ボリショイ・バレエ 2008年来日公演
   
 
アレクサンドロワ ザハーロワ ザハーロワ カプツォーワ クリサノワ
マリーヤ
アレクサンドロワ
スヴェトラーナ
ザハーロワ
アンナ
アントニーチェワ
ニーナ
カプツォーワ
エカテリーナ
クリサノワ
オーシポワ ベロゴロフツェフ フィーリン グダーノフ ウヴァーロフ
ナターリヤ
オーシポワ
ドミートリー
ベロゴロフツェフ
セルゲイ
フィーリン
ドミートリー
グダーノフ
アンドレイ
ウヴァーロフ
メルクーリエフ ゴドフスキー シュピレフスキー ワシーリエフ ラトマンスキー
アンドレイ
メルクーリエフ
ヤン
ゴドフスキー
アルテム
シュピレフスキー
イワン
ワシーリエフ
芸術監督
ラトマンスキー
         
ボリショイ劇場管弦楽団
The Bolshoi Orchestra

ボリショイ・バレエの今
小町直美(舞踊評論家)
 躍動感あふれる踊り、迫力に満ちたドラマティックな表現・・・ボリショイ・バレエはその独自なスタイルで世界じゅうの人々を魅了してきた。20世紀後半を振り返れば、マヤ・プリセツカヤ、ウラジーミル・ワシーリエフを始め、強烈な個性を持ったボリショイのスターたちの顔が浮かぶ。私たちがイメージするロシアっぽさ――男性の勇壮な踊り、力強くアクロバティックなリフト、豊かな感情表現などは、まさにボリショイ・バレエが200年余りの歴史のなかでつちかってきたものだ。ユーリー・グリゴローヴィチが芸術監督を務めた30年間には、『愛の伝説』、『スパルタクス』など、ボリショイを代表する作品群が次々に生み出された。
 しかし、91年のソ連崩壊の前後、社会情勢の混乱とともに劇場もまた模索の時代を迎える。グリゴローヴィチが去った95年から5年間、天才的なダンサーだったワシーリエフが劇場全体の芸術監督を務め、硬直しかけていた旧体制に新しい風を入れた。バレエの芸術監督はボリス・アキーモフの後、2004年からアレクセイ・ラトマンスキーが就任。現代に開かれたセンスで自身の振付作品を発表する一方、ボリショイの伝統に光を当てることに懸命だ。
 2006年と07年の夏、ロンドンは3週間にわたるボリショイ公演に沸いた。07年夏、現地に居合わせた筆者は、公演の目玉だった新『海賊』のカラフルな衣装、優雅でちょっとユーモラスな雰囲気を満喫することができた。19世紀のプティパの改訂版に限りなく近づけたヴァージョンである。
 主役を踊っていた若手アーティストたちの成長ぶりにも目を見張った。ことにスヴェトラーナ・ルンキナ、マリーヤ・アレクサンドロワが演技の深みを増し、個性を花開かせている。マリインスキー劇場から移籍したスヴェトラーナ・ザハーロワの存在がいい意味で刺激になっているかもしれない。ロンドン公演の演目だった『バヤデルカ』で、ニキヤとガムザッティの火花を散らす対決を演じたのは文字通り、ザハーロワとアレクサンドロワだった。
2007年9月、東京での「ボリショイ&マリインスキー合同公演」では、若手の男性ダンサーの台頭がうれしかった。ボリショイらしい豪快な踊りを小柄でいきいきしたイワン・ワシーリエフが引き継いでいくようだ。
 現在のボリショイ・バレエは歴史的なクラシック作品のほか、バランシンやローラン・プティ、トワイラ・サープ、それに英国気鋭の振付家クリストファー・ウィールドンの作品をレパートリーに入れ、未来への挑戦を怠らない。ラトマンスキーの新作を始め、これらの演目を私たちが目にする日も遠くはないだろう。
 
 
主催:朝日新聞/ジャパン・アーツ 後援:ロシア大使館/日ロ音楽化協会 特別協賛:日興コーディアルグループ