中から現れたニネッタ姫も王子に水をせがみますが、丁度人々が塔から水を運んできたので王子は姫を救うことができました。王子は姫に「世界中探し回った相手がようやく見つかった!」と愛を告げ、姫も命の恩人の王子に愛を捧げます。
  王子が姫の婚礼用の服を城に取りに戻った間に、魔女ファタ・モルガーナが手下の黒人召使と現れて、ニネッタ姫をネズミに変えてしまいました。王を連れて戻ってきた王子が見たのは、姫に成り代わった黒人召使。何も知らない王からその女との結婚を命じられた王子は、絶望します。

  この騒動を収めたのは、魔術師チェリオでした。チェリオは魔女ファタ・モルガーナを塔に閉じ込めた後ネズミに変えられていたニネッタ姫の魔法を解き、王子と姫は目出度く結ばれます。チェリオに全ての悪事を暴かれた王女クラリーチェと大臣レアンドルは、塔を破って出てきた魔女と一緒に地下に消えて行きます。
オレンジ
Photo:N.Razina
“信じられる何かを求めて旅する・・・王子は私たち自身なのです゛

《ランスへの旅》に続くゲルギエフとのコラボレーションに多忙な日々を過ごす演出家、アラン・マラトラ氏(以下A.M.)が語る。
Q. あなたの演出の理念、具体的な特色は?
A.M.:私は、舞台上の出演者と観客との間に心の距離が出来てしまうのが嫌です。例えば歌舞伎は、観客との親近感が素晴らしく、楽しいのですよね?私が望むことも同じです。具体的には舞台と観客席の間に橋をかけることもあります。そうして深い人間的なつながりを生み出したいのです。オペラはもともと「音楽」という媒体を通して、強く心が触れ合うことが可能な芸術です。それをまるで美味しい物を手に取って食べるように「味わう」ことができ、もっと舞台に近づきたい、触れたい、という欲求を持ってもらえたら成功と言えるでしょう。

Q. この作品の特徴は?
A.M.:物語は一人の王子が愛を求める旅に出る話です。それは心の空しさを埋めるため、自分自身の純粋さを取り戻す旅とも言えます。そこには、行く手を阻む邪悪な存在、魔女や策謀家が現れ、また「喉が渇いて死んでしまう」というような突飛な現象が起こり・・・神の存在を暗示するような結末。典型的な寓話ですね。プロコフィエフの音楽は、一瞬も途絶えることなく、このストーリーの展開を盛り上げて行きます。王子は私たち自身です。純粋で繊細な心が、信じられる何かを求めて旅をしているのですよ。

Q. 色々な劇場の中で、特にマリインスキー劇場と仕事をする喜びは?
A.M.:素晴らしいマエストロに恵まれていることはもちろん、1作品に2ヶ月半という充分な稽古期間が取れること、良い歌手がすべて内部に揃っていることが嬉しいです。歌手に限らず、劇場内部ですべてを賄うことが可能、というのは、もはや「マリインスキーのみ」かも知れません。3000人の職員がおり、舞台に必要なものはすべて、劇場内の工房で作られます。衣裳のための特殊な布地を、昔ながらの方法で染色したいなどという要求にも応えられる設備と職人が存在することは、信じられないことなのです!
 

指揮:ワレリー・ゲルギエフConductor : Valery Gergiev

演出:アラン・マラトラ Stage Director : Alain Maratrat  

装置:ダニエラ・ヴィラール Set Designer : Daniela Villaret


照明:パスカル・メラ Lighting Designer : Pascal Merat


音楽指導:ラリッサ・ゲルギエワ Musical Preparation: Larisa Gergieva

 
Sponsor of the production SUPPORTED BY CRDIT AGRICOLE S.A.
 
 
 
ロッシーニ ≪ランスへの旅≫全1幕 パリ・シャトレ座共同制作【上演時間 : 2時間40分/休憩1回含む】 イタリア語上演<公演予定日> 2008年1月31日(木)・ 2月2日(土) 東京文化会館
 
ストーリー
  1825年6月、フランス国王ルイ18世の死去に伴い王位を継いだシャルル10世は、栄えある戴冠式をフランス西北部シャンパーニュ地方の都市ランスで執り行うことにしました。その歴史的瞬間を一目見ようと、フランスにはヨーロッパ中から貴族たちが集まってきました。オペラの舞台は、ランス東部の山の中にある温泉地プロンビエールの高級ホテル「金の百合亭」。

  ホテルのオーナーのコルテーゼ夫人は、使用人たちに贅沢で我儘な客たちの扱いを教えています。ここで早くもコロラトゥーラの技を聴かせるアリアが披露され、次々に登場する宿泊客の紹介を兼ねた華麗な歌が続きます。先ず、衣装道楽で帽子狂いのフォルヴィル伯爵夫人の、華やかな技巧を伴うコミカルで長大なアリア。次いで、メリベーア侯爵夫人を巡って争う男たちと、当の侯爵夫人との絶妙なる6重唱。イギリスの軍人シドニー卿の、ローマの女流詩人コリンナに寄せる愛のアリア。そのコリンナに情熱的に迫る騎士ベルフォーレと、それを巧みにかわすコリンナの、華やかで軽妙な2重唱。コリンナの友人で文人ドン・プロフォンドの、客たちを皮肉った喜劇的なアリア。「馬が手配できず馬車が出せません」と告げられた客たちの驚きと嘆きの、大コンチェルタート(同じ旋律による競演)。ここではオペラ史上類を見ない、14名のソリストたちの声の競演が繰り広げられます。

  ランス行きを諦めた客たちは、新国王が帰還するパリで祝賀行事を見ようということで意見がまとまり、それまでの楽しみに宴会を開きます。喧嘩をしていたリーベンスコフ伯爵とメリベーア侯爵夫人の仲直りの2重唱に続いて、宴会のテーブルに着いた客たちが各人お国の歌を披露します。順番は、ドイツ、ポーランド、ロシア、スペイン、イギリス、フランス、そしてチロルの民謡。最後に女流詩人コリンナが即興でフランス新国王を讃える詩を歌い上げ、一同の「万歳!」で幕が下ります。

  この様に、祝祭オペラ《ランスへの旅》のストーリーはあって無きがごときもの。そもそもロッシーニはこのオペラを、同時代の歴史に名を残す名歌手たちの声と技のために書いたのであり、どのアリアにも洩れなくコロラトゥーラの技術の粋が盛り込まれているのです。聴き手は面倒なことなど考えずに、あらゆる声域の歌手たちの超絶技巧に酔えば良いだけ。これは声楽ファンのための、最高の娯楽作品と言えましょう。
Photo:N.Razina
 

温泉宿「金の百合亭」に集う個性溢れる面々。皆親王シャルル十世の戴冠式を一目見ようと式典の行われるランスへの旅を計画しているのだがその前途はいかに・・・・!?

 

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
Conductor : Valery Gergiev

演出:アラン・マラトラ  
Stage Director : Alain Maratrat

装置:ピエール=アラン・ベルトラ 
Set Designers : Pierre-Alain Bertola

照明:パスカル・メラ 
Lighting Designer : Pascal Merat

音楽指導:ラリッサ・ゲルギエワ 
Musical Preparation: Larisa Gergieva

 
Supported by SUPPORTED BY CRDIT AGRICOLE S.A.
 
 
ボロディン≪イーゴリ公≫プロローグと3幕【上演時間:4時間20分/休憩3回含む】ロシア語上演<公演予定日>2008年2月1日(金) ・2日(土)・ 3日(日) NHKホール
人物紹介
イーゴリ公(バリトン)
12世紀南ロシアのプティーヴリを治める領主。再三侵攻してくる遊牧民のポロヴェッツ人と一線交えるべく出陣する。

ヤロスラーヴナ(ソプラノ)

イーゴリ公の妻。イーゴリ公が出陣した後、兄の素行の悪さに悩みつつ、夫の身を案じる。

イーゴレヴィチ(テノール)
イーゴリ公の息子。父の宿敵コンチャーク汗の娘コンチャコヴナと恋に落ちる。

ガリツキー公(バス)
ヤロスナーヴナの兄。イーゴリ公の留守中、若い娘たちをはべらせて酒宴に明け暮れる毎日を送る。

コンチャーク汗(バス)

ポロヴェッツの首領。攻めてきたイーゴリ公を捕らえるが、勇敢な英雄として認め丁重にもてなす。

コンチャクコヴナ(アルト)
コンチャーク汗の娘。身を挺してウラジーミルを守る。
 
 
ストーリー
  12世紀ノーヴゴロド(今のキエフ辺り)を治めるイーゴリ公は、南方から侵略してくる遊牧民族ポロヴェツ人を征伐するため、留守を妻の弟ガリツキー公に託して、息子ウラジーミルを伴い出陣してゆきます。ところがこのガリツキー公はとんでもない男で、領主の留守をいいことに町からさらってきた若い娘たちをはべらせて酒宴に明け暮れる上、今に自分が領主になる野心を抱いています。

  夫の身をひたすら案じるイーゴリ公の妻ヤロスラーヴナは、娘を奪われた母親たちの訴えで初めて弟の悪行を知り、強く弟を咎めますが、相手は悪態をつくだけで姉の言葉に耳も貸しません。そこにイーゴリ公の使者が到着し、「わが軍は破れ、公は負傷してウラジーミル公共々捕虜になりました」と知らせます。驚き悲しむ人々の上に、ポロヴェツ人の来襲を告げる警鐘が鳴り響きます。

  大草原の中のポロヴェツ人の陣営では、捕虜になって働かされているイーゴリ公の兵士たちが、ポロヴェツの娘たちの優しい対応に感謝しています。若いウラジーミル公は、ポロヴェツの首領コンチャク汗の娘コンチャコヴナと愛し合う仲になっています。人目を忍んで会った二人は、結婚したくても叶わない運命を嘆きます。


  イーゴリ公は、彼を勇敢な英雄として認めるコンチャク汗から客人のように丁重に扱われており、その恩義ゆえに逃亡のチャンスがあっても踏み切れないでいます。コンチャク汗は、「自由を奪われた鷹は生きることができない」と捕虜の身を嘆くイーゴリ公を慰めようと、宴を開いて美女たちに歌い踊らせます。その場は次第に勇猛な男たちの踊りから全員の踊りへと盛り上がり、最後はコンチャク汗を讃える熱狂的な大合唱となります。

  ポロヴェツ人たちは次々にロシアの町や村を襲って焼き払い、大勢の捕虜や戦利品を陣営に持ち帰ってきます。イーゴリ公は息子ウラジーミルや兵士たちから「このままではロシアは滅びてしまいます。ロシアを救うために脱走して下さい」と頼まれ、遂に逃亡を決意して陣営を出ようとしたその時、コンチャコヴナが現れてウラジーミルを行かせまいとします。公は追っ手を引き離して馬で逃げ延びますが、ウラジーミルは捕らえられてポロヴェツの兵士に殺されかけます。コンチャコヴナは身を挺して恋人を守り、それを見たコンチャク汗は寛大にもウラジーミルを許して、愛し合う2人を結婚させます。

  戦火で荒れ果てたイーゴリ公の城では、妻ヤロスラーヴナが「カッコウのように愛する夫の元に飛んで行きたい」と嘆いています。その時遠くから公の乗る馬の土煙が見え始め、人々も公の帰還に気付きます。城に帰り着いた公は妻と歓呼する民衆に迎えられ、力強く再起を誓います。
Photo:N.Razina
 
各演目のストーリーは「ぴあチェーレ91号より 文:ひのまどか」
 
これぞロシアのロマン、異国情緒溢れる大スペクタクル絵巻!
マリインスキー劇場による日本初上演・・・ ゲルギエフ、ついに伝家の宝刀を抜く!


「このオペラは、マリインスキー劇場の名刺だと思ってほしい」と、改訂演出を手がけたイルキン・ガビトフが語るこのオペラは、様々な民族・宗教を内包する雄大なロシアを、異国情緒溢れるボロディンの音楽に乗せて描ききった大作である。 時は1185年、南ロシアのイーゴリ公は、不吉な前触れに出陣を止める妻を振り切って、息子と共に遊牧民族ポーロヴェツ(だったん人)との戦いに赴くが、戦に負けて捕虜の身に。しかしだったん人の頭目、コンチャーク・カンは、敵ながら尊敬するイーゴリ公を手厚くもてなし、恋に落ちた自分の娘とイーゴリ公の息子の結婚も許す。そして最後には脱走するイーゴリを追討しない。このオペラで描かれるロシアと東洋の接点、2つの文化の共存を許すエンディングなどは、様々な異文化を拒絶することなく吸収してきた大きなロシアを感じさせ、未来もそうありたいという望みを感じさせる。この伝統的な作品に、ゲルギエフとマリインスキー劇場の今を背負う歌手がフレッシュな風を吹き込んだ。 寥々としたメロディで有名な「だったん人の踊り」の場面では、バレエ団でも世界に名高いマリインスキー劇場ならではの、迫力のダンス・シーンが楽しめる。
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
Conductor : Valery Gergiev

演出:エフゲニー・ソコヴニン  
Stage Director : Yevgeny Sokovnin

2001年版演出:イルキン・ガビトフ
Revival Stage Director : Irkin Gabitov (2001)

振付(だったん人の踊り):ミハイル・フォーキン
Polovtsian Dances choreography by Michel Fokine

装置:ニーナ・チホノワニコライ・メルニコフ 
Set Designers : Nina Tikhonova and Nikolai Melnikov

照明:ウラジーミル・ルカセヴィチ 
Lighting Designer : Vladimir Lukasevich
 
 
*ダブル・キャストが予定されています。決まり次第ホームページにてお知らせいたします。
*キャストは変更になる場合がございます。最終的な出演者は当日発表となります。
 
主催:朝日新聞社/ジャパン・アーツ 後援:ロシア連邦大使館 協力:ユニバーサル・ミュージック/マリインスキー・オペラ友の会/日ロ音楽家協会 GLOBAL PARTNER OF THE MARIINSKY THEATRE Vneshtorgbank